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統計データで見る、麻雀のトレンド変化 【重要スタッツ編】
こんにちは、天鳳位の小江戸緑です。
今回は、麻雀における各種統計のトレンド変化を調べました。
前編に当たる今回は、副露率やリーチ率、和了率といった麻雀における重要指標のトレンド変化を示したいと思います。
全文無料です。
データについて
データには、鳳凰卓開設の2009年から2023年までの、4人打ち鳳凰卓東南戦(いわゆる四鳳南喰赤)の全牌譜ログを参照しました。
牌譜の取得方法については、ほしきゅーさんの記事を参考にさせていただきました。牌譜の解析方法については、主に小林さんの記事を参照させていただきました。
実際に解析に使用したコードは私のGithubに公開しています。
各種統計のトレンド変化(重要スタッツ編)
ゲーム数
まず、対象とした4人打ち鳳凰卓東南戦の1年間のゲーム数のトレンド変化を調べました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732517511-3i8wkcBINfVHuRPdpX7lKJ16.png?width=1200)
鳳凰卓開設の2009年から右肩上がりで増加し、2020年にピークを迎えました。雀魂の台頭もあり、そこからゲーム数は低下しましたが、それも落ち着き、2022年と2023年は同程度の賑わいでした。
個人的には、天鳳はユーザー数が減少しているイメージでしたが、それほどでもなかったですね。現在の水準は2020年のピークに比べれば減少していますが、それでも2019年の水準に戻っただけでした。
天鳳もまだまだ賑わっていると言っていいでしょう。
以下では、鳳凰卓の開設年である2009年は全体の試合数が少ないため、解析の対象から外し、2010年から2023年の各種トレンド変化を調べました。
副露率
副露率のトレンド変化は以下になりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732518011-TgUaeXdYqVN5oizD4hPCW8FL.png?width=1200)
2013年を境として、副露率は低下傾向にあることが分かりました。
2020年以降は低水準で安定していますね。
(相対的に)門前の時代が到来しているということになります。
リーチ率
リーチ率のトレンド変化は以下になりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732518271-uvOEnNrzWyLoKsGwZTqJkCbX.png?width=1200)
2013年あたりを境として、リーチ率は上昇傾向にあることが分かりました。
また同様に、2020年以降は高水準で安定しています。
先の結果と合わせると、門前・リーチの時代が到来しているということになりますね。
和了打点
和了時の平均打点のトレンド変化は以下になりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732518454-gVqBd9fKlvTQ53PeMZO2pi0S.png?width=1200)
副露率の低下・リーチ率の上昇から予想されるように、近年は高打点傾向があることが分かります。
もっとも平均打点が小さかった2013年と比べると、現在は平均して300点程度高いことになります。これは結構な差ですね。
こうしたトレンド変化は、これまでにいろいろな戦術書などで打点の重要性が語られてきたことが影響しているのかもしれません。
和了率
和了率のトレンド変化は以下になりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732518696-E2AjSNXc3g1G9eZqowd4VhHL.png?width=1200)
和了率は、副露率やリーチ率と比較すると、一貫した傾向が見出しづらいですね。
とはいえ、注目すべき点があります。
まず、門前高打点時代がピークを迎えた2020年以降、和了率が低水準で安定していたという事実です。
一方で、2023年は和了率に明確な上昇が見られます。2023年は、2020年〜2022年と比較して、副露率やリーチ率に大きな変化はありません。
では、和了率の上昇はなぜ起こっているのでしょうか? これを考察するため、放銃率のトレンド変化に見てみましょう。
放銃率
放銃率のトレンド変化は以下になりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1732519098-EZ8LkYla7SJRcCN0evzVxmBp.png?width=1200)
基本的に、和了率と放銃率には正の相関があるため、グラフの形状は和了率とよく似ています。
和了率と同様に、放銃率も2023年は上昇していました。
和了率と合わせて解釈すれば、2023年には、アガリも多いが放銃も多い、攻撃的なプレイヤーが増加したということが読み取れます。
副露率・リーチ率・平均打点のトレンド(門前・リーチ・高打点)は直近でほとんど変化がないのに、それとは別に、攻撃的な選択をするプレイヤーが増えたというのは興味深いですね。
なんか俺の印象でしかねえんだけど鳳南全体で押し引きの基準がだいぶ押し寄りになったりした??なんか今まであんま見たことないレベルのプッシュ頻繁に見るんだけど
— らいあんじゃないです(ユキトでもないです) (@pakomimi_19) March 18, 2024
最近の鳳凰卓マジで押しが強い
— 覚醒したとまと@天鳳 (@tomatojinro) November 14, 2024
前まではかなりみんなベタオリしてくれてたのに今はギリギリまで攻めてくる人増えたからめちゃくちゃキツイ、レベル高くなってる
上記のツイートのように、「最近の鳳凰卓の押しが強い」というポストを見かけることがありますが、少なくとも2023年に関しては実際にそうだった可能性が高いということになります。
なおこれらのツイートは2024年のものですし、2024年のプレイヤーの傾向がどのように変化していたのかはまだ分かりません。来年データ分析できるのが楽しみです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の検証により、近年の鳳凰卓では、門前・リーチ型の高打点傾向があることが分かりました。
さらに、直近の2023年では、これらの傾向は一貫しているものの、和了率と放銃率が増加していました。
これは2023年は攻撃的な選択をするプレイヤーが増加したことを示します。もしかすると、2024年以降もこの傾向は続くかもしれません。
前編に当たる本記事は以上です。
次回の後編では、鳳凰卓の段位およびレートのトレンド変化を紹介します。
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今後ともよろしくお願いいたします。