セルフライナーノーツ / 【LUMi】幼き魔法の羽のこと
※この記事は2018/5/18に書かれたものです。
改めまして。
3作目となる「幼き魔法の羽のこと」をニコニコ動画にてアップしました。
色々な方の助けがあって無事。あがりました。まずはありがとうございます。
長くなってしまいますが、つらつらだらだらと書きます。
◆曲の概要
2曲連続で速い曲をあげた後のバラード。ましては最初2分がずっと静かということでとても勇気がいりました。最後まで聴いてもらえるかな。そういう不安もありますが。でも「こういうバラードを描いてみたかった」というところに、今作の楽曲に関しての全ては終始しますし、描きたいものが描けました。僕自身は満足しています。
ちなみに "LUMi曲" と言うことでLUMiを起用したことに関して後述をするのですが。この曲は「メイドインアビスのオーゼンのイメージ」で作ったわけではなく、オーゼンとLUMiのCVが共に大原さやかさんだったことがLUMiを使わせて頂いたきっかけになります。気づいてくださる方がいるのではないかと思っていたのですが、裏目に出て予想以上に誤解を生んでしまっていて。お先に謹んでお詫び申し上げます。申し訳ありません。
◆詩世界
夢を持ち始めた蒼き日。
夢はきっかけがあって持ち始めることが多いものだと思います。
そのきっかけはまるで魔法のようです。魔法をかけられて、憧れ、空想に恋をするんです。
「あの日に受けた同じ感動を誰かに与えたい」
「大きな舞台に立ちたい」
「あの人のような立派な人になりたい」
そんな具合に。
何かに向かって歩き始めたときって、「得体の知れない自信や根拠」を持っているし、加えて何より「無垢」なのだな。と思います。
でも、ずっとその「無垢」のままではいられないことが殆どです。
長く続ければ続ける程、途中から自分のエゴから抜けられなかったり、その界隈の闇を知ってしまったり。本気でやるからこそ、そういう側面を知ってしまいます。それを知ってしまった以上、ある意味で汚れてしまうのだと思います。そしてその汚れは根本的には落ちない。表面的に落としても異臭を漂わせて心を充満しているような。そんな気がします。
しかし、いつまで経っても「全てが始まった頃のワクワク感」を味わいたいと思うのでしょう。その証拠に「あの頃は良かった」なんて思ったりします。蒼き日にがむしゃらに進んでいたときの、自身で自身の心を満たしていた頃の気持ち。それを味わいたいから曲を描き、描いて味わって、少ししたら色褪せて、色褪せたからまた味わいたいと思って。少なくとも僕はそんな風に生きています。言い換えるならば、何かに縛られても、縛られるとわかっていても尚それでも「自由」を目指すということ。その本質は「開き直らずに自分と向き合う」ということでもあり、とても辛いことです。
でも、今でも夢を見ます。
初まりの日にかけられた「魔法」のことを。
僕自身がそれに恋をしている1人である限り。
だから、今でも曲を描いているのでしょうね。僕は。
境遇こそ違えど、この感覚は僕だけじゃないのではないでしょうか?
そう思っています。
さてさて。詩に関してはこの辺で。
◆サウンド
LUMiの声を中心に。到達点としては、スケールの大きいポップスバラードを狙いつつ、電子的なアンビエント感も意識して。
先述のままにはなるのですが、LUMiをチョイスした流れは。落ち着いた声質のボカロを使ってみたいなぁ。と思っていてたまたまライブラリをインポートしたのですが。
メイドインアビスのオーゼンが好き
↓
LUMiをインポートした
↓
CVがどちらも大原さやかさん
というところで、これは何かの縁かなぁと、思い即座に使わせて頂きました。ミクで言えば「オリジナル」「ダーク」「スウィート」など1つのボカロに対して色々な声がある中でLUMiは1つのみ。でも、素敵な声でデモを聴いた段階から聴き惚れていました。
楽器構成としてはドラム、ベース、エレキギター、アコギ、ストリングス(上は主にバイオリン、1サビでは低音担当系のストリングスを色々)、あとはラスサビではロックオルガンもうっすら。そして、アンビエントとして、リバースさせたギター、ロータリー系のエフェクトをかけたメディテーションオルガン、ディレイ発振させた何か(楽器は忘れました)を基本全編通して。あとは音圧のあるところでうっすらと、風が吹くようなフェイザーをバッキングギターにかましてLRに動かしています。
こんな具合です。
何気にボカロ曲でストリングスを使うのは初めてした。
元々、劇伴関係やアレンジ関係を請け負っていたこともありそのときはかなりの頻度で使っていたのですが。ボカロでは中々、機会がなくて。自然の香りのする音はやっぱり良いなぁ。と。
そうそう。ツイッターでも書きましたが。アコギを借りたり、ベースを借りたり。そんな風にして音に関しても色んな方々の力を借りて制作を進めていきました。良い音のする楽器ばかりです。どちらも僕の大切な友人の力です。頼れる人がいるのは良いことだ。ありがとう。
◆イラスト
みやこるりさんにお願いをいたしました。
曲が出来上がった頃。イラストも動画編集もどなたにお願いするかというところは決まっていませんでした。というのは、かかTさんがまだ2作目の「微睡みの森は祈り溢れて」の制作途中だった為、お願いすることを躊躇っていたのです。その為、別途イラストを描いてくださる方と動画編集する方を探しておりました。
そこで、お声掛けくださったのがみやこるりさんです。
僕自身の考えではあるのですが、絵を描く方が動画全体の構想をある程度練ったほうが、表現がダイレクトに届くんじゃないかな。と思い、みやこさんには動画の構想を含めてイラストを描いていただきました。元々、お声掛けいただいたタイミングで「あぁ…この方のイラスト…好きだ…」と思っていたこと、そしてそれはお声掛けいただいた翌日に届いた15枚ものラフ画を見てただでさえ感じていた "確信" がさらに確固たるものに変わって生きました。衝動がもし目に見えるものだとしたらきっとこんな形なのだろう。そう思う絵が並んでいました。本当に素敵な表現者です。
僕自身は表現者として「イメージを如何にして表現に直結させて"素早く"落とし込むか」というところは、1つの感性の豊かさの象徴だと思うのですが。彼女のその力には本当に感服ばかりでした。きっとイメージがパッと脳裏に浮かんでそれを筆に落とし込めるのだろうなぁ。と、そのイメージと絵筆のリンクの強さ。感服ばかりでした。
僕自身が彼女の絵が好きなのでまた何かしらの形で依頼することがあると思います。それ以外での彼女の活躍も1人のファンとして非常に楽しみにしております。
◆動画
結局のところかかTさんに動画編集をお願いしました。
2作目の制作完了の目途が立ってきてタイミングがあったのですよね。そこからは、みやこさんとかかTさんにタッグを組んでいただいて視覚的表現の方は進行していって頂きました。みやこさんが構想の大枠を練った上で、かかTさんならそれを活かして更に色々な選択肢を持たせてくれるんじゃないか。そう思っていました。僕自身、2人のやり取りの内容は実は把握できていないのですが。この作品が送りだせたことがその証明なのではないでしょうか。
いやぁしかしながら。
「かかTマジック」は健在でしたね…。みやこさんの絵や構成を活かしつつ、目に煌びやかさを与えていくと言いますか。本当に恐ろしい方です。これ前回も書いたと思うのですが、かかTさんの楽曲の解釈力とそれを血肉にした表現にいつも驚かされます。
「昇華」という言葉はこういうことか。と。
2人とも、今制作中の楽曲に関して何か依頼をしているわけではないのですが、また一緒に何かを作り上げることができたらな。そう思っておりますし、また僕からは何かお願いさせて頂きたいな。そう思っています。
改めて素晴らしい表現者の2人に尊敬の意を込めた感謝を。
今作もよろしくお願いいたします。
そして第4作目。進んでおります。
お楽しみに。
◆イラスト
みやこるりさん
Twitter : @_385g
pixiv : https://www.pixiv.net/member.php?id=18058190
◆動画編集
かかTさん
Twitter : @kakaT_2525
ニコニコ動画マイリスト : http://www.nicovideo.jp/mylist/45233172
◆Special Thanks!!
・アコギを貸してくれてありがとう!
古谷峻(from CokeColor,DearSummer)
Twitter(個人) : @Shun_Furuya
Twitter(バンド) : CokeColor,DearSummer[@kokokara_desuna]
・ベースを貸してくれてありがとう!
井尻涼(ex.comolebi)