【マニュアル一部公開!】地域に寺子屋をつくるマニュアルって?制作責任者に苦労話と将来構想を聞いてみた!
こんにちは!あしたの寺子屋です。
今月から、第三期あしてらサンカク会議が始まっています!
全国各地の寺子屋長が約三か月間全六回の研修を通してそれぞれが目指す寺子屋像を明確にしていきますよ~!
そんな三期の募集を開始した今年9月、こちらの記事で「教育への思いがあるが、不安を抱えている」未来の寺子屋長へ向けてあしたの寺子屋が行う3つのサポートを紹介しました。
ここからさらに、あしたの寺子屋のサポートも進化して、地域に寺子屋の開校し、運営するためのノウハウをまとめた「寺子屋開校マニュアル(仮)」をパートナー校の皆さんに公開しました!
今回の記事では、マニュアルの一部を公開しながら、その作成プロセスを振り返り、未来像を話す対談を嶋本・香田で実施していきます!
香田 光 カスタマーサクセス責任者
大手予備校の校舎長として生徒指導、校舎運営、学校営業、スタッフ採用・研修等を経験。カウンセリング実績は小中学生~大人まで 累計10,000件以上。
教室運営経験を生かしてあしたの寺子屋では寺子屋長のサポートを実施。
どんなマニュアルを作ったの?開校マニュアルの一部を大公開!
嶋本)僕が聴くのも変ですが…今回どんなマニュアルを作ったんですか?
香田)まず、マニュアルって名前は未だに(仮)なんです。良い名前考えたいです・・・。笑 本質的には、マニュアルではなく、事例集なんですよ。そして、この事例集は、好事例だけでなく、失敗事例も共有していくものなんです。
嶋本)そうだったんですね!ちなみに、今回の制作過程では、どんなことを大切にしてつくられたんですか?
香田)「こうしてくださいという指示をする」のではなく、「寺子屋長が自分の寺子屋のことを広く・深く考えるための材料を渡す」というスタンスを一番大事にしていました。「これから入るネットワークに、こんな面白い場をつくる人たちがいるんだ!自分の寺子屋をこういう事をやっている人たちと創っていくんだ!」って寺子屋長がとワクワクできるものにしたかったんですよ。
嶋本)香田さんらしいサポートの姿勢ですね…。だから、マニュアルに「これは〇〇の寺子屋の事例です」と名前付きで記載しているんですね。さて、早速マニュアルの一部を見てみましょう!
マニュアルは約80ページにわたって、開校までに実施すべき「To Do」と実施に向けてのアドバイス「Tips」を詳細に記載しています。
内容は、寺子屋のコンセプト作り、HP作成方法、チラシ配布のコツなどなど、、教室立ち上げに欠かせない重要な要素から、「え!そんなところまで書いてくれるの?」というものまで網羅しています。
マニュアルができたことによって、どうサポートは変わったの?
嶋本)このマニュアルができたことによって、香田さんのサポートの方法はう具体的にどう変わったんですか?
香田)これまでは新規に開校するする寺子屋長が「寺子屋を開いているセンパイ」の事例を見られなかったんです。だから、僕のこれまでの経験や見てきた事例を提示して、一緒に悩むというサポートの仕方をとってきました。それが、他の寺子屋の事例も見せながら、何をしていきたいですか?といった形でコミュニケーションができるようになったんです。
嶋本)なるほど~。やっぱり考えたり、決めたりする主体は、常に寺子屋を開校する人にあるっていうスタンスを大事にしているんですね。
香田)そうそう。「どんな教育を目指したい?」「こどもたちにとってどんな居場所になるべき?」「将来この寺子屋は地域にどんな貢献ができるだろう?」といった対話を1on1の中でじっくりと重ねていくイメージですね!
嶋本)毎回の1on1で、そういうことをやっているんですか?
香田)ちょっとずつですけどね。見ればわかるものはマニュアルにどんどん追記していって、本質的にその人がどんな教育をしたいか?もっと言うと、どんな人生にしたいか?といったものを1on1では話したいんです。
嶋本)いいですね。そういうスタンスと対話が、寺子屋を開校する人にとっての支えになっているんでしょうね。
香田)いえいえ。寺子屋長の皆さんが、自分を頼ってくださることが、僕にとっても本当にありがたいんです。僕は、すごい!と崇拝される上下の立場ではなく、寺子屋長の横に居ながら、一緒に理想の教育環境をつくっていきたいって思っているんだろうなぁと最近感じています。
嶋本)まさに、「寺子屋づくりの伴走者」ですね。
香田)そうですね!僕らの事業では、子どもたちの世界を広げる一歩目をつくるということを大切にしていますが、僕個人の仕事では、「寺子屋を開校する大人たちの一歩目」を応援することを大切にしていきたいんです。
嶋本)わ~、名言みたいなこと言いましたね!(笑)
そもそも、教育業界にマニュアルを作れるのか?
嶋本)ちょっと話は変わりますが、そもそも、なんでこういうマニュアルって世の中になかったんですかね?
香田)ん~、教育業界では、「教育はマニュアル化できない」ってのはよく言われますからね。出し手側は、自分が培ってきた大切なノウハウが流出することを嫌うこともあるし、受け手側も意外にこだわりがあって、せっかく共有されたノウハウを活かさず我流でやってしまうこともあるし。あとは、そもそも言葉にできない部分もあるってのもあるかな。
嶋本)確かに、僕も塾講師でのアルバイト時代によく言われたし、言ったこともあるなぁ。(笑)そんな中、香田さんはマニュアルをつくったわけですが、どうしてマニュアルを作ろうと思ったんですか?
香田)たしかに教育って、マニュアルとの相性が悪いんです。言葉にできない部分も確かにある。だけど、だからこそ、チャレンジしてきた人の経験や知見が見える化されていなくて、新規に参入するプレイヤーの一歩目のハードルを上げてしまうと思っていたりもします。だから、マニュアルは頑張って作るんですが、「マニュアルだけでは書ききれない部分もあるし、伝えきれない」という前提で制作を行いました。
嶋本)ほうほう。というのは?
香田)研修のサンカク会議と1on1とマニュアルを組み合わせることを前提にしたんです。「自分がこういう場所を創りたい!」という寺子屋の"文化"にあたる部分は、サンカク会議や1on1での対話の中で徹底的に具体化していくから、まずマニュアルには記載しません。ここが、言葉にしにくい部分です。一方で、チラシの作り方とか、保護者説明会資料の内容など、できるだけラクしたほうが良いような"機能"的な部分は徹底的に事例を文書に残して共有していく。ここは言葉にできる部分なんです。
嶋本)なるほど!そうすると、マニュアルに書いてあったの部分でも、やってみたけどうまくいかなかったことを1on1で話したりできますね。100%伝わらない前提で、伝わらなかった部分をサポートできる仕組みを持っておくことが大事なんですね。
香田)そうですね。加えて、「なんとなく知らない人の作ったマニュアルを参考にしたくない」という、受け手側の問題も、あしてらネットワークだと、顔見知りの寺子屋長の事例なので、もう少し話を詳しく聞いてみたり、ふらっと相談したりすることができる。そうやって、相談先をネットワークにつなげていくことが、僕が今回取り組んでみたことなんですよね。
嶋本)こういうことを、当たり前に、すごくないことのようにできるのが、香田さんのすごいところですよね。お話頂いたような、知の共有・共創が起こるネットワーク、大切に育てていきたいですね!
寺子屋を開校する方々へのサポートの未来
嶋本)最後に、香田さんがこんなサポートを目指していきたいと考えているような将来像を聞いてもいいですか?
香田)難しいですね~。でも、まずマニュアルはもっと進化させていきます!①実名化・②数値化・③ネットワーク化の観点ですね。
こんな感じでしょうか!
①実名化:事例に「どこの誰の寺子屋の事例か?」を加える
②数値化:事例の成果として、どれくらいの効果があったか?を数で記す
③ネットワーク化:マニュアルから、寺子屋長同士のコミュニケーションが生まれる仕掛けをつくっていく
嶋本)お~!この進化、実現していきたいですね!とくに、実名化→ネットワーク化の流れ、これ絶対にやりたいです。
香田)そうなんです!既に開校している寺子屋の運営者のみなさんが、運営の様子を共有してくれていて。それを見て、「北海道〇〇町の寺子屋の〇〇さんの話を聞かせてくれませんか~?」って連絡してくれる人が居たり。そういうネットワークってなかなかないですよね。
香田)ところで逆に、嶋本君がこんなこともやりたい!って考えていることは、ありますか?
嶋本)大人の寺子屋留学とか、合同オープンスクール(?)とか、寺子屋の関係人口づくりのハブみたいになりたいです、僕ら事務局は。
香田)なるほど~。それでいうと、寺子屋長同士の実地研修なんかもできたらいいですよね。寺子屋を始める人は、どこかの寺子屋で実地研修ができたり、なんかうまく行かないなぁと思ったら、マニュアルに載っている寺子屋を見に行ったり。
嶋本)いいですね、いいですね。マニュアルだけでなく、僕らとして出来るサポートをどんどん増やしていって、これからも寺子屋を開く大人たちの一歩目に寄り添っていきましょう!
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これから三期も開校を迎え、その後も四期、五期、、、と各地に寺子屋が増えていく中で、まったく同じものはひとつもありません。一つ一つの寺子屋にあるそれぞれの思いとストーリーが積み重なっていきます。
私たち、あしたの寺子屋は、地域の寺子屋長が一歩目を踏み出せるよう、そして子どもたちが「世界を広げる一歩目」をどこからでも踏み出せるような環境を創り出すために、サポートの進化と改善を繰り返してまいります!
少しでも興味を持った方、「自分もやってみたい」と思った方、是非お話ししませんか?
直接のお問い合わせはこちらから → info@ashita-terakoya.com