夢をかなえるゾウ②
■人の欲しがるものを先取る
「私を癒してくれー」
夫婦そろっての休日に嫁から私へ一言。
おいおい、癒すって、どうすればいいのだ。
「癒すっていってもさ、わかんないよ。
何をして欲しいの?言葉にして教えてよね」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
時にはこんな回答をしてもセーフ。セフセフ。
でも、常にこんなこと言ってたら、アウト。
スリーアウトパートナーチェンジとなりかねない。
こんな時相手の望みを満たすにはどうするか?
「何をして欲しいの?教えてよ」と聞くべき?
でも、なんでも聞けばいいってものじゃない。
こういう場合、相手自身さえも
「何が欲しいのかわからない」場合があるから。
人は、わざわざ「〇〇がほしい」なんて言わない。
推理小説の後半みたいにヒントなんて出してくれない。
こちらが考えて、予想を立てて、提案するしかない。
自分が相手の望むものを提供したいのならば
そのくらい難しいことをこなさなければならない。
閑話休題。
本書を読んで(なるほどなぁ)とうなずいた私は
嫁の要求「私を癒して」に脳をフル回転させた。
「言ってくれなきゃわかんないよ」
と言いたい心をぐぐぐっとこらえて嫁を寝せると
首から足先までの全身マッサージを敢行。
そして滅多にやらないサイフォン式で
珈琲をじっくりコポコポ淹れて献上する。
約5年ぶりとなるサイフォンの登場に目を輝かせた
嫁の表情をみるとどうやら失敗ではないらしい。
人の欲しがるものを先取るっていうのは
このように完全なる正解が存在しない。
でも、できることならやったほうがいい。
「相手は何を望んでいる?」を常に考えていると
不思議なことに正解率が上がっていく。
野球のバッターが練習を重ねて打率が上がるように
相手の心が少しだけ分かるような瞬間が増えていく。
人の欲しがるものを先取るチャレンジは意外と面白い。