犬との思い出
3年前まで秋田犬を飼っていた。
秋田犬の平均寿命は10年ぐらいと言われているなか、13歳で虹の橋を渡ってしまったから長生きの方だったと思う。
でも、
若い時は早死にするんじゃないかと思うくらいお腹が弱かった。
色々餌を変えてみても毎日下痢だった。
免疫も弱いみたいで、アレルギーもあった。
性格も喧嘩好きのアホなヤンキーみたいで人間にも犬にも強気に威嚇…。
言うことも聞かない。
飼い主だけ触っていいけど、心を許している感じでもなかった。
実はコレが初めて飼った犬である。
動物好きの私は、もちろん犬との生活に憧れていた。
名犬ラッシー、名犬ジョリー…
犬との信頼を深めてみたいといつも思っていた。
そんな私には忠誠心の強い秋田犬がピッタリなのでは?
そう思っていた。
多分、ウチの秋田犬以外は忠誠心強めだと思うけど、ウチの秋田犬は違った。
実に、自分自身に忠誠心の強いヤツだった。
捨てるわけにいかないけど、とても飼いづらかった。ほとほと困った。
自分に言い聞かせた。「自分の理想通りじゃないからって犬に愛情持たないなんて飼い主失格だよ」
根気強く付き合っていくしかなかった。
もう、愛情は抜きに義務だけで飼っていた時もあった。
そうこうしているうちに10年が経っていた。
やっと散歩の時に名前を呼んだら振り向くようになってくれた。
飼い主を意識してくれるようになったのだ。
10年かかるとは…
そこからは可愛かった。
よく笑顔を見せてくれるようになった。
荒ぶる性格もすっかり丸くなり、やたら喧嘩を売ることも無くなった。
おじいちゃん犬になってからこんなに可愛く思えるようになるなんて…
1日も長く長生きして欲しかったけど、いや、秋田犬では長生きの方なんだけど、虹の橋を渡ってしまった時はかなりショックを受けた。
もう動物は飼わない…
そう思った。
今の猫とこれからどんな生活が待っているだろうか?
このまま懐かないかもしれない。
でも私はいつまでも待てる。
犬がそう私を躾けてくれたのだ。