Suspended4th@O-Crest 2019.9.27 w/そこに鳴る

最近の口癖が「早くサスフォーバズってくれないかな〜」である。

もうBUMP OF CHICKEN、凛として時雨、[ALEXANDROS]、tricotに並んで本命バンドの一員と公言してしまおうか。
そのくらい本物の音楽だと信じていて、すっかりハマってしまったサスフォーこと「Suspended4th」(サスペンデッドフォース)のライブをまた目撃しにきた。

７月にPIZZA OF DEATHからリリースしたEP「GIANTSTAMP」のリリースツアーと言うことで、東名阪の３箇所で対バンツアーを実施。
渋谷O-Crestでツアーファイナルとなる。

前座の轟音の暴力こと「そこに鳴る」が終わるとすぐさまセッティング・音出しを終え、そのままサスフォーの出番へ。

Gt＆Voワシヤマが「ちょっと早いけど始めます！」と早速サスフォーの真骨頂であるアドリブセッションからGtVoワシヤマがこう言い放った。

名古屋三越前からSuspended4th！
PIZZA OF DEATHからSuspended4th！

開催しまーーーす！

この雄叫びから早速リードトラック「GIANTSTAMP」へ。
ライブを見るたびに声が厚くなっていくコールアンドレスポンスにワシヤマが「控えめにいって最高」と嬉しそうだった。
こちらとしては待ってました！と言わんばかりの期待度。サスフォーリスナーのボルテージは既に高かった。

「とりあえず聴けよ、このスラップ！」

Ba.むうのための曲と言っても過言ではない「97.9Hz」ではスラップを使ったベースの爆音がクレストを切り裂く。

スラップが上手いベーシストはたくさんいるけど、ここまでベースが主役の勢いで際立っているベーシストは希少だと思う。
ベースの音はヒトリエのガラシさんに近い。

ワシヤマ「名古屋、大阪とツアーまわってきてアルバムの曲順にやろうと思ってたんだけど、アルバム順に行くと次の曲なんだっけ...Vannessa？え、次本当に何....ストラトキャスター・シーサイドだよね、Vannessaやります」

完全にCDの並び順を間違えたような言い方で「Vanessa」からスラップ、そしてDrデニス、サワダとワシヤマのサイドからのギター攻撃でお馴染み「ストラトキャスター・シーサイド」。

ストラトキャスター・シーサイドの中盤でワシヤマが筆頭となりお決まり、
いや、もはやこれを見に来たようなものであるアドリブコーナーへ。

サスフォーのポジションは下手/Gt&Voワシヤマ、センター/Ba.むう、上手/Gt.サワダセイヤと立ち位置が変則的なので下手にいるワシヤマにメンバーが視線を合わせる景色は少しばかり面白い。でも、これが良かったりする。

「次はどうする？まだ溜めるか？いつドカーンと合わせる？」
そんなステージに立っているメンバーですらどちらに舵を切るか、切られた舵にどう対応するか、未知の化学反応にゆるくもスリリングな雰囲気が表情と音で伝わってくるのが楽しい。

デニス「僕、東京って冷たい街だと思ってて。ぶつかっても謝らないし、ぶつかりにきてるようなもんだし。。。」

ワシヤマ「今日もぶつかりにきてるからね」

デニス「お客さんが音にぶつかりにきてるってことですね(?) ]

(会場：笑)

ワシヤマ「そこ、フー！って言うところだから！」

(会場：フー！)

デニス「...で、東京ついて、東京に染まったメンバーが僕を置いて飯行っちゃったんです。俺1人で飯買ってきたら、ラブホの近くでカップルが歩いてて。そしたらいつ休憩する？みたいな話になってて気になったからふと顔見たら男の人がめちゃくちゃ汗かいてて固まってた」

ワシヤマ「緊張してたんだね」

デニス「東京は暖かい街だなって思いました」

渋谷でライブしにくる地方バンドは渋谷のラブホ街の話をぶっ込んでくるのがお馴染みとなっている。ラブホ街にクラブやライブハウスがある渋谷の街自体がカオスだ。
ゆるいボーイズトークをすると続いて「歌えるなら歌ってくれ！」と音が特徴的なサスフォーにしては珍しい歌のもである「ヨンヨンゼロ」。
「ヨンヨンゼロ」はDrデニスが書いた曲だそうだ。

「この曲、俺とデニスが別でバンド組んでて。知ってくれてたら嬉しいなって感じなんですけど、栄ってストリートのミュージシャンがたくさんいて、その中の師匠みたいな存在の人に今年の4月５月と子供が生まれんたんです。その子供に向けて書いた曲。」

「次やる曲は俺らにしては珍しいバラードなんだけど、ライブでどうなるかなって思ってたんだけど名古屋大阪でやったらいい感じだったから今回もいい感じになると思う。目を瞑って聞いてもいい感じになると思います。日本で、世界で、一番平和な１０分です。いつもお疲れ様です、たまには音楽にもたれ掛かってもいいのではないでしょうか」

10分ほどかけて静かに鳴りあげた「think」は波の音を聞いているかのように平和で、でもサスフォーの音の味はしっかり味が染み付いていた。

ワシヤマ「次で最後の曲です！」

（会場：えー！）

ワシヤマ「いいねえ、待ってた」

澤田「あれ、言わなくていいの？」

ワシヤマ「感がいい人は気が付いているかもしれないけど、それはアンコールで俺が日程持って言うから」

（会場：おー！）

澤田「おけ、ごめん先走っちゃった」

ワシヤマ「てわけで最後の曲やります！」

ラストは「INVITATION」。
サビの合唱は、これからサスフォーの飛躍を誓ったように聞こえた。
クレストのキャパは２５０人、サスフォーの音楽がクレストだけで十分な訳が無い。音的にも小箱が似合うんだろうけど、やっぱりもっとデッカイとこでぶった切って欲しいと言う願望もある。

「そのまま歌ってて！」とワシヤマがギターを弾きながら客にサビを歌わせ、メンバー全員ステージからはけ、観客だけで「INVITATION」を合唱。
アンプからギターの音だけ鳴る光景はただシュールだった。...とすぐさまアンコールで再登場。ワシヤマが一枚の紙切れを片手にしていた。

「GIANTSTAMP Tour Ⅱ TURBO」と言うタイトルでツアーの続きをやるとのことだった。
しかも、発表用の用紙がA4のコピー用紙にマッキーで書いただけのこの雑さ。

ワシ「チケット全会場合計１５０枚分持ってきてます！先行物販にも置いてたんだけど、もう買った人いる？...流石にいないか。若番(整理番号が早い番号)だよね？買っててくださーい。
いやーこの雑さ最高ですね。仕事ができないって意味じゃなくて、俺らだからこれでいっかって言う感じが最高。このポスター家に飾ろ(?)」

ワシ「対バンはまだ決まってません。前名古屋でそこに鳴ると２MANして、演奏の暴力？って俺が今言ったんだけど。そこに鳴る出てくれたら嬉しいなーって。大阪あたりで。大阪じゃなくてもいいけど」

澤田「この後一緒にピザ食べるしね」

ワシ「ピザ食べて、請求書チラつかせてな」

ワシヤマ「アンコール、何やる？...」

(会場：Fire flower！SKY！3曲やって！ダブルアンコール！)

ワシヤマ「３曲って野次にしては傲慢だな！まあ曲俺が決めるんじゃないけど...で、本当に何やる？...Bettyやろ！Betty！」

曲も決まってない、セトリはすぐ変える、このゆるさとバッチバチに決まったライブのギャップがいい。

「ギターサワダセイヤ！Drデニス！次のカウントでスラップね」

やり取りはゆるく見えつつもビシっと決めてくる。
「おお〜そうくる！？」とそりゃアドリブ、メンバーからも予想外のフレーズや展開が来るとその反応をして当たり前だ。

通常はバンド対客であるライブがサスフォーの場合、ギター対リズム隊、ワシヤマ対その他パート、ドラム対ベースのように個々のパートで鬩ぎ合う。
その様子を傍観するのが客なのだ。

その感覚はラップバトルに近いかもしれない。
「対」とは表現しても、スポーツのように勝ち負けではなくセンスとアドリブ力が試されるストリートならではの芸術のバトルは見たものの心を震わせる。

ワシヤマが客席に乗り出すとギターを客席フロアに置いて、客も弾くとか触るとかではなくただただギターを支えてるギターダイブはただただシュールだった。

「俺らの音楽を愛してくれ！次は俺らがシーンの中心だ！ついてこい！」

初めてサスフォーのライブを見たときの確信と、
ラストワシヤマが残していった言葉はもう確信どころではなく、
この言葉が、このライブが、Suspended4thの快進撃の序章であった。

終演後は勢いで次のツアーのチケットの渋谷公演と物販で頼まれていたTシャツを入手。Tシャツはちゃっかり自分用も買ってしまったものの、後悔はしていない。
イカしているわ〜このTシャツ！

サスフォーには「音楽の未来」を感じる。
やっぱり見にいってよかった。

2020年、Suspended4thから目を離すな！

▶︎MCはニュアンスです