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隔離生活のだらだらもりもり日記

まさかのコロナ感染で、今週、私は1年ぶりに隔離生活を送ることになってしまった。

外出の時には必ず気をつけてマスクをしていても、うつるときはうつるから仕方ない。

コロナウィルスが黄色で、インフルエンザウィルスがピンクとかに見えていたら、速攻で逃げるのに。そんなメガネが開発されないかな、と思う。

先週末から咳が出ていた。
喉も痛いし、夏風邪かと思っていた。
風呂から出ると頭が重くなり、熱を測ったら微熱があった。
念のため、すぐに私は自分を家族から隔離したほうがいいと思った。

心配していてもどうにもならないので、二女を夫に任せ、眠気に任せて寝ちぎる。が、夜中に自分が熱くて熱を測ると、跳ね上がっていてびっくり。

翌朝、病院でPCR検査を受けて、陽性だと判明した。

隔離の数時間前に一緒にご飯を食べていた夫も、数分前まで一緒にいた二女も、グレーだ。
えらいことになってしまった、と愕然とした。


夫には仕事を休んでもらって、難病の二女の世話を5日間も、すべて任せなくてはならない。夫は今週の出張や大事な会議を、ぜんぶキャンセルすることになってしまった。

今週は二女も、病院で年に一度の検査があったのだがキャンセルし、訪問医療も全て止めた。

私も、友達と会う約束を2つキャンセルした。

日常がパタリと止まる。



2日間続いた高熱も、カロナールの効果でスーッと下がり、だらだらヒマヒマタイムがやってきた。

咳は出るが、洗濯も、ご飯の支度も、二女のお世話も楽勝にできるくらいに元気だ。
しかし、家族と接触できないので、なんにもできない。

せめて、自分が使った後の風呂や洗面所、トイレを、マスクや手袋をはめて自分で消毒しながら、夫が慣れない家事と二女のお世話にあくせくしているのを、隔離部屋の扉越しに聞いていた。

初日の夜、食欲が全くなかった私に、さっぱりしたものを夫が作ってくれた。

冷蔵庫にあった食材で、冷しゃぶや味噌汁を。卵は滋養のために食べなさいって。

これが沁みるくらいに美味しかった。


夫は普段、全く料理をしないのに、最終日には、庭で採れたゴーヤでチャンプルーまで作ってくれた。

冷蔵庫の食材だけで5日間、夫がなんとか工夫して繋いでくれたことに、感動してしまった。


昨年のコロナ感染の時よりも、目からの刺激に吐き気がくるような影響がなかったので、今回は文字が読めた。

だから、noteもいつもの3分の1くらいは読めたし、本も少しなら読めた。

後追い配信で、スマホでオリンピックも観ていたし、ドラマも横になりながら見ずに聴いていたりしていた。

しかし、隔離生活3日目ともなると寝てばかりもいられない。
しかも、一方的な受け身状態で情報を浴び続けるのが、めんどくさくなってきた。


そこで、ノートパソコンを夫に持ってきてもらい、エッセイを書くことにした。

これは、趣味の一般公募用のエッセイなので、原稿用紙の画面に、テーマに添ったものを書いていく。
愛用している落書きノートに、ある程度の下書きを書いて、はじめと終わりを決め、そのイメージでパソコンに向かって書いていく。

いつもなら、隙間時間にちょこちょこ書き繋ぐしかできないが、時間が持て余すほどにたっぷりあるので、一本のエッセイを集中して書ける。

隔離部屋の和室には机と椅子がないので、持ちこんでいるキッチンの椅子をテーブル代わりにして、正座をしながらパソコンに向かった。

冷房の効いた静かな部屋で、退屈な時間を有効に。
夫には申し訳ないが、これもたまのご褒美タイムだと考えて、2日間は書くことにもりもりどっぷりと没頭した。

お腹が空いたら災害用に買って和室に置いてあるカロリーメイトをかじり、備蓄用のぬるいペットボトルの水を飲みながら。

書いたエッセイは8本。
読み返したら内容がどれも薄っぺらい。
まぁ、ボツになっても楽しかったからいいか。

ところが、おそらく調子に乗りすぎた。隔離最終日は目から来る頭痛と肩こりがひどくて、咳も止まらず、何もできなくなった。
セミの鳴き声を聴きながらゴロゴロ〜、ゴロゴロ~。

今日で終わり、今日で終わり、そう思ってひたすら我慢する。
頭痛が治ると、カキコキパキパキする身体を伸ばそうと、ラジオ体操に燃えた。

そして、ようやく隔離からの解禁日。



疲れ果てた夫は、パンダのような目になり、目の下のクマが気の毒なことになっている。

「お前、毎日これをやっとるんか、すごいな。」

と、彼は昨年と同じ言葉を私に言ってくれた。

それ、忘れないでね、と思いつつ、「ありがとう」と感謝を述べた。

二女も感染せず、元気に笑っている。
それが一番嬉しい。
風呂にも入れてやれず、リハビリもできず、娘にも申し訳ないことをした。

久しぶりに娘の痰吸引をしたら、私がスッキリした気持ちになった。マスクをしたまま、娘にスリスリする。

よかったぁ。
あぁ、やっぱり二女の横が一番いい。

早くかわゆい孫や長女にも会いたい。
息子も帰って来ないかな。
大事なあの顔、この顔が浮かんでくる。

自由にガツガツ家事をしながら動き回れるって、最高に楽しい。
あれもこれも全部洗濯して、家中を開け放って掃除して、美味しいごはんも作りたい。


動けない数日間は大変だったけれど、日常に感謝できる良い機会にもなったと思う。

ただ、もう、こりごり。
みんなが元気なことが、何よりいい!
隔離生活は、もう二度とやりたくないな。






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