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オーフスでデンマークの優しさとヒュッケを感じた話

コペンハーゲン着いてすぐの週末から1週間、KAOSPILOT というビジネススクールのワークショップに参加しに、コペンハーゲンから電車で3時間のオーフス(Aarhus)という街に1週間滞在していました。

写真は、オーフスで有名なアロス美術館のレインボーパノラマです。ワークショップの合間を縫って娘と見学してきましたが、このレインボーの展望台から眺めるオーフス市内、とても素敵でした。:-)

KAOSPILOT でのワークショップの話、オーフスで観光した話、はまた別途書くとして、ここではオーフスに到着するまで&到着してから、色んな優しさに触れて助けられたお話、そしてこれがデンマークのヒュッケか〜!と感じた話を書きたいと思います。

* ヒュッケ = Hygge
デンマーク語で、小さな喜びとか、小さな幸せという意味

そもそもなぜデンマークに母娘で滞在しているのかという話は 2019年9月からデンマークITUで在外研究する話 を参照ください。

ママチャリを電車に持ち込む!

コペンハーゲンに到着して数日しか経っておらず電車の乗り方すら怪しいのに、更にそこから3時間遠征してオーフスに自転車を持ち込むかどうか前日まで悩みましたが、結局持ち込むことにしました。

自転車あった方が絶対便利だなー、見知らぬ土地だと絶対に抱っこ魔になる娘と行動を共にするには自転車ないと厳しそうだなー、と思っていたので、デンマーク渡航前から中古の自転車情報を探しまくっておりまして。渡航後3日目にはママチャリを入手、近所の自転車屋にオーバーホールに出し、コペンハーゲン市内を1日自転車で散策して、デンマークの自転車ルールを学習。手旗信号など見よう見まねで覚え、よし行ける!と渡航後5日目にはオーフスへ!

デンマークのママチャリといえば台車型のクリスチャニアバイクですが、こちらはなかなか中古でも出ておらず、出ていても10万円以上のお品だったので諦め、日本でも良く見る形の後ろに子供を乗せるタイプのママチャリをゲットしました。ヘルメットも一緒に譲って頂きました。ありがたい!

結果的に電車にも乗せやすかったので結果オーライです。

電車には自転車用車輌があり、自転車を留めるためのシートベルトも設置されています。

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オーフスで一週間のワークショップ受講中ずっと、5才の娘を見て頂くシッターの方を見つけることができたこと自体かなり幸運だったのですが、そのシッター宅と宿泊先の移動(チャリで10分)、シッター宅からワークショップ会場(チャリで30分)の移動を考えると、大荷物で大変ですが頑張って自転車を持ち込むことにしました。

ですので、コペンハーゲン出発時には、2日前に入手して修理に出したばかりのママチャリと、二人分の一週間の荷物を抱えてかなりの大荷物での大移動になりました。

ちなみに、自転車を電車に持ち込む際は、自転車持ち込み料が別途かかります。下記は別の行き先時の券売機画面ですが、一番下が自転車用のチケットです。

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券売機も基本全てクレジットカード決済で、コインを入れるところがありません。キャッシュレスが浸透しているデンマークらしいです!

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クレジットカードは奥深く押し込むので、うっかり取り忘れそうになることしばしば。危ない。

そして、デンマークでは駅に改札がありません。ですので、自転車など大荷物もホームにすんなり持ち込めます。チケットは電車内で抜き打ちチェックされ、持っていないと高額な罰金が徴収されるので、改札がなくても皆さんちゃんとチケット購入するようです。

こういう細かいところで、デンマークは色々なところが性善説で運用されているなぁと感じます。

乗っている車輌を間違えるトラブル

オーフス行きの電車、実は途中で連結車輌が分かれることを知らず、相席したデンマーク人女性に教えてもらって無事に到着。

教えてくれた女性は、車輌を移らないといけないタイミングまで2時間はあるからまだゆっくりできるよ、と色々話しかけてくれ、更にコペンハーゲンで住んでいる地区が近くということが分かり、Facebookの交換までしました。教職の方でした。

赤ちゃん連れで実家に帰る途中だったようで、スヤスヤ寝てる赤ちゃんの寝顔に娘と二人で癒されていました。

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自転車もあるので車輌の移動、本当に大移動で汗だくでしたが、切符チェックしにきた車掌さんに間違った車輌に乗っちゃったんだけどって事前相談していたら、車輌分裂する時に私のところへ来てくれて荷物運搬を手伝ってくれました。優しい。。

ちなみにデンマークの電車は、コンセントや WiFi も整っていて、長時間の移動も快適に過ごせました。私が乗った電車では天井にコンセントがあり、こんな感じで挿して利用できました。

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Macや着替えなど全部入りのリュックをなくすトラブル

ホッとしたのも束の間、娘&娘の荷物&自転車に気を配るのに精一杯で、Mac&iPad&1週間分の着替えや化粧品全て入ったリュックを電車に置き忘れるというポカミス。

途中で車輌が分岐し、オーフス行きの車輌は2両に減り、とても混雑していました。更に自転車を支えたまま1時間近くずっと立ちっぱなしだったのもあり、疲れていたんでしょう。。

娘もこんな状態で地べたでシールブックしながら頑張って電車に乗ってくれたのですが、降りてから荷物がない!と気づいた時には電車はもう出発してしまっていました。泣

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(ちなみに私は写っている自転車&荷物を支えるので精一杯だったので、この写真は向かいに座っていた上品そうなお婆さまに撮影をお願いしました。)

オーフス駅で、荷物がなくなりパニックになる私。

でも娘が「お母さんたらドジー!でもなんとかなるよー!」ってめちゃくちゃ明るく振舞ってくれたのが本当に救いで、これひとりだったら本当にパニクって青ざめて泣いていたと思います。

遺失物登録もデジタル化されていたデンマーク

急いで、駅のサービスカウンターに行き事情を説明。すると駅のおばちゃんがめちゃくちゃ励ましてくれて、遺失物届の登録方法を教えてくれました。

遺失物届、ここもデンマークらしくデジタル化されていて、駅のおばちゃんに促されて駅にある券売機のような機械で色々登録していくと、メールで登録完了の通知がきます。見つかり次第、電話かメールがいくよ、と教えてくれました。

下記の画像の "Sagsnummer" というのがいわゆる案件ごとのケースIDになるのですが、この番号を伝えるとどこの駅でも遺失物の状況問合せができるようになるそうです。

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システムは便利なのだけど、車内点検で見つかった遺失物が一括回収&システムに登録されるのは週に1度の毎週木曜と決まっているそうで、見つかるとしたら金曜日、と言われました。今日は日曜日。遅い。。。

それじゃワークショップ中は Mac も iPad もなくてかなり不便、今これから終着駅に向かったら回収できるか確認しましたが、「終着駅は電話ないから問い合わせできないし、金曜日に来てね!」と笑顔で念押しされました。

「私の知ってる限りオーフスで忘れ物が盗まれたことは、ほとんどないから大丈夫!」って駅員さんは励ましてくれ、「ほんと…?」的な気持ちでオーフス駅を後にし宿泊先へ向かいました。が、なんと1週間後、本当に全て無事で見つかりました!Mac や iPad など、その他金目のもの、完全に無事で本当にデンマークの神様(いるのか知らんけど)に感謝しました。

便利なシステムはあるけど、ルーチンワークを乱さない、淡々とした仕事ぶりに、これがデンマーク!と思ったのでした。

その時の私のツイート、史上最高のいいねを頂きました。皆さまの優しさにも感謝いっぱいです(ToT)

荷物が見つかるまでの間

荷物は結局オーフスを経つ前日に見つかったので、それまでの1週間の着替えや化粧品などはオーフス到着日に全て買い揃える必要がありました。泣

シッターをお願いしていたオーフス在住の日本人ご家族に、買い出しで車を出していただくなど、ワークショップ前日から娘共々お世話になりまくり、本当に感謝してもしきれません。

大型スーパーで衣服から化粧品、そして頼みの綱の充電器など最低限のもの全てを買い揃えました。

まさかこんなに早く現地の化粧品を買うことになると思わなかった。。肌強くて良かった。。。

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オーフスでは、広い庭付きの戸建て住宅に圧倒されながら、シッター宅の娘さんと、姉妹のように1週間仲良く遊ばせていただきました。

デンマークの公園やお庭では、よくトランポリンを見かけます。標準装備なのか、だいたいどこの公園や庭にもあるので、娘は大はしゃぎです。

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Airbnbのホストが最高に素敵だった話

娘の送迎がしやすいよう、シッターさん宅からすぐ近くにAirbnbで宿を取りました。過去、私がAirbnbで予約した宿は、安かろう悪かろうでハズレが多くアパートの一室をホテルのようにして稼ぐいわゆる民泊が多かったのですが、今回はその地区に暮らすご家庭の生活に入り込むホームステイのような形で1週間滞在でき、本当に素敵な経験になりました。これが私が求めていたAirbnb体験だ!って何度も思いました。

Airbnbもサービスコンセプト「暮らすように旅をしよう」通り、サービス初期はこういった滞在を想定していたサービスだったんだろうなと感じました。最近は単純なホテルの代替になってしまっている場所が増えてしまっているのが残念に思います。

誰もいないと思ってくつろいでいたところ、初日の深夜にホストが帰ってきて、たじろぐ娘が面白かったです。

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過去にソマリアから移り住んできたというホスト。現在はオーフスで小学校の先生をしているそうで、デンマークにおける子どもの教育事情から、他国から移り住んだ人に対する手厚いサポート話など、毎晩色々とお話をしてくれました。

そして、私の荷物無くしたトラブルや、子連れで無茶なハードスケジュールでワークショップ参加しに来た話など、豪快に笑っては励ましてくれ、毎晩楽しくお話させて頂きました。あなたも相当タフだけど、娘ちゃんも相当タフだね!と言ってもらったのが印象的です。

最初は子どもの滞在NGとなっていたんですが、シッター宅から一番近いことなどを事前に説明して交渉したらOKしてくれ、いざ滞在したら絵本を準備してくれていました。絵本はデンマーク語でさっぱり分かりませんでしたが、娘とGoogle翻訳しながら楽しみました。

娘の折っていた折り紙にも興味津々で付き合ってくれました。

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最終日には娘に服のお下がり&パンまで焼いてくれるという親切さ。

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ワークショップで一週間駆け抜けてクタクタだった後の週末、遅く起きた朝に用意されていたサプライズだったので、このパンは本当に心に染みました。

スカナボーの森散歩が気持ちよかった話

そして、シッター宅&Airbnbホストに別れを告げ、コペンハーゲンに帰る途中、オーフスの隣町スカナボー(Skanderborg)で1泊しました。

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ちなみに私のデンマーク生活、アパートや自転車、シッター探しに至るまで全てデンマークに縁のあるFacebookコミュニティやオンライン掲示板で見つけています。

このスカナボーでの滞在も、もともとはシッターを申し出てくださった方と、メッセージでやりとりしていたら意気投合し、日程の都合がつかず結局シッターはお願いしないことになったのですが、1泊泊まらせて頂く運びとなりました。

到着早々頂いたお菓子とコーヒーが本当に美味しく、こちらでも本当にヒュッケな時間を過ごさせて頂きました。

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お菓子はデンマークの伝統的お菓子でフルーボラー(Flødeboller)と呼ばれるもの。チョコの中にふわっとしたクリームのようなマシュマロのような食感でとっても甘いですが、コーヒーとの相性抜群です。

滞在したのは障害者施設と住宅エリアが一体化した素敵な場所で、家のすぐ側にはリスやキツツキなど野生&自然がいっぱいの湿地帯が広がり、セラピー用に飼われている鹿やヤギに自由に餌やりができました。鹿やヤギがすぐそこにいる生活!凄い!

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そんな場所で、毎日1時間以上、家族で森林散歩しているという話を伺って、私たちも朝の散歩をご一緒しました。

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結構歩いて、湖を眺められる展望台で途中休憩の様子。

デンマーク人は本当にお散歩が大好きだそうで、緑地や公園を散歩・ランニングしているデンマーク人を本当にたくさん見ました。ちょっとお散歩行こうと誘われて、1時間近く歩くとかも普通だそうです。

オーフスでのワークショップ参加自体は朝8時出発〜夜22時帰宅がザラの毎日ハードスケジュールだったのですが、合間にデンマークの優しさやヒュッケな暮らしを垣間見ることができて、とっても濃い一週間でした。

優しさやヒュッケを支えるデンマークの働き方

荷物を無くした駅員のおばちゃんもそうでしたが、デンマークでは自分の働く範囲を明確に線引きしていて、過剰なサービス(量や速さ)を嫌味なく制限しているなぁと感じました。

泊めて頂いたスカナボーのお宅の旦那様はデンマークではかなりハードワーカーらしく、それでも夜7時には帰ってくるそう。お散歩の時間はかなり大切な家族と過ごす時間だそうです。

オーフスでお世話になった日本人のお宅では、同じ職種でも日本にいた時から仕事量が3分の1以下になり、日にもよるけれど15時には家に帰って家族と過ごしているという話も伺い、生活や家族との時間を犠牲にして働くことが善となりがちな日本との差を考えさせられた一週間でもありました。

こんな感じで

娘連れでデンマーク留学中に出会った話や気づきをこうやって今後もnoteする予定です。もし良かったらサポートしてもらえると大変嬉しいです!

追記(2019.11.20)

スカナボーで出会った「障害者施設と住宅エリアが一体化した素敵な場所」については、ロフトワークさんのサイトにて記事を寄稿させて頂きましたのでご覧ください。

追記(2020.6.15)

そもそものオーフス滞在の目的だった、ビジネススクール KAOSPILOT で受講したワークショップについての記事はこちらです。今更ですが追記です。


以上

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Eriko Okada / KOERI
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