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夏目友人帳

私は『夏目友人帳』が好きで、もう何周もアニメを観ています。
あの温かくて優しい世界観が大好きです。
ほっこりしたり、グッと来たり。
貴志くんと周りの人々、妖怪たちの物語にどんどん引き込まれていきます。

幼い頃から不思議なものを目にしてきた貴志くん。
それを理解してもらえずに、孤独だった貴志くん。
不遇だった少年期を見る度に、胸が痛みます。

そして、『夏目友人帳 伍』の『塔子と滋』の回で、貴志くんが藤原家に引き取られた経緯が描かれて、「ほんとうに良かった」と心から感じました。
滋さんの温かさ、塔子さんの優しさが溢れている回です。

また、『塔子と滋』の回では、二組の夫婦が描かれています。
ひと組は、タイトル通り、塔子さんと滋さん。
そしてもうひと組は、つがいのカラス。
滋さんが教えてくれたカラスの話は、後々じんわりと効いてきます。

サナちゃんと旅行へ行って、楽しみながらも、夜、布団の中で滋さんを想う塔子さん。
滋さんの姿とカラスの姿を思い浮かべる塔子さん。
相手を想い、共に寄り添う姿は、観ていて自然と、静かに、涙が流れます。


終盤、お庭で、貴志くんに、カラスのことを「私のお友達なの」と話す塔子さん。「見える?」
それを受けて、「2羽いますよ」と伝える貴志くん。
たぶん、今までの貴志くんだったら、慎重に、『見えること』を隠したところ。
でも、呆気ないくらいすんなりと、もう1羽いることを伝える貴志くんが、藤原家にきてどれだけ心を許しているか、安心して心を開いているかが分かる場面です。
(貴志くんが、うっかりぽんで、妖怪ではなくカラスだったため、『油断して』言ってしまった、とも受け取れます。)

「すごくきれいですよ」と、もう1羽の白いカラスを見る貴志くん。
そんな貴志くんを見つめる塔子さん。言葉には出さないけど、なにかを感じ取る塔子さん。
きっと、このときに塔子さんは、貴志くんが『見えないものを見ている』ことを悟ったのでしょう。

黒いカラスが独りじゃないことを、「良かった」と思って、塔子さんは貴志くんと共に空を見上げます。
帰宅した滋さんが、そんな二人を温かい眼差しで見守ります。


空を指差す貴志くんと一緒に、飛び立つカラスを見ているけれど、塔子さんには、もう1羽の白いカラスは見えていません。
エンディング曲、Aimerさんの『茜さす』のイントロが流れて、そこに、目には映らない白いカラスを見る塔子さんの心情が表されます。
「それは、きっと美しく、白く光って、見えにくいのね」
塔子さんのその言葉で、回は結ばれます。

塔子さんの心根の素直さ、優しさが溢れている言葉。そして、この言葉は、貴志くんを全肯定していなければ出てこない言葉です。
観ている側は、その温かさに包まれ、貴志くんがもう孤独じゃないことを芯から感じとることができて、自然と涙が溢れてきます。


この美しい物語を紡いだ、緑川ゆき先生。
素晴らしいアニメ演出。
Aimerさんの『茜さす』。
もう御礼しか出てきません。感動の嵐。


彼にも『夏目友人帳』を見せたい。
彼は意外と繊細な一面を持っているので、この世界観はきっと響くと思います。

名取さんのことも好きなので、また今度、記事書きます。
名取さん、待っててくださいね。


では、今日はこの辺で。
読んでくださって、ありがとうございました。
また明日。
おやすみなさい。

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