神サイはライブを積み重ねて曲を丁寧に作った結果、TikTokでバズったんだ
"SNSで話題沸騰中"
"TikTokでバズった人気ロックバンド"
違う、全然違う。
何も分かってない。
”SNSでバズった”と聞く度にもやもやする。
今の「神サイ」の紹介文はだいたいそうだ。
「SNSでブレイク中、若者を中心に大人気」などの紹介文は、若者ブランドの根強さ、熱さ、そして絶対的度は底知れないため、新規リスナーを獲得するにはベストな謳い文句だ。
今音楽を発掘するツールは主にYouTubeやSpotifyで、音楽が拡散されるのはSNSが主流、YouTubeなどの再生回数とSNSの人気はどのアーティストにも絶対的であり、「SNSがきっかけにブレイクした」という書き方や紹介文自体は否定する気はない。
だが「SNSがきっかけにブレイクした」という言い方だけでは、引っかかる。
神サイは、音楽を、丁寧に丁寧に作ってきた。一曲一曲、大切に産み出してきた。
車で何時間もかけてライブのために各都道府県を行ったりきたり、そうして小さな小さなライブを積み重ね、ある時から故郷の福岡から東京へ上京し、一時は事務所を退所し、フリーで活動していた。
神サイに限らずどのアーティストにも言えるが、アーティストの人気に火がついたのは、決して”SNS”と”若者の力”だけじゃない。
神はサイコロを振らないの努力の結果だ。
どの記事もテレビも、神サイの”音楽を良さ”をすっぽ抜かし、ただ「SNSで話題」などと紹介する。ファンとしては知って欲しい「音楽」と「実力」が抜けている。だからそういう「SNSでブレイク」とか薄っぺらい紹介文にもやもやするんだ。
もちろん神サイを紹介する映像制作者やライターは、全ての人間が音楽に特化していたり詳しいわけではないことは承知だ。でもその前に上辺だけではなく、ちゃんと音楽やコンテンツを見て欲しい、聴いて欲しい、聴いてから、紹介映像を作ったり、記事を書いたりして欲しい。
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神サイのライブは神聖なほど静かで、私がはじめて神サイのライブに行った時はCDを持ってきておらず、柳田がライブ中泣きながらMCしていたことも見た頃ある、物販で客と談笑したりしてきたのを見てきた。
私はマネージャーでも音楽業界の人間でもない、神サイを駆け出しの頃から見てきた、ただのファンだ。
だからこそ私は「神サイは実力で売れた」と、そう言い切れる。
神サイの曲が若者の共感を呼び、SNSで人気に火がつき、音楽業界自体が経済的に厳しいこのご時世でのメジャー契約、音楽番組の最高峰「Mステ」にまでに出演、その運の良さは実力と努力から、神サイがこうして売れたのは、必然だったんだ。