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●WALK UP●
夢想するための映画なのかもしれない。
かわいいこぢんまりとしたアパート。
韓国のいわゆる古ビルなのだろう、モールガラスが入ったドアやペンキを塗っただけのような壁、レトロで無駄のない美しい建物。
地下1階、地上4階建のモノクロームのその舞台では、同じ登場人物で4つの少しずつ違う物語が展開される。
繋がっているようでそうでない、もしそうだったらというような、各々の空想のような物語。ドアのロックを外す電子音が幕間のように鳴る。
キュビズムのようだと思う。ひとつの建物を様々な角度から写して、正面から全て見えるようにコラージュしたような世界。
そして物語はあるようでない。話の筋を見るような映画ではなく、もしここに住んだらといったような夢想をするための映画なのかもしれない。
どの階で何をして暮らそうか。そんな仮定をしてみたくなる魅力的なアパートである。
しかし個人的にはあまり好きではないタイプの映画だった。建物とジュールのかわいさしかわからなかった。
なので、この映画がすごく好きだ、という人と話してみたい。私が感じなかった魅力をぜひ教えてほしい。