「郷土」とは何なのか。
今日一日、このことで物思いに耽った。
でも今日、
私の中での常識を覆す気づきを得た。
ある固有の場所に思いを馳せられる者なら、
その場所を郷土と呼べるだろう。
とこれまでは考えていた。
あなたの郷土＝固有名詞は、正解じゃなかった。
同じ境遇を背負って生きる先輩と久々に再開した。
ある疑問が頭を悩ましていることを告げると、
先輩は優しく答えた。
「森だね。森さえあれば、生きていける。」
森という普遍的な存在を郷土とする者に出会ってしまった。
あっけにとられた。
縛りが消えた。
焦る必要がなくなった。
世の中には喫茶店に毎日通う者がいるが、
その者たちにとっての喫茶店も郷土と呼んでいいわけである。
また一つ、扉が開いた。
苦しみの時間もようやく終焉に向かっている。
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