結論は、難しくともハッピーエンド!(2020年度卒業公演インタビュー企画④)
1.はじめに
こんにちは。2020年度卒業公演インタビュー企画のお時間になりました。本日もよろしくお願いいたします!今回ご協力くださったのは、ブルー班より音響の蔭山瑞菜さん、そして、イエロー班より、役者の中蒼志郎氏です。
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2.結論は、難しくともハッピーエンド!
中:えーっと、じゃあインタビューを始めたいと思います。よろしくお願いいたします。
蔭山:よろしくお願いいたします。
中:えーっと、今日は、津田塾の4年生の蔭山瑞菜さんと、
蔭山:一橋大学の中蒼志郎くんと、、二人で笑
中:はい笑 お送りしてまいります。お願いします。
蔭山:お願いします。
中:え、瑞菜さんはあれなんですか、コギトの公演に参加するのっていつぶりなんですか?
蔭山:新入生公演以来かな。だから私が一年生の冬にやって…あれ以来の関わりですね。
中:あ、そうなんですね。
蔭山:ほんとに久しぶりで…。それ以外だと、一橋祭のお手伝いに一回参加して、あとは観劇に行くけど、劇自体は参加してない。
中:へええ、そうなんですか。ちなみに新入生公演のときは何の役職をやってたんですか?
蔭山:音響と制作をやってました。
中:へええ。今回も音響を久しぶりに、
蔭山:久しぶりで。私も会ったことのないコギトの人いっぱいいるから、名前と顔が一致しない笑 この子、誰だろ…??って。
中:あ、確かに。そうなりますよね。
蔭山:ま、今でもコロナだから、この公演内でも直接会うことはないけど、もしそうじゃなかったら、私も最後にみんなに会いたかったな、っていうのはあります。
中:あ~確かに。4年生の同期ともそんなに会う機会ないってことですよね。
蔭山:あ、もう全然ない。
中:そうなんすね。
蔭山:津田の子は部室で、後輩も含めてたまに会うんですけど、それ以外はほんとにない。
中:なるほど。
蔭山:会いたかったなっていうのは。
中:確かに。せっかくなら対面で。
蔭山:ちなみに中君は割と毎回参加してる感じですか?
中:そうですね。自分は、参加できるときは参加するっていうスタンスなんで…。結構参加してることが多いっすね。
蔭山:なんかどの役職でよく参加するとか、ありますか?
中:今まででも、広報と役職しかやったことないんで、今回も役者ということで。 チャレンジって感じですね笑
蔭山:役者やってみてどうですか?
中:いやあ、難しい、ですね。やっぱり。普段の脚本とも感じが違うんで、だいぶ試行錯誤が続いてる感じはあります。正直。
蔭山:私もスタッフとして、役者の動画見て、日記読んで、コメント書いたりとかしてるんですけど、その、よくある物語的なストーリーじゃないから、スタッフとしてどうやって、アドバイスとかしてあげたらいいのか、やっぱり全然分からなくて。
中:はい。
蔭山:完成形をスタッフと役者でつくりあげる、、だから今までと違ってゴールがない感じ。
中:や、確かに確かに。
蔭山:だから、、うーん、って感じ笑
中:いやほんとにそう笑 みんな試行錯誤って感じですよね。
中:あれなんですか、蔭山さんはその、結構、劇とか見に行く感じなんですか?
蔭山:頻繁に見に行くという感じではないですけど、大学でコギト入ってから、ま、コギトは割と行くようにっていうか、見に行くようにしてて。そうしたらコギトの先輩とか結構、別のところにも行ってて、別のところ(劇団)に出ますよ、って。そのときに行くって感じですかね。
中:あ、そうなんですか。へえ。
蔭山:中君は、割と見ますか?
中:自分はそんなに、頻繁には見に行かない方なんですけど。演劇サークル入ってるのに、あれなんですけど笑 それこそ、誘われたりとかしなければ、自分からは見に行かないタイプで。ほんとコギト入ってから初めて、観劇とか見に行った感じなので、普段も全然、見に行かないですね。
蔭山:なかなか、見に行くっていう発想がそもそもなかった、っていうのもあります。
中:確かに。
蔭山:コギト入って、お金払って見に行く劇みたいなのがあるんだな、って。
中:うーん、確かに。意外と知らない世界ですよね。
蔭山:それこそ、劇団四季とかすごい有名なもののイメージあったから、演劇も結構幅広いんだな、って。
中:確かに。え。演劇サークルはどうして入ろうって思ったんですか?
蔭山:私は、なんかなんとなく、演劇自体には興味があって、だからすごく役者やりたかったとかそういうわけでもなく、入ってみたいっていう。。割とふんわり入った感じかな。
中:じゃ、高校の学園祭とかもなく…??
蔭山:それは全然なくて。高校が私立だったから、都立高校は結構、演劇やってる感じだけど。高校は全然そういうのはなくて、でも小学校のとき、私結構人見知りで、緊張しやすいんで。。主役ってほどではないんですけど、そこそこセリフ多い役をやってみたい、っていうときがあって。でも「私には無理だな」って結構遠ざけていて、大学でちょっと、関わることをしてみたいな、って。
中:へええ。いやでもなんか、そういった意味では自分も全く一緒で、その、中高が私立だったんで、演劇やる機会なくて、でもなぜかぼやあっと、演劇やりたいなあ、って思って、コギト入った感じだったんで、結構似ているのかもしれない。そういった意味では。
~不思議なご縁です~
蔭山:でも卒業間近の今、思うのは、コギトせっかく入ったなら、もっと参加しておけばよかったな、って結構後悔があるので、中君もどんどん、時間とかに余裕があれば、一杯参加してほしいな、って思います。
中:ああ、確かに。それは4年生だから言えること、ですよね。。大切な教訓だ。。
~中略~
蔭山:あと10日でプレ公開(編者注:2/28インタビュー収録)と考えると、すごい時間があっという間だと思って、あと10日で完成形までいくだろうか、という不安があります笑
中:いやあ、そうですね。。確かに、不安、みんなあるかもしれないな。。それこそ、どうですか、稽古は。みゆさんですよね?蔭山さんのペアは。
蔭山:うん。みゆ。
中:見ててどう思いますか?なんか、みゆさんの、稽古の様子。
蔭山:やっぱり、台本とすごい向き合って、その、台本の子は、どういうふうに考えているんだろう、とか。
中:はい。
蔭山:どうしてこの言葉が出てくるんだろう、ていうのは、すごい、一生懸命考えて、彼女なりに、今日の稽古ではこういう雰囲気でやってみよう、っていうのを結構、試行錯誤して、がんばってされてるな、って思うけど。まあ私が音響として、その、映像の編集とかしないって話になったので、どうプロデュース?じゃないけど、したらいいのか、って悩みが一番大きい。
中:あ~。確かに。
蔭山:編集なしってなったら、中君も役者だと思うけど、役者自身に音を出してもらう、ってことになると思うので。
中:はい。
蔭山:役者も、読むの大変だし。その、自分でカメラ用意したりで。
中:確かに。
蔭山:負担も大きいし。なんだろ、その、じゃあ、音としてどういう音を入れたら、この雰囲気とか読み方の雰囲気を損なわずにできるんだろうか、みたいなのを考えると、ぐるぐるぐるぐるしてて。
中:ふううん。いやあ、確かに。一番音響が困るかもしれないですね。その、縛り的には。
蔭山:中君は誰と組んでるんだっけ?
中:ええと、自分は、衣装・小道具の有希さんと一緒に組んでて、そうですね、有希さんはでも、なんだろ、なんか、その日記とか書くじゃないですか。日記書いてて思うのは、その結構、自分が自分で感じたことのないような、経験だったり感覚を持っているなあ、ってすごい感じて。自分の場合は、演じる部分が「誰かがインタビューを受けて生まれた台詞」じゃないですか。その「誰か」によって語られた言葉って、やっぱ、全く他人である自分からしたら、え、そんな気持ちになったりすんのかな、とか、それどういう感覚なんだろ、よく分かんない、とかあったりするんですね。そういうのを日記に書くと、割と有希さんは、私にはこういう経験があって、みたいな感じで、日記に書いてくれるんで、そういうの読んで、ああ、そういうこと考えることもあるんだ、とか、そういう感覚に自分なったことないな、とかあるんで。結構日記読んでて、おもしろいな、興味深いなって思いますね。
蔭山:(日記の)お返事書くときも、役者が撮った動画を何回も見るんだけど、なんか、自分が、思ってることが、割と感覚で出てくることが、ちょっと私多いので。
中:へえええ。
蔭山:言葉にできない、っていうか。なんか、こうなんだけど、こうなんです、みたいな。
中:あ~。
蔭山:言語化できない、あれがあって。どう書いたら、私が思ってることが伝わるんだろう、って思ったら、全然書けなくて。。
中:その難しさ、確かにあるのかな。。
蔭山:昨日の稽古のときも、アップロードしてくれた動画見てから、日記(役者とスタッフの交換日記)書いて出すまで、5,6時間かかった笑
中:え、えっへへ、まじですか?
蔭山:なんか、うーん、すごいいっぱいいろいろ考えて。
中:はい。
蔭山:今週の、火曜の円居(まどい)、出られなかったので、アップロードされてるものを見て、ああこういう話してたんだ。じゃあ、それを踏まえての昨日の稽古だったと思うので、どう言ったらって考えると、もうほんとに、終わらなくて。
中:へええ。いやあ、すごいなあ、でも。それ聞くとやっぱ、大変なのは役者だけじゃないんだな、ってすごく思っちゃう。
蔭山:笑
中:そっか。自分だけが大変って思っちゃいけないんだな、ってすごく思う、へへへ。思い知らされる。
蔭山:私、純粋に、文章書くのに他の人の3倍ぐらい時間がかかるっていうのも多分、あると思うので笑
中:いやあ、でも、それぐらい真剣に向き合うのって大事ですよね。
中:なんか、あれですよね。一回なんかで観たんですけど、ブルー班、シルバニアファミリーを使った動画、ありましたよね。
蔭山:あ!昨日(2/17)の動画です!
中:あ、それが昨日か。あれすごいな、って思って。
蔭山:私も見て、びっくりしたんだけど、逆にああいうのがあると、最初に、え?シルバニア?なんだろ、ってなって、興味を引くのかなっていうのは、ちょっと思いましたね。
中:確かに確かに。いや、自分も思わず、何だこれ??ってなったんで笑
蔭山:笑
中:そういう意味ではすごい、引き付けよかったな、って思うんですけど。
蔭山:あれ観てると、うさぎの位置とか部屋がちょこちょこ変わっていくので、それもみゆがいろいろ考えて工夫してるんだな、って。
↑蔭山さんの班のペア、みゆさんの稽古映像シルバニア版(続く)
蔭山:衣装・小道具って、どんな感じで劇に取り入れるの?
中:えーっと、そうですね。。脚本の中にちょっと日記っていうのが出てきたりして、そういうのを小道具で取り入れたりとか。うーん、脚本の中の口調から、ちょっとやわらかめの、とか、穏やかな衣装がいいんじゃないか、とか。それこそ、自分の班の色がイエローだから、ちょっと黄色っぽい衣装を取り入れてみようか、とかは話してますね。でも音響ってなると、青の要素を取り入れるのは難しいのかな、って思ったりしますけど。
蔭山:いやあ、そうね笑
中:ですよね笑
蔭山:映像を、結構、空だけ映しているのがあって、あと屋外でやってることが多かったので、なんとなく、自然の音?が入ったりとかして。青要素って言われると、(脚本のうち、ブルー班のパートの)内容は結構、私的には青のイメージがあるんですけど、それを映像にしたときに表現するっていうのは、うーん、難しい笑
中:あ~、確かに。そうだよなあ、難しいよなあ。
蔭山:いや難しい!笑
中:笑 結論:「難しい」。
↑シルバニア版稽古映像(最終回)
中:日記はどういう内容のことが多いですか?ブルー班は。
蔭山:ブルー班…そうだなあ、私が一番最初の日記を読んだときに、台本読んで、自分なりに意味とか言葉とかを、自分なりに、なんだろ、咀嚼していっぱい考えてみてください、みたいなことを言ったので、みゆが「今日はこう考えて、こういうふうに読んでみた」っていうのが多くて、それに対して私が「聞く側としてはこういうふうに聞こえたよ」って返したり。
中:はい。
蔭山:みゆから「こういうふうにしてみたい」って提案があったり、逆になんか「提案ありますか?」みたいなの来たり。提案があれば返すし。「○○するなら、こうした方がいいんじゃないかな?」って感じで。
中:ふううん。結構、その、前回の稽古だけじゃなくて、平均して日記書く時間、長いですか?
蔭山:ああ、長い。。日記、私が書くときに意識してるのは、まず1一回、日記を観ないで映像を観て。
中:あ~。
蔭山:1回目の視聴で私がどう感じたか、とか気になった点をメモして、そこから日記を読んで、もっかい(映像を)観て、っていうのをしながら、日記と、自分が初見で感じた印象とを比較しながら、ここはこうだったんじゃないかな、みたいなのを返したり。。そういう感じなんですけど。
中:なるほど。やっぱりどうしても(役者は)自分が日記書いて、スタッフさんが書いてくれるのを待つっていう立場なんで、スタッフさんがどれだけ時間をかけて日記を書いてる、とか、どういう見方をして日記を書いてる、とか知らなかったので、結構新鮮です。
蔭山:なんか、人によって感性違うのはそうなんですけど、自分がこう思って、これを表現したくてやったことが、必ずしも伝わるとはやっぱり限らない、っていうのがあると思うので。まず何も情報入れずに聞いてみて、次にどういうふうにやったんだろっていうのを読んで、最後に自分なりの感じたこととかを書いてるんですけど。でも、もう、そのお返事もやっぱり、なんか、なんだろ。あんまり否定する感じにはしたくない、みたいなのもあるので、やってみた印象と自分が聞いてみた印象が違ってた時に、直接「いや全然そうは感じなかったよ」みたいなのを、一生懸命やってる人に言うべきでない、みたいなのがあるので、なんだろ、あんまり否定する感じじゃなくて、それはそれでよかったから、もっとこうしたら本人がやりたかったことに近づくんじゃないかな、みたいなスタンスで書くようにはしてます。
中:へえええ。すごいな。なんかめちゃくちゃ、優しいですね。
蔭山:いやあでも、なんかやっぱ、感じ方がほんとに人それぞれだから。
中:はい。
蔭山:例えば私が観たときは、ちょっと違っているな、っていう印象を受けたかもしれないけど、例えば中君が観たときは、違う風に感じてることがやっぱりあると思うから、「私は」こういうふうに感じたよ、っていうふうに伝えるようには、してるかなっていう。
中:なるほど。いやでもなんか、そういうのってなんか大事だな、って思って。結構、言葉って簡単に人を傷つけてしまいがちじゃないですか。その、しゃべってるのも、書いてるのも。だからそれをなんだろ、書く前にしっかり考えるっていうプロセスを踏んで、うん、その、相手は認めたうえで、自分の意見を言うっていうのはすごく大事だな、って思うし、それは結構、瑞菜さんの性格が表れてるのかな、って感じますね。
蔭山:いやあ、でも、日記も毎回来るとドキドキしちゃうので笑
中:うーん。
蔭山:稽古観て日記書くって私が得意な作業ではないから、いつも身構えちゃうというか笑
中:あ~。
蔭山:そんな感じかな。逆に、役者は日記書くのってどんな感じ?どんな感じっていうか、大変ですか?
中:えっと、どっちかっていうと、自分の場合は、日記書くのよりは動画撮る方が大変ですかね。どっちかっていうと、そっちに時間を費やしてるイメージかな、と。
蔭山:撮影はちょっと、親に撮ってもらうとかしないで、ほんとに自分ひとりでやってる感じですか?
中:そう、自分の場合はそうですね。基本的には、何か本を積み上げて、スマホ置いて撮ってみたりとか、そういうことが多いんで。やっぱり基本は1人でやってる感じですかね。
蔭山:ほんとに役者の人、いろいろほんとにひとりでやらなきゃいけないから、すごい大変だろうな、って思う。
中:いやあでも自分も、役者大変だろう、って思ってたんですけど、ちょっと瑞菜さんの話聞いていると、そんなことも言ってられん!って。いやなんか、お話聞けて良かったな、って。すごい、いろいろ聞けて良かったです。なんか、スタッフの苦労(笑)というか。
蔭山:役者も大変なんだな、って改めて思いました。
中:このインタビューは結構、いい機会。お互いに、自分はスタッフのこと知れて、瑞菜さんは役者のことも知れて、みたいな笑 とってもいいインタビューになったんではないでしょうか笑。というハッピーエンドで、録音を締めたいと思います。
蔭山:ありがとうございました。
中:ありがとうございました。
3.終わりに
蔭山さんと中氏の、稽古への真摯な姿勢が伝わってくるインタビューだったな、と思います。それからお2人とも、ご自身の気持ちや稽古の感想を、ただ素直に語ってくださっているだけに見えるのに、今公演の特徴や本質と思われるような言葉をさらりと織り交ぜていらっしゃるのが印象的でした。蔭山さん、中氏、改めてご協力ありがとうございました。
さて、インタビュー内の会話にもあったように、そろそろプレ公開、そしてその先にある本番が間近に見えてくる時期となってきました…!!役者とスタッフの皆さんにご協力いただいたインタビュー企画も、次回で最終回です!3月3日、ひな祭りの日を公開予定日としております。どうぞお楽しみに!