2023年を雪国で閉じる 〜 noteの皆さん今年もありがとうございました(^^)
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。
2023年に最後に読み終えた小説が、川端康成氏の「雪国」だった。
これまでずっと読みたいとか、いつかは読んでおかなければ、と思いながら読み残している本はたくさんあるが、この「雪国」もそのうちの一冊だった。
2023年は、比較的本が読めない年だった。体調を崩す時期も多かったのもその原因の一つだろうし、職場が変わり環境の変化に心と体を慣れさせなければならなかったこともあるかもしれない。
記録によると、今年読んだ本は27冊のようだ(再読も含めて)。
SFあり、純文学あり、海外小説あり、エンタメ的なものあり、とぼくの性格を象徴するかのように、読書傾向も一貫しない、乱読の極みである。
その中で今年一番の作品は、文句なしの一冊、コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」だ。
荒廃した世界で、とても強い愛と勇気に満ち、またそれが次の世代にたくましく受け継がれていくであろうことがひしひしと読み取れる感動的な一冊であった。
ぼくは時々本の紹介をしているポッドキャストを聞いている。
「文学ラジオ空飛び猫たち」
という番組だ。
紹介してくれる本がなかなかよくて、パーソナリティーの2人の語りも軽快で気に入っているのだが、そこで紹介された本の一つが「ザ・ロード」だったのだ。
そういえば今年は映画もほとんど観ない年でもあった。その代わりに中国時代劇ドラマばかり観ていたのだ。
なんとなく最近映画に対する情熱がなくなってきたように思う。なぜだろう。
そしてそれと同じように、テレビ自体もまるで最近は面白く感じないようになってきているのである。
スイッチを入れてもいつも同じタレントばかり出ているし、なんだか、これは観たい! と思う番組がとても少なくなってきているのである。
子供の頃からテレビっ子を自負してきた自分にこのような事態がやってくるとは・・・
大晦日といえば、いつも何を見ようか喜々としながら悩むほど興味深いプログラムがたくさんあった頃がとても懐かしく思うのだ。
これもぼく自身の変化なのだろうけれど。
かと言って、YouTubeにもハマっていないので(妻と娘はハマっているけれど)、この大晦日はなんとなくザッピングしながら酒を飲んで過ごすことになるのだろう。
2023年は、日本国内に目を向ければ、過去の色々なウミがでてきた年になった。古き悪き因習に大鉈が振られた年だった。
来年になれば更にそのウミは出てくるかもしれない。もう時代は明らかに変わり始めているのである。
芸能界に関わらず、企業や日本社会全体にいたるまで新たな方向や考え方にシフトしていくかもしれない、そのように望む。
生きにくい人たちが生きやすい世の中になるように。
日本社会もそろそろ脱皮しなければならないのだ。
世界では、戦争という殺し合いがいまだ飽くことなく続いている。いったい地球上の誰が、見も知らない人々を殺してやりたいと願っているというのか。
戦争という得体のしれない怪物に人々は狂わされてしまうのだ。
どうか、来年は平和な夜明けがやってくることを切に願うところである。
2023年の大晦日。
今夜は静かに酒を飲み、なんとなくテレビをながめ、そしてゆく年くる年とともに厳かな除夜の鐘の音をひっそりとした心で染み入るように聞こうと思う。鎮かなる祈りとともに。
今、心の中には、まだ書き出してもいない小説がある。
来年は、もっとたくさんの本を読み、もっと多くの芸術に触れていきたいと思う。
そして最後になりましたが、noteの皆さん、今年も本当にありがとうございました。
皆さんの作品を読むと、励まされ、元気が出てきます。そして同時に自分の創作意欲も湧いてくるのです。
来年もよろしくお願いします!
とりとめもないことを書いたけれど、これを2023年のなんとなくの総括として。
2024年は果たしてどのような年になるのであろうか。
トンネルの先にはどのような景色が待っているのだろうか。