さよなら-名前も付けられなかった僕へ
昨日、7月15日、お母さんのお腹から出て、貴方の姿を見ることができました。
体重240g、身長23.0cmと書かれたあなたの姿は、僕が想像していたよりも、とても人間らしく、母親の中で立派に成長していたのだと、伝わりました。
貴方を、この世に出してあげられなくて、ごめんなさい。産婦人科の先生は、最後まで「赤ちゃん側の問題」と言ってくれていましたが、僕らも、高齢出産のリスクをもっと考え、行動できたこともあったのかもしれません。妊娠5か月の戌の日を迎えられて、僕らの中で、どこか安心して、そして慢心してしまったところが、あったのかもしれません。
一般の子育て世代とはひとまわりも違う僕たち夫婦に、3月下旬に妊娠がわかってから、あなたは、僕たちをとても喜ばせてくれました。お母さんも、5月に体調不良になり、1週間ほど仕事は休みましたが、貴方と共に、懸命に闘いました。この時期は、両家の協力を得て、なんとか乗り越えることができました。
6月12日は戌の日を迎え、地元の常慶寺に安産祈願に行きました。その後、両家集まり、皆で食事をしました。貴方が居たから、みんな夢見ることができました。
この世に、準備できた状態で、出せなくてごめんなさい。貴方の不調に、気づいてあげられなくてごめんなさい。ですが、あなたが生きたかった思いを、ここに居る人たちは受け継ぎ、思いを引き継いでくれると思います。貴方の分まで、生をまっとうすることを誓います。
想像していたより早く、さよならを言う事になりました。いままで、たたかってくれてありがとう。本当に、本当に、お疲れ様でした。よくがんばったね。名前を付けられなかった僕へ。
最後まで読んでくれて、ありがとう