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Woman

John Lennonさん 『Woman』の歌詞をLLMに読み込ませてプロットを書き出して、プロットから書き起こした小説です。

原っぱに寝そべり、空を見上げる二匹の猫の男の子、ミーとジョバンニ。
彼らの世界では、空は半分傾いて見えていた。
学校をサボったこの日、彼らは何もかもが男の子だけの猫族の世界について話していた。

空が半分傾いているって、おかしいと思わない?」ミーは言った。
彼の声はいつも、まるで遠くの星からのささやきのようだ。

ジョバンニは少し考えて、「うーん、でも、これが普通だよね?」と返した。
彼にとって、この世界はそれが当たり前で、別の可能性を考えたことはなかった。

ミーは、考え込んでいた。
そして、意を決したように、また唐突な事を言った。
「ジョバンニ、僕は君が好きだ」

ジョバンニは、突然何を言い出すのかと戸惑った。
「ミー、僕だって君が好きだ」

そう返すと、ミーは首をふって答えた。
「ジョバンニ、きっと君の言う好きと僕の好きは違う」
「何が違うんだい?」
「ジョバンニ、君は親のことは好きかい?兄弟の事は好きかい?」
「もちろん、好きさ。」
「その気持ちと僕を好きな気持ちに違いはあるかい?」
「違い?」
「そう、違い。ジョバンニ、僕が君を好きな気持ちはそれとは違う。」
「わからないな。何がどう違うんだい?」
「君を想うとむずがゆくなる。君が他の猫と仲良くしていると、僕とだけ仲良くして欲しくなる、時々君の体が僕の中に入ってしまったらどんなに素敵だろうと想像する。」
「それは確かに少し違うね」
「だろ?僕はずっと自分がおかしくなってしまったのかと思っていたんだ」

ミーはふざけているわけではなさそうだった。
ミーは深刻な顔で考え込んでいるようだったが意を決したように話し続けた
「それでね、僕はずっと悩んでいたんだけど、その答えが昨日やっと見つかったんだ」
「昨日?」
「そう。覚えていないか?昨日、学校の図書館の地下室に行ったこと」
「そういえば、君は昨日行っていたな。地下室に」

地下室へ

ミーは深く息を吸い込んで、静かに言った。
「そこで、僕は昔のことを少し読んだんだ。昔、この猫族には“女の子”っていうのがいたって」

ジョバンニは驚いて、ミーの顔をじっと見た。
「女の子って、どういうこと?」

ミーは答える。
「体も心も2つの別々の種類に分かれていたらしい」
「僕たちは完全体だ。ハタチになればひとりで子孫を残すことができる。でも太古の昔、猫はひとりでは子孫を残せなかった。2つの性別が重なることでしか子孫を残せなかったんだ」

「なんで?なんのためにそんなに不便なことが?」

「本によれば、様々な個体が得た免疫力を互いに交換することで、生物としての多様性を獲得し、疫病などで死ぬ可能性が低くなるんだそうだ」

「なるほど。なんだか不便そうだけど、とにかく昔は2つの性別というものがあったんだな。それで?それが君の気持ちに何の関係があるんだい?」
「本によれば、2つの性別は互いに惹かれ合うことがあったらしい。その時の感覚が、ムズムズして、自分だけのものにしたくなるような感覚だったらしいのだ」

「つまり、ミー、君の今の気持ちは、太古の昔猫族が持っていた2つの性別に由来する気持ちだと?」
「そうだと思う。確証はないけど確信はある」

男の子と女の子、二つの性別が一緒にいて、子孫を残していたんだって。それは、なんだか完璧な世界に思える


女の子のいた世界



ジョバンニは眉をひそめた。
でも、そんなの無駄じゃない? 今はもっとシンプルでいいんじゃない?無駄だからなくなったんでしょ

ミーは頭を振った。
「いや、僕は何か大きな意図によって変わったんだと思う」
「女の子がいなくなったこの世界は、空が支えきれずに傾いているみたいに感じるんだ」

その時、遠くで蒸気機関車の音が聞こえてきた。
ふたりは顔を見合わせ、笑みを交わした。
突然、ミーが立ち上がり、「行こう、汽車に乗って、もっと広い世界を見に行こう」と提案した。

ジョバンニは一瞬躊躇したが、ミーの手を取り、一緒に走り出した。
彼らが乗る蒸気機関車は、夜の星々を渡る銀河鉄道のようだった。
車内では、ミーは再び話し始めた。
「君は思わないかい? 男の子だけの世界が本当に正しいのか、もしかして、何か大切なものを失ってしまっているんじゃないかって。」

ジョバンニは窓の外に広がる無限の星空を見ながら、じっと考え込んだ。
「もしかしたらね、ミー。でも、今は君と一緒にこうして冒険できる。それが僕にはとても大切だよ。」

列車は星を渡り、彼らを未知の世界へと運んでいった。
ミーとジョバンニの旅は、彼ら自身の内面とこの奇妙で美しい世界の秘密を探る冒険だった。


蒸気機関車

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