自治寮と鍋
この記事は、Kumano dorm. Advent Calendar 2023(https://adventar.org/calendars/9087) の20日目の記事です。前日は京都にずっと住んでいて京都が好きな人の記事でしたね。車に乗る立場からすると、駐車場代も高く、パチンコ屋以外駐車場が狭い京都で大学出た後も住もうとは現状思えないですねえ。京都の近くなら大津とかに住みたいね。
さて、今回は僕が熊野寮でよく作る鍋について、自治寮における鍋の存在と、美味しい鍋の作り方を中心に書いていこう(以後常体)。これを書ききることができれば、実に三年ぶりのアドベントカレンダー投稿成功となる。
1.自治寮と鍋
自治寮にはコンパという文化がよくある。東北大学日就寮ではコムパというらしいのだが、まあそれはどうでもよく、コンパというのは料理を人々で囲み、飯を食い、飲み物を飲み、語らうという行事である。このコンパというのが自治寮を自治寮たらしめるためには重要で、コンパではバカな話から真面目な話、現在寮内で議論になっているトピックなどをいつも通りの生活をしていたら用事がないと話さないような人と一緒に話すことができるのだ。いろいろ部署とかに分かれていても学生同士が住んでいるわけだから、やっぱり人間関係がないとなかなか立ち行かない。コンパは人間関係を構築し、寮自治と団結を促進する、自治寮には不可欠なものなのだ。
さて、そのようなコンパの中でも、なぜそんなに鍋が重要なのだろうか。一つ目の理由として、買い物に行く必要があるからだ。寮のコンパではまれに通販で魚や肉を購入し、それを七輪で焼く、というものがある。そういったコンパも好きであるが、僕は買い物に行くコンパの方が、自治を促進できると思う。なぜなら、買い出しは大変だからだ。まず、車(無いなら自転車)でお店まで行かなければならない。出不精の寮生には、まずこれが大変なので、複数人で日程を合わせていくことになる。少し遠くのスーパーへ車で行くのならば、それはちょっとしたドライブで、その間にいろいろと話すことができる。団結の促進。また、買い出しした食糧や飲み物は重たいので、みんなで運ぶことになる。みんなで重たいものを持ったという大変な経験を共有するというのは、それだけで少し仲良くなった気になる。これも団結だね。あとは、どんな酒を買うか、裁量が買い出し人に任されているコンパの場合、買い出しに行った人たちでいろいろ話しながら何を買うか決めることができる。これも楽しい経験を分かち合うという共同体にとって有用な事だと思う。これらが買い出しに伴う自治と団結の促進である。
寮に帰ってからも鍋が寮自治に資する場面がいくつもある。寮に帰れば玄関の近くにいる寮生と一緒に荷下ろしをする。ひとのやさしさに触れるのはうれしいし、誰かが困っていたら一緒に何かをするという自治寮的団結の根源ともいえるような行為がその場で行われるのだ。調理の段も非常に重要。大体運営の人で調理をするわけだが、このコンパをどのように運営するか、あるいは部局などでいつもは単なるお仕事仲間の間柄であれば各々の近況などを話すことができる。コンパはすでに始まっているのだ。
コンパが始まってからも鍋は威力を発揮する。まず、鍋はコンパ中ずっと車座の真ん中に居続けることができる。具材がなくなれば追加すればよいし、うどんや米と卵を入れれば〆になる。他の料理だとこうはいかない。また、鍋は食材を選り好みできるので、アレルギー等がない限り全く鍋を食べることができない、ということはない。コンパに参加するハードルを下げる存在となり得る。また、先ほども一瞬言及したが、鍋はいちいち配膳しなくてよいので、車座発生飯の役割を果たすことができる。車座があると話しやすくなるのは言うまでもないだろう。
つまり、鍋はその買い出しから提供後まで、常に我々に団結をもたらす最強の自治寮飯なのだ!
2.COG流 鍋の作り方
ここからが気になっている人も多いであろう、自治寮鍋レシピである。ここでは、一番でかい鍋(俗に文化部鍋とよばれているもの)一つ分を作るという想定で行こう。
〇必要なもの
◇鍋の具材
・鶏むね肉・・・・・ 500g~
・鶏もも肉・・・・・ 予算に応じて
・豚こま肉・・・・・ 予算に応じて
・大根・・・・・ 1/2本以上
・白菜・・・・・ 1/2玉
・水菜・・・・・ 2袋
・人参・・・・・ 3本
・その他葉物野菜・・・・・ 季節のものを計6袋ほど
・えのき・・・・・ 2袋以上
・その他きのこ類・・・・・ 必要に応じて
・もやし・・・・・ 予算が少ないときはたくさん
・豆腐・・・・・ 安いのでたくさん
・うどん・・・・・ 10玉以上
・京あげ・・・・・ 8枚
・糸こんにゃく・・・・・ 欲しければ
・マロニー・・・・・ 欲しければ
◇出汁
・花かつお・・・・・ 100g
・昆布・・・・・ 小さいものならば3-4本
◇調味料
・醤油・・・・・ 300mlほど
・酒・・・・・ 300mlほど
・みりん・・・・・ 300mlほど
・塩・・・・・ 適量
・ショウガ・・・・・ 多ければ多いほど
・ニンニク・・・・・ 適量
◇オプション
・味噌・・・・・ 1パック
・キムチ・・・・・ 300g
・コチュジャン 適量
・粉唐辛子・・・・・ 適量
・辛味緩和用チーズ・・・・・ 適量
と、結構買うものは多い。買い出しについてだが、肉と野菜は叶屋で、それ以外は業務スーパーで買うことをお勧めしたい。豆腐やうどんは一番安いもので構わないが、あげは一番安いものではなく、薄っぺらい京あげにすること(ビニールの味がしてまずいので)。それでは、作り方に移ろう。
(1)だしを取る
①昆布は前もって鍋に半分ほど入れた水につけておく。
②鍋に薄切りにした大根も加え、昆布とともに沸騰ぎりぎりまで熱する。
③沸騰ぎりぎりになったら昆布を取り出し、花かつおを入れしばらく置く。
④かつおだしのいい香りがしたら花かつおを取り出す。
⑤薄切りにしたショウガを入れる。ニンニクも少し入れる。
⑥鶏むね肉を一口大に切り、鍋に入れ、火が通るまで熱する。適宜灰汁を取る。
(2)味付け
①醤油、酒、みりんを同量ずつ入れる。すこし味が濃いくらいでよい。
②味噌鍋、キムチ鍋などにしたい場合はオプションの調味料を入れる。
(3)具材投入
①食べやすい大きさに切った具材を投入していく。肉と白菜、根菜から入れていき、火の通りやすいものは後回しにする。うどんはここで入れても、あとで入れてもよい。
②野菜の水分で味が薄くなるので、適宜整える。
(4)完成!
コンパ開始とともに食べよう。
以上、これが自己流の鍋レシピだ。大鍋でコンパ飯を作る諸氏は参考にされたし。
3.おわりに
いかがでしたか?参考になれば幸いである。この文章は適宜流用するつもりなので、どこかで読んだな…となれば初出はここであろう。皆様の実りあるコンパライフを願って、卒論執筆に戻らせていただく。