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2019.5.12 [ALEXANDROS]福岡マリンメッセ Sleepless in Japan Tour[ネタバレあり]

平成は30年、12月から始まったライブハウス・アリーナツアーも時代をまたぎ残すは今週末「さいたまスーパーアリーナ」で行われるツアーファイナルのみとなった[ALEXANDROS]。その前にアリーナ公演である福岡公演を観に行ったので格別で特別な日になったこの日をツアー中だが感想を綴ろうと思う。(ネタバレ含むので有料設定にしてます)

庄村不在で魅せた一夜限りの[ALEXANSATOKO]

「格別」と豪語しているのはGW期間で開催される人気フェス[JAPAN JAM]からドラム庄村が腰を痛めてドクターストップがかかりライブ出場停止。

ドロスのライブを中止するまい!と残りのアリーナツアーと合間に出演が決定していたフェスの代打で出場してくれたのがUKFCで苦楽を共にしてくたBIGMAMAから「リアド偉武」そして福岡公演のみFUZZY CONTROLより「SATOKO」が助っ人として参上。福岡でのドロスの何がレアなのかと言うと、採用されたのはキャリア初の女性ドラマー。この情報が解禁された時、頭のネジ5本は外れるぐらい喜んだ。個人的には数年前にSATOKOのドラムを拝見したことがあり、こんな形にはなってしまったがまたSATOKOが観れると率直に嬉しく思ったのと、SATOKOがどんな新境地のドロスを見せてくれるのか楽しみで仕方なかった。

こうなったらサトヤスがいないドロスを楽しもうと割り切ってライブを楽しんだ。それも含め、福岡でサトヤスが復帰するのも危うい状況の中ライブを決行してくれて感謝でしかなかった。

キャパ1万人のアリーナだろうが、1000人のライブハウスだろうが、そんなこと彼らには関係ないみたいだ

落ちた照明、見えた景色、ステージセットどうやらここはブルックリンみたいだ。設置されたステージサイドからメンバーが続々登場。思ったより大きい、思ったより近い。

セットリストはライブハウスツアーと軸は同じ。1曲目の「LAST MINUTE」からスタート。ブラックミュージックで早速観客を酔わせたところで2曲目で「RunAway」を伸びやかに演奏、続いて[Champagne]時代からの名曲「Starrrrrrr」アルバムより「I Don't Believe In You」通称「ドンビリ」とハードなトラックを立て続けにドロップ。アリーナツアーのために溜めていたかのように放出したKABUTOのカップリング「Follow Me」でキャパのデカさを無視してライブハウスと化させ、さらに爆音で観客を盛り上げる。

私は運よくサブステージの正面2列目の神席で2曲目でメンバーを差し置いて1人サブステに歩いてくるVo洋平ももちろん真っ正面だったがあまりのカッコ良さに一周回って笑ってしまった。ライブハウスツアーの時はがむしゃらに暴れていたのでステージをあまりみていなかったが、いやあカッコいいね。何度も見てるんだけどね、オーラとかセンスがどんどん洗練されている気がする。

「spit!」「GirlA」→ロゼのキーボードでメロディアスな「真夜中」でミッドナイトの静かな雰囲気を醸し出すと「ComeCloser」で再びブラックミュージックを投下し。このライブで「ComeCloser」は進化しているように見えた。それぞれのパートの良さが出ててロックな曲に負けじとライブ映えしてる。

ロックに紛れてブラックミュージックを投下してくるなんて他のバンドにいただろうか。シャンペから変わったと言われてはいるが、個人的には曲の幅の広さも川上の天性、そしてドロスらしさでもある。


続いて「PARTY IS OVER」「SNOW SOUND」を披露し、「福岡でも雪ふらそう!」とVo洋平が煽り、観客のひらひら舞うジャラジャラとラババンをつけた手が雪と化した。バンドの演奏を終えると川上が会場にマイクを向け

「白い街の片隅で僕等出逢うまだまだあどけない雪がやわらかく包んでいく
 あふれた言葉が胸に届く まだまだ溶けないで、と 雪を眺めていた」

と会場の声だけで引き続き雪を降らし続けた。ここでようやくMCが挟まる。

「改めまして[ALEXANDROS]です!久しぶりの福岡ですね。こないだは1月にきてZeppFukuokaで、ここよりも狭いとこでやって。何回来ても楽しいですね。これから中盤戦ですが自由にしてください、暴れてもいいし手を振ってもいいしまじで歌ってもいいし。貯めていたもの出せ!」と軽い挨拶程度のMCを切り上げオーディエンスに自由を与えるとどこか和風な雰囲気を醸す唯一のヒップホップ「Kaiju」から→「MILK」「KABUTO」「Mosqite Bite」「Kick&Spin」とこのツアーお馴染みの流れに持っていく。めちゃくちゃ好きなんだ、この流れ!洗練された隙のない組み方。最後が「Kick&Spin」っていうのがまたいいんだよね。普段はヒロのベースが好きなので下手で観ていることが多く、おそらく初めて間近でGt白井を見たのだがキクスピの白井のカッコ良さといったら突き抜けてカッコいい。川上のボーカルを横から突き刺すようにギターが突き刺さってくる。ライブハウスでダイバーがステージに向かって飛び交う衝動的なシンセサイザのイントロはアリーナでも染み付いていた。

「うちらのお客さんは世界一声が出ると思ってます」

ここからが後半戦。花道を渡りサブステージに川上だけ1人くるとステージ正面に座りインターバルを挟む。照明は落ちているが近くにいる人たちには見えているのでキャーキャーと喚く声が上がる。にしても水を飲んでいるだけでキャーキャー言われるなんて川上はどんだけモテ男なのだろう...

「福岡以外から来てる人いる?...結構いる、お、島根もいる。これは九州ツアーやらなきゃね。前熊本には行ったことあるんですけど、、、ああ、行った!?でも[Champagne]の時だからよく覚えてないんですよね。」と完全にライブバンドな発言をする。「ライブハウスツアーではやっていない曲をやります。」と川上がいつものアコギを持ち、「You're So Sweet&I Love You」へ。予想通りサビあたりからぞろぞろと白井、ロゼ、SATOKO、ヒロが徐々に加わりサブステージに来て曲を作り上げていく。

曲が終わると「Kick&Spin」の曲中で転び足を痛めたヒロが痛そうにしており「さっきそこで転んだけどい、痛くないもん、、、!」と茶番をする。(が、しかしこれがまさかの膝骨折だった)

「うちらのお客さんは世界で一番声が出ると思ってます、まだまだいけますか?」とさらにエンジンをかけて流れるように後半戦へ。綺麗なメロディが印象的な「明日、また」「NEW WALL」→アルバムより「FISH TACOS PARTY」→映像演出付きで「YourSong」「Adventue」ラストは「アルペジオ」で全員で歌って締めくくり本編は大盛り上がりの中終演。


Five, Four,Three,Two,One

アンコールで観客がアルペジオで歌い、呼び戻すと赤い照明が印象的な初期のインストナンバー「BugerQueen」で再度会場を沸騰させる。

ここでヒロがリッケンバッカーからいつもの青ベースに持ち変たのが印象的だった。そのままアンコールの大定番「Dracula La」に繋ぎポップな曲調のなかにマスロック的な要素の詰まった変則的なクラップを求め会場を一体にした。

「アンコール、アルペジオで呼んでくれてありがとう!」と嬉しそうな川上。そういえばこうやって歌って呼び戻したりすることはなかったかもしれない。

「もう少し近くに行っていいですか?」とサブステを指し、メンバー一同サブステージに向かう。「レディファーストです」と先にSATOKOをエスコート。そんなSATOKOは謙虚にも見えるが、颯爽としててやはり大物ミュージシャンのバックをやっているだけあって客前を歩くなんてお手ものものだ。

全員サブステージに到着すると川上よりメンバー紹介が始まる。

「メンバー紹介をします、今回サトヤスの代わりに出れくれました、SATOKO!」この会場にも同じくSATOKOのドラムを楽しみにしていた人は多かったのだろう、SATOKOコールが一気に湧き上がる。「SATOKOちゃんには我々25曲ほどやってるんですけどリハ2日間で仕上げてもらいました。」とたった2日間で比例なんてしていない高すぎるクオリティに観客から驚きの声が漏れる。フロントマン川上から「何か一言」とSATOKOにバトンタッチ。

「SATOKOです。今回出させていただいて光栄です、みんなカッコよくて[ALEXANDROS]のファンになっちゃいました!」とスリットの入った黒レースのドレスが似合う妖艶な色気とパワフルなドラムとは裏腹にキュートな声のギャップで一瞬で魅了した。川上が「ここらへん歩いた人は見たかもしれないけど、見てこれヒールでドラム叩いてるんだよ?カッコいいよね!!今度サトヤスにその衣装着てもらって...」と笑いを誘う。本当にやりそうだ。

「ドラムはSATOKOちゃんですけどうちらの曲にサトヤスのエキスはありますから。サトヤスからまた次の機会に宜しくお願いしますとのことでした」とサトヤスからの伝言を川上から伝えた。サトヤスの地元でライブができなかったのはサトヤスが一番悔しいだろう、でもその思いはSATOKOのドラムにもしっかり乗っかっていたし、しっかり伝っていた。

「そういえば来週Mステ出るんですよ。何回も出てるのにTVって緊張しますね。階段でこけないかなとか...ああ!(ヒロの方を見る)」

「俺さっき転んだから!」と天然川上炸裂とすかさず突っ込むヒロ。

「次は新曲やります、ゴジラの主題歌なんですけどいい曲ですし映画も面白いです、俺が言うんだから間違いない!」と自他共に認める映画通の川上がプレゼンし壮大なバラード「Pray」へ。

ラストは一気にブレイクした名曲「ワタリドリ」でシンガロングを発生させ本編同様大盛り上がりでライブは終了。ステージからはける前に5人で肩を組み川上が「愛してるぜ、福岡〜!」とオフマイクで叫び熱気に満ち溢れたままライブハウスと化した福岡マリンメッセは終演。

そして事前に収録していた映像がエンドロール代わりとして流れると地元民には嬉しすぎる九州ツアーを発表し更に観客を再沸騰させた。

「たった1日でもドロスの音楽が無いよりあった方がいいから」        

そうSATOKOは自身のInstagramで綴ってくれた。サトヤスがいないライブはもちろんもの寂しさはあったが、それ以上にSATOKOのドラムがドロスにバッチリハマって新たな[ALEXANDROS]を見せてくれた。SATOKOはただ凄い!初期ナンバーやドロップチューニングの曲はSATOKOのパワフルで鋭いドラミングにバッチリハマっていたし、逆にバラードはSATOKOのドラムではハマらないと思ったら全く別の方向へ曲の魅力を引き出しててさすが場数を踏んでいるだけあり今までに無いドロスを魅せてくれた。リハ2日間であのクオリティはおかしい。ただただおかしい。そして助っ人してくれてありがとう、SATOKO。

川上がライブの大半はサブステにいたので視界の8割川上だったのも貴重な経験だった。ヒロを見ようが、白井を見ようが、川上が邪魔をするなんて今までなかったからね(笑)これは勘違いと思われてもいいが、川上がSATOKOを紹介した瞬間私も隣にいたお兄さんも思いっ切り「さーとーこーさーん!!!」と叫んだら洋平さんと目が合った気がしたんだよね。続いてのSATOKOさんからの一言だったからいい感じに繋がって嬉しかったな。

お互いがいいライブにしようと言う気持ちが存分に伝わったサトヤスのためのライブだった。あー、本当にいいライブを見たな。とても記憶に残るライブだった。

残すは冒頭にも書いた通りサトヤス復活祭り「さいたまスーパーアリーナ ツアーファイナル」どんな景色を見せてくれるだろう。


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紅葉
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