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【ライブ】クレナズム「秋のバリよかワンマンツアー2023」渋谷WWW X 2023.11.12

クレナズムを見たのは去年の新代田FEVERなので約1年ぶりと少しぶりとなる。しかも何気にワンマンライブは初となる。

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EP「Whisper of the Heart」を中心とした爽やかな夏を連想させる前半のアップテンポな曲から、後半にかけて初期曲の微睡みの深さにディープダウンするような曲の流れが悲恋の小説のようで、全編を通して次第に月夜に深く沈むような感覚に陥った。

映画のようで、ライブ。小説のようで、ライブ。時折感じるライブハウスの香りが現実に引き戻す。

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クレナズムは音源とライブの側面が全く違う。音源の澄んだ爽やかさは透き通る泉の青、熱を帯びたライブは色セロハン越しの赤。最初にライブを見た3〜4年前には既に透明度の高い世界観は既にしっかりあったが、その中でも格段に芯の熱いライブをするのだなと思った。

同時に夏の神社も連想する。太陽が照る昼間に行った時は暑かった、でも思い返すと記憶にはだれる暑さよりもさっぱりと澄んだ空気感だけが残る、そんな感じ。

クレナズムの音楽を”透明な轟音”と表現することが多いが、私は相反するものが共存するものが好きだ。陰陽や補色のように魅力を感じる。

クレナズムには”太陽の光で煌く波のような大衆的な光の美しさ”と”その光に成りきれない根の暗さ”への葛藤が随所に現れているような気がして、その”光になれない劣等感”をアンコールの「白い記憶」で強く感じた。

物凄く純度の高い音楽を産み出すなかで、ライブではああやって彼らにも轟音を掻き鳴らしたいという野心がきっとあるのだと思った。

美しさのなかに隠しきれない淀みがある。それは善でも悪でもいい、だからクレナズムがずっと好きなんだ。

「8月31日」「ひとり残らず睨みつけて」「ヘルシンキの夢」など好きな曲が聴けて心底嬉しかったが、本編最後の「365」が特に良かった。この曲で、歪みながら透き通るシューゲイザーの音が魅力であるこのバンドの中心は萌映さんの歌声だと思ったのだ。

この曲が新曲として解禁された頃、「ヒューマン映画系の主題歌になって欲しい」と感想を綴った。

事実、その後「ふたりの傷跡」が映画主題歌となり、ボーカルの萌映さんが役者として出演することとなった。

自分で言うのもどうかと思うが、私は勘は人よりいい方だと思うし、特に自分の音楽の選球眼と耳の良さには絶対の自信がある。

「もしピアノが生音でサポートで入ったら」「ホールで演出付きで見れたら」「開放感のある野外ライブで見れたら」、着実に次のステージへステップアップする渦中の成長と、将来性を大いに感じたライブだった。

春のツアーが解禁された時「5周年」と言っており、最近出会ったように感じていたのだけど、意外と出会ってからそんなに経っていたのかと思った(初めて音源を聴いたのが結成して1年経ってたぐらいだったので。)

最初にライブでクレナズムを見たのは今や「ぼっちざろっく!」の聖地として人気爆発中のシェルターだったなあ。クアトロも楽しみ。

(本人が読んでいるか分からないけど物販で言い忘れたので追記)

最近渋滞遅延や交通事故などバンドマンの何かしらのハプニングをよく聞くので、バンドマンは全員持っていた方がいいと思いましてお渡しさせてもらった交通安全のお守りですが、映画「THE FIRST SLAMDUNK」の取材協力で参加した田無神社のものです。私の人生史に残るほど大好きな映画に参加したというのが大きな理由ですが、個人的にも好きでよくこの神社に通っています。

今回の目的は交通安全ですが、田無神社自体のご利益が総合的で、芸事上達の神様もいらっしゃいます。

クレナズムが爆発的に売れますように!


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紅葉
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