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ライブレポート|UNISON SQUARE GARDEN "Charisma & Princess" @KT Zepp Yokohama
2025年2月13日、KT Zepp YokohamaにてUNISON SQUARE GARDEN。
本ツアー2本目である。1本目はこちら。
まだまだ、ソーダが足りない、ウイスキーもちっちゃい、ユニゾンが足りない!ということで行ってきた横浜公演。今回ライブハウスということで、整列の時点で半袖姿の人も少なくない。入場する前にこそっと他の人の話を盗み聞きしてたのだが、「ドリンク交換でホットドリンクとかあるかなぁ…」って聞こえた。ライブハウスでホット!?聞き間違いじゃないか自身の耳を疑ったが、そう思うくらいには寒い。そしていつもは老若男女云々…と記すが、ライブハウスだからだろうか今日は気持ち客層が若い。
超満員の会場の中、定刻に暗転し、メンバーがいつも通りふらふらとされど淡々とステージへ。一曲目はやはり謎な『サンタクロースは渋滞中』。初日の驚きが段違いだったのもあるが、もうツアーも後半戦のためか、驚いている人はそんなに多くなかった。もう観客も慣れっこだろうか。「おまたせいたしましたっ!」と続いたのは『オトノバ中間試験』。ちゃんと聴いても聴かなくてもマジで歌詞が意味がわからないし、あれを発想する田淵も大概だが、あれを淀みなく歌っているのは快気怪奇な斎藤なので呆れるまで任せたくなる。
ついに田淵が動き出した『天国と地獄』。両袖まで走ったり飛び跳ねたりして動き、ベースとかき鳴らす。途中の「prrrrrrrrrrrrrッハー!」が決まって今日も手を叩いてキャッキャと喜んでしまった。
かくしてまたストーリーは始まる
このメッセージから始まる『kaleido proud fiesta』の歌い出しは、今日がどんな素晴らしい日になるかを案じているかのようである。
ここからMCへ。
観客からの鳴り止まぬ拍手を噛み締めているかと思うと途中から煽るような顔を見せ、挙げ句の果てに「アザーーーース!」と締める斎藤。
「シングルツアーはやらなきゃいけない曲が極端に少ない、だって1曲目からサンタクロースって!先取りしすぎでしょ?」となんとここのMCでサンタクロースは遅れてやってきたのではなく、先取りだったことが判明。この時期に遅れたほうが早いのに、先取りなんてそんなことある?
「3 minutes replay」と短く曲紹介をし『3 minutes replay』に入ると観客はレア曲に戸惑いながらも聴き入れる。『kid, I like quartet』は単独で演奏されることも多いが、今回アルバム順ということで必然的なコンボが決まり気持ちいい。『kid, I like quartet』は”喜怒哀楽”と発音が一緒だが、ユニゾンはこういう言葉遊びがふんだんに含まれていて、それを探すだけで音楽を聴く意味に十分になり得る。
「ハロー!No.6!」と一気に明るくなる『アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")』。続く「ハロー」でも観客から手が上がる。「人類史上最高に必要ない最上級を」こういう漢字たっぷりの歌詞が大好きである。歌う分にはきつそうだけど。
五臓がロックして無敵モード
鼓動が六腑を打つ感覚
こちらも面白い言葉遊びが含まれている『Silent Libre Mirage』。五臓六腑を捩った歌詞なのだがロックと韻を踏んじゃうのが田淵流。なにこれ、カッコ良すぎる。
もうお馴染みになってきている『世界はファンシー』はライブを重ねるごとにBPMが上がっていっている気がする。田淵がいつもの独特な動きでステージを徘徊するのだが、あの膝を伸ばしたマイムマイムみたいな動きを地味に楽しみにしている自分がいる。前回ガーデンシアターでは広いステージを円状に回って一人マイムマイムをしてたのが本当に好きだったのだが、今回は狭かったのかそれは観られなかった。
「Ladies and gentleman, boys and girls!」からはじまる『like coffeeのおまじない』は同期の音も相まって華やかだ。サビ前の短いタンバリンの音が可愛くてお気に入りである。チャン!
ここで小休止を挟み『City Peel』へと続く。初日のレポでも書いたが、やっぱこの曲には鎮静作用があると思う。勝手な偏見でバンドマンは基本的に夜活動していると思っているのだが、この曲で突如13時という言葉が出ると同じ時間を生きているのかと不意を突かれる。一気にクールダウンした会場に「メランコリーはプリンセス」の一言から始まる『憂鬱はプリンセス』が披露されるが、ギターのリフが印象的でこれを弾きながら歌うのはなかなか化け物である。
『WINDOW開ける』はやはり何度聴いても感動する。1つの光の筋が斎藤にすーっと伸びてギターと歌のみで最初は展開し、サビで一気にバンドセットに持っていくあの演出、堪らない。
神様の思し召しなら
おしまいおしまいさよならよ
響くもの全部持って来いよ
俺はそんなに厳しくないぞ
『WINDOW開ける』から『harmonized finale』の流れが完璧だったのはセトリからも十分伝わると思うので言うまでも無い。前曲で拍手も忘れるほど観客を引き込み、後に続く『harmonized finale』で感動を引き継ぐ。
さよなら さよなら
ここからまた始まってく
ここで一旦区切り、新しく『傍若のカリスマ』から始まるかのように「Charisma & Princess」と書かれた幕が上がる。
『Simple Simple Anecdote』は「僕の言葉が死んだ時」を拝啓とし、「僕の言葉がまた生まれる」が敬具になっていて、「今日はなんとかなるぜモードでいいや」と繰り返して歌う、精神的に参っているときに聴けば効果覿面な曲であろう。続く『シャンデリア・ワルツ』も同じようなメッセージ性があると思っていて、そんな曲たちがセトリ入りしたのにも何かしらの意図があるに違いない。
『傍若のカリスマ』からのロックのリレーが非常に綺麗に繋がったのだが、ここで変則的な『放課後マリアージュ』が演奏され、一気にポップミュージックの世界に彩られる。メンバーもみんなそれぞれ全身を使ってリズムを取りながら演奏され、こういった曲調の曲ってユニゾンにはあまり無いけれどこれからどんどん作って、どんどん斎藤に歌わせてほしいと田淵に祈りを込める。
『君の瞳に恋してない』では田淵はステージ全体を動き回り、なんとあの大好きな田淵のエアマイムマイムを斎藤も揃ってやるという粋なパフォーマンスを見せ、全私が歓喜。斎藤も笑っていたが、自分も歯茎剥き出しで喜んでしまった。恥ずかしい。
ラストは『カオスが極まる』。前回は気づかなかったが、照明が四方八方に行き交っていて、バンドの轟音と相まってド派手であった。メンバーもそれぞれの楽器に夢中になって演奏している様子がなんともかっこいい。この一瞬にユニゾンらしさをギュッと詰め込んだような一曲になった。
アンコールは前回同様凄いスピードでステージに帰還するメンバー。徐に顔にタオルを巻き始める貴雄を横目に、何事もないかのようにチューニングをする斎藤と田淵。アンコールは『シュガーソングとビターステップ』で、貴雄は目隠し&片手で演奏するという、速さを極めすぎて変な方向に走ったRTA走者みたいな方法で完璧に聴かせる。
前回同様フライヤーにはファンクラブUNICITY会員限定ライブの案内があり、ついに申し込もうか、とか思ったりしながら帰路に着く。つまり今夜のライブも最高ですわ。
ロックバンドはいつだって楽しいし、ユニゾンが奏でてくれる音楽がそばにあるだけで幸せである。
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1.サンタクロースは渋滞中
2.オトノバ中間試験
3.天国と地獄
4.kaleido proud fiesta
5.3 minutes replay
6.kid, I like quartet
7.アトラクションがはじまる(they call it "NO.6")
8.Silent Libre Mirage
9.世界はファンシー
10.like coffeeのおまじない
11.City peel
12.憂鬱はプリンセス
13.WINDOW開ける
14.harmonized finale
15.傍若のカリスマ
16.Simple Simple Anecdote
17.シャンデリア・ワルツ
18.放課後マリアージュ
19.君の瞳に恋してない
20.カオスが極まる
En.シュガーソングとビターステップ