才能の話

この世は才能を持つ人で溢れかえっている。
ついこないだあったパリオリンピックで金メダルを獲った選手たち、
人々に絶賛される曲を作るアーティストたち、
後世にまで残る絵画を描いた画家たち、
演技を絶賛される俳優たち、
数多くのファンがいるアイドルたち。

素晴らしい才能を目の当たりにするたびに、自分の才能の無さに落ち込む毎日を送っているわたしが、中でも羨ましく思う才能。
それは、
人に気に入られる才能である。

どんなコミュニティでも、
どんな人が相手でも、
するっとふところに入り込み、
誰もがその人のことを大好きになるような、
その人が困っていたら率先して助けたくなるし、
常に周りの人がその人を気にかけているような、
そんな人があなたの周りにもいたのではないだろうか。

わたしも今まで生きてきた中で数人、
そんな人に出会ったことがある。

その人は、
困った時に、助けて、と自分から声を上げるより先に
救いの手が差し出されいた。
何かコミュニティでの催しがあれば必ず真っ先に誘われていた。
話し合いの時は真っ先に意見を聞かれ尊重されていた。
どのコミュニティでも中心にいた。
自コミュニティだけではなく、他のコミュニティの人からも好かれていた。

以前、
仲良くなりたくてわたしから声をかけた他のコミュニティの人が、気付いたらその人と仲良くなっていた。

以前、
わたしが自分のことで精一杯でその人の様子まで気が回らなかったときに、
「なんで〇〇してあげないの」
「〇〇さんがかわいそう」
と責められたこともある。
きっとこれはレア中のレアな経験だと思うけど。

その人と私は何が違うのか。
どうしたらその人のようになれるのか。
考えながら眠りにつく日々を過ごし、
ようやく、わたしにはその才能はないのだと、
現実を受け入れたところである。
ようやく、同じ土俵で戦おうとすることをやめ、
自分の強みを探し始めたところである。



あなたは羨ましい人はいますか?
羨ましい才能はありますか?



外見も中身も、
不平等に大きくかたよりのある世界の中で、
それでも一度きりのわたしたちの人生を、
たったひとりの愛すべきわたしたち自身と一緒に、
出来る限り楽しく生きていこうね。

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