●マンティコア 怪物●
観るかどうか少し迷っていた。予告編を観ても、必ず観たいという気がしなかったからだ。
しかしなんとなく引っかかり、チャンスがあれば行かなくてはと思い、そしてそれは正解だった。
ひとことで言うと「ヤバい映画」である。サブカル映画としても、恋愛映画としても、ノワール映画としてもヤバいのである。
人柄の丁寧な描写に登場人物を愛し始めた矢先、じわじわと広がってくる闇。
具現化しないだけで、誰しもが内包しうる闇。掛け違えてしまえばいつでもそちら側に落っこちてしまう。
後半はその闇に急速に飲まれていく。
掴まれ、飲まれ、揺さぶられる。
そういう映画に出会ったとき、まずは「ヤバい」としか言えなくなる。イコール、好きな映画だ。
主人公フリアン役のナチョ・サンチェスの目の演技が特に素晴らしい。ディアナ役のゾーイ・ステインのキュートさは虜になる日本人も多そう。
どうにも掴まれすぎてパンフレットを買ってしまった。
しかしポスターなどに使われているメインビジュアルでちょっと損をしている気がする。
どうも実際の映画の印象と少し違うし、それで食指が動かなかったのだと思う。
パンフレットのようなデザインが使われていたらきっとピンときたことだろう。
※パンフレットはお店にありますので、見たい方はお声かけください。
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