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不調和という調和
私は揺らいでいる。縦にしても横にしても、揺らいでいる。
私は欠けている。欠片を拾い集めてみても、どこかが、なにかが欠けている。
星みたいだ。
なんていう名前かもわからない星。
小さく瞬く。
この広い空の何処かに、私はいる。
見つけられる人には見えるし、見えない人には出逢わない。
立ち止まる。目を瞑る。
人は歩き続ける。どこかへ、何かを抱えて、流れていく。
その大きな流れのなかに、私は溶けていく。
輪郭はほろほろと崩れ、核も薄く消え去っていく。
豊かな調べのなかで揺蕩いながら、私は溶けた私を掬い上げる。
一歩踏み出す。
陽が昇る。
光は平等に、隙間なく世界を満たしていく。
帷が降りる。
分け隔てなく、ひっそりと、あたたかく。
おやすみなさい。
また明日。