セルフライナーノーツ / 【初音ミク】十五夜は届かぬ告白
「十五夜は届かぬ告白」という楽曲の動画を投稿しました。
イラストは「幼き魔法の羽のこと」でも描いてくださったみやこるりさん。動画編集は初めて制作を共にさせていただいたななまちさん。
画的な感性はお二人にお任せしてというところなのですが、すごく素直にアウトプットをしてくださった気がしていて、楽曲との一体感を感じます。シナジーという言葉が一番近しいものかと思います。
楽曲に関してはアルバムの中のものなので詳しくはアルバムライナーノーツをご覧いただけたらと思います。
というわけでここでは少し別の角度から楽曲制作の話を。
この楽曲はこのcohaとは別に個人的な依頼としてとあるアイドルへ提供する楽曲を複数制作していてそのうちの1つでした。
そのcohaの活動とは別にあった曲なのである意味でcohaのコンセプトと少し外れているのだと思います。(とはいいつつも最終的にcohaとして出したいと思うのですが)
もう少し紐解くと、私の楽曲は聴いてくださる方に灰汁を感じさせるように制作してきました。
それは「すんなり聴ける」ということが怖かったんです。
ジャンル分けをあまりしたくないのですが、割とこの楽曲はバンドサウンドとしてのポップスのど真ん中を行くような楽曲だと思っています。
そしてポップであるということに対して私は矛盾した願望がありました。平たく言うと
ポップでありたいけれどポップでありたくない
耳にすんなり溶け込むような楽曲を作りたいけれど、そこにフォーカスを当て過ぎると耳から入ってそのまま抜けてしまうような楽曲になってしまう気がして。それって寂しい。
だから、自然な流れと不自然な流れを組み合わせるような楽曲を作ってきました。
ただ、それを恐れ続けて中毒性を生み出すことに注力しだすと何か真っ直ぐなものを作りたくなってしまうんですよね。
ないものねだりです。
たぶん、十五夜はこれからもずっと私の中で一番真っ直ぐな曲なのだと思います。