君の隣
地獄で頑張るだみくんの話です
「ちょっっとやばそうだね…」
「そうだね」
…もう無理だ
こうなったらどうにもできない ここからなんとかなったためしが無いしなんとかなる気がしない
ここで死ぬのを待って無駄な時間を過ごすくらいならなら次にいった方が効率的だ
「あれ?どこ行くの?あなんか作戦あるの?」
次はどうしよう ああなったらもうダメなのかな
「ちょ…まってみーくんどうし」
「捕まえたぞ」
「えっあっまじ?」
あれはもう死にイベと割り切って回避すべきなのかもな
「みーくん…?」
いい加減はやくしないと
「ねぇ…」
はやくニアをこの地獄から
「置いてかないでよ…」
ださなきゃ
「確保しました どうしますか?」
「予定通りンドールダイスコ城に受け渡す 牢屋に連れて行け」
ニアを救うんだ
「み”ーぐん!!!」
「っ」
振り返ってもあるのはネザーラックの壁 無事に戻ってこれたみたい
一気に鼓動が激しくなる
ぼくは…何をした?
見捨てた?ニアを?
違う
違う違う違う
そんなわけない
見捨ててなんかないぼくは少しでもはやくニアを救うために
そんなの関係ない結局見捨てたことに変わりないじゃないか
違うだってあれは
何が違う?ニアがあんな声出したことなんてない 聞いたことない
違うニアはあんな声出さない ましてやぼくのせいで
「違うんだよ…」
脳が今まで以上に悲鳴を上げてる 考えることを拒否してる
でも
だめだと思えば思うほど
変に意識しちゃって
だめだ考えるな
次
次救う それで問題ないだろ?
何が救うだ たった今見捨てたくせに
違う見捨ててない見捨ててなんかない
違う違う違う違う
「大丈夫?ひどい顔だけど」
「え?」
「わ くまもすごい ちゃんと寝れてる?」
…寝れてなんかない これからどうするか どうしたらいいのか ずっと考えてたから
「こっちおいで?涙拭いてあげる えとハンカチがここら辺に…」
目の前の天使はポケットの中を探す と思ったら次はリュックの中を探してる
無意識のうちにニアがいる牢屋の前まで来てたらしい やっぱり慣れっていうのはのは怖い
「いや 大丈夫」
必死に笑顔を取り繕う 今あなたに優しくされると心が張り裂けそうだから
「ぼくはダミー 悪魔だよ お前をオークションで買ったんだ」
「ということで早速僕の手伝いをしてもらう」
「まじすか」
口が 顔が 勝手に動く 1000回近くもやってれば体が覚えちゃう この会話に感情なんてこもってない 楽しくも悲しくのないただの作業だ
出会い頭に心配されたのは初めてだったから驚いたけど
「詳しい話はついてからな」
「はーい!」
もう頭がぐちゃぐちゃで何が何だかわからない
でも これだけはわかる気がする
こんなぼくが きみの隣にいる資格なんて
もうないんだろうな
原作 いぬいさん(@Omotidoggod)
制作 こーひー(@coffee_1007)