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表現したければ身体を差し出せ
私が子供だった頃は白塗りのお殿様と一緒に裸の女性が映っていたし、本当に気軽に裸の女性をTVで見かけ、ぼんやりとそういう仕事があるのかな?と思っていた。それくらい女性の裸を気軽に観れたし消費されていた。
※もし読み進めて何か思い出したり気分が悪くなったら読まずにやめてね。無理はしなくて良いと思う。
あまり登場しないが私の母親はとても強く素敵な人で、あまりにもたくさんの仕事や家事を抱えていて、父親が何かしてもそれを注意したり、正したりする気力はなかったと思う。そんな父親はPLAY BOY(USA版)が好きでみなが使うトイレに付録のカレンダーを飾ってしまうくらいに女性の性を消費することに対して軽く考えていて、私の友人に『胸が大きいね』と言ってしまい(それが誉め言葉だと思っていた)、その友人は二度と家に遊びに来なくなったし、私も早急に家から出ようと思っていた。
そこから出たら解決すると思っていたが、
解決なんてしなかった。
音楽をやめてしまったのには色々な理由があったけれど一番の原因は関係者からの『一晩夜のお相手どうですか?』が本当に嫌だったからだ。
高校卒業したばかりの頃、仕事のお客様で有名なミュージシャンやレコード会社と繋がっている方にcoelacanthさんの歌を聴きたいと言われ、スタジオで披露した帰りに山奥に連れていかれた。
その方は既婚者で、社会的にも信頼されるお仕事の方だと思う。
デモテープを送って、見つけてもらうまでどれくらいの時間がかかると思う?だったら僕が力を貸せばすぐに繋げてあげるよ。貴方は賢いでしょ?
仕事のお客様だと言うことであまり疑わずに車に乗ってしまったものの、本当に嫌としか思わなかった。
1時間かけて説得されたが、私が頑なに『ここで降ろして下さい』としか言わないので、『せっかくのチャンスなのに』『頑固だねぇ』などと言われ、最寄りの場所で解放された。
怖かったし、死ななくて本当に良かった。
その後も度々声をかけられたが今思い出しても胸がザワザワする。
ライブハウスのオーナーからも『夜の相手出来る?』『もっと賢く女性であることを使った方が良いよ』とも言われた。このちょいちょい言ってくる賢くって本当になんだよ……。
ジャンルが悪いのかとも思い、活動する場所を変えたが特に変化もなく、勉強会できたアーティストからも『彼女は持ち帰れる女の子?』と主催者に聞いていて、授業料も払っているのに身体を求められる意味が全くわからなくてスルーした。
バカじゃねぇのか?
音楽を仕事にしたいし学びたいと思っていたので音楽イベント系のスタッフをしたり、コンサートのバイトをしたがそこでも聞かれた。プロアマ問わず、数えるのがバカらしくなるくらい聞かれたし、それを断ってきた。
もうめんどくさかった。成功しているなら気軽に摂取出来る感覚が本当に気持ち悪かった。
一晩相手をしてくれるなら誰でも良くてそれに選ばれることは光栄でもなんでもないだろ…。
全ての相手と事を致して暴露本を出すのもまた一つの手かも知れないがそれをするのは無理だった。
女性だけかと言えばそうでもなく、アート関係の学校に進学したくて特待生枠を受けた男友達が受験に行った時はすごく喜んでいたのに結果が出る辺りからなんだか落ち込んでいった。理由を聞いたら審査する先生の夜の相手になるなら合格ギリギリなんだけど、特待生枠にいれてあげると言う話を持ちかけられていた。今から10年以上前の話だ。
彼は進学を諦めた。今は何をしているかわからない。進学の為に性奉仕を持ち掛けてくる神経よ……その時彼は高校生だ……。
そんな話を物書きの友人やアート界隈の友人、カメラ界隈の友人に話したら大体がみな似たような経験をしていた。
うわーうわー、なんなんだよ…ミューズやらなんやらいい感じの言葉で枠を作って納めようとして都合よく利用したいだけか。
以前同じジャンルにいる男性に話してみたら『よく聞くよねー』『目つぶって済むならそれも一つの手かもよ』『それで有名になれるなら良いじゃん』と言われ、お前もプロデューサーに言われたら目つぶって我慢するのかと聞いたら彼は嫌だと言っていた。
ほら嫌じゃん!!私も嫌なんだよ!!!
普通に表現したい…ただそれだけだよ。
一方的に絡んできて、こちらを悪く言う人や、悪いようにはしないからと言い寄ってくる人……どうぞ……ご自身の為にその力を使ってください。
庵野秀明さんが、作品をどうやって作って行くか悩んでいる時に自分をどうやって殺すか話し合ってるスレッドを見つけたって話をしてて、素晴らしい作品や楽曲やパフォーマンスをする人達は目に見えないところでたくさんの人から羨望や嫉妬や妬み……渦みたいのをぶつけられてるんだなと思ったし、同時に正気を保つ為、肯定感を高める為に何を選ぶかによるよなと、食や旅や読書などではなくて、指先一つで人を選ぶことで満たしたい人もいるんだろう。
私を山奥に連れていったオッサンは知らんけど。
あとたくさんの女の子としたい!!!としか思ってない人もいるだろうし、そこは私が寄り添うことではないから知らんがなof知らんがなではある。せいぜい病気に気をつけろ……
そういう生き方がミュージシャンらしいとか、アーティストらしいと思う人もいるだろうけど、私は嫌なんだ。ただそれだけだ。破天荒だから良いとかそれがミュージシャン、アーティストの定義ではないだろう。
小学生から細々歌い、30代手前まで続けていたものに蓋を閉めて、もう二度とやらんだろうと思っていた。18歳から『ヤれるかヤれないか』を大人に問われてみてよ………イヤになるよ……
すっかり音楽に疲れて聴くのも観ることも無理でその世界からそっと離れていた。
すっかり大人になった今の私は業界的には特に魅力のない、思考は固まり、新鮮さや熱量、若さの輝きや美しさがないだろうから価値がないとなってしまう。はじめのnoteでも書いたがそれはあくまでも一方からの目線であって、『この年齢からは特に魅力ないので明日から活動やめて下さい』にはならないのだ。
見えない年齢でも出来ることを探す為にまた歌と向き合うことになるなんて思ってもみなかった。
時々その当時のことを思い出すと気持ち悪くなるが直接会うことはないし、過去の私にも『もう終わった話だよ』と伝えたい。
万が一そいつらと会った時は『Twitterに書きますね』くらいは伝えたい。
そのような摂取がまだ続いているならやめて欲しいし、未成年の相手に無理強いをする大人がいるならそれは間違っているよと伝えたい。『賢い貴方なら』と言ってくるがそれは物分かりの良い人になれと言ってるだけだから耳は貸さなくて良い。
貴方の身体は貴方のモノで何か表現をする為に誰かのお墨付きを貰うために身体を差し出さなくて良い。相手の気持ちが善意ではなく下心でそれが見えてしまっていたら話が分かる同性の大人に相談してほしい。
それは私でもいい。
文章を書いたら1日寝かし次の日過剰なところを直したりするのだが、ふと考えてみたら自分の女性という性があまり好きではなかったんだろうなと思った。良いように摂取され、『貴方が男だったら良かったのに』や自分でも男性だったらまた違う生き方だったんだろうかと考えたりもした。女性であることで歯痒く思うことが本当に多かったからだ。
母性という言葉で一くくりにされるのは今でも苦手だが、『守ってくれる感じがする』と言われるならそれは受け入れることができる。
私が私自身、女性であることに違和感を感じないので性別的にはあってるようだ。美しく凛々しくチャーミングな女性でありたいと思っていて、それは男性であったとしても同じことを望めると思う。
私の意思関係なしに性別として好き勝手に消費しようとする人々のことは忘れて、お互いの個を尊重してくれる人々を大切にしようと思う。
お互いの個を尊重し、お互いの良さを引き出したい。それは男女や年齢を超えてそうありたいと思っている。
長年私の中で渦巻いていた呪いをここに記しておく。
はぁ、すっきりした。
さぁ新しい風を心と頭にいれようかな。