映画の種
「あぁ〜良かったなぁ」
声が漏れた。映画を観たのだ。
エンドロールを見ると、
時々湧き上がる想いがある。
私の名前がこの中に載ることはないのだなぁと。
そう、私は映画の仕事がしたかったのだ。
とはいえ、早々に諦めた。
そこに、大きな後悔はない。
チャレンジするでもなく手放したのだった。
一人でも映画館に行き始めたのは高校生の頃。
バイト代は洋服と映画に。
今で言うショップ店員だったので、
ついつい洋服に費やしてたし、
なんとか月に一度は映画館へ。
(当時は二本立てだったし、入れ替えなかったから、立て続けに3本観たりもした。お金はないけど時間はある高校生)
新聞の映画欄の写真を切り抜いてノートに貼って、監督の名前や制作年、あらすじに感想も書いたり。
観たい映画リストを作ったり。
録画も出来なかったからお正月頃は深夜の映画を連日観たり。
日本映画専門学校へ行こうと思って資料取り寄せたり。
でもまぁ、
田舎の高校生だった私は、
映画にまつわる仕事がよくわからず、
すぐに無理やんなと諦めたのよね。
知識もなかったし、今のように情報も取れず、
それを相談出来る人もいなかった。
それからもずっと映画は好きだ。
心屋を知ってからは、
それまであった罪悪感を少しずつ減らして、
【映画は映画館でなるだけたくさん観よう】をしている。
コドモタチもそれを実践している。
前置きが長くなったけど、
今日ふと、
私はこのエンドロールに載るチャレンジもしなかったけれど、
上のコは映画にまつわるサイトでライターをしていていい文章を書いているし(報酬も出る)
下のコは
元々文字を読むのは苦手な特性持ちだけど(LD)
不登校時代から本を読む人になり、
演劇部で脚本を書き、
不登校児が演劇で自分を出すことを支援するサークルを立ち上げたりもした。(コロナで活動出来ないままだけど)
今も、芸大の文芸学科で「小説」の課題を頻繁にこなしている。
今日の課題もなかなか凄かった。
よくそんなこと着想するね、なものを。
二人と映画を観たあとに、
あーだこーだと感想や推察や、
演技についてやとにかくいろんなことを述べ合ったりするのがとても楽しい。
私は映画の仕事にチャレンジしなかったし、
あそこに名前は載ることはないけれど、
映画に携わっていないとは言えないんちゃうか。
観客として、そして、
もしかしたら、
将来映画に携わる仕事につく人を育てたのかもしれないしね。
「そんなこと思って、
『あぁ、良かったなぁ〜』って思った訳よ」と
今日、映画館から帰る車内で、
満月見ながらムスメに言ったら
「え〜まだわからんやん?
着物スタイリストとして載るかもやん?」って。
考えたこともなかったけど、
そうだねぇ、『なれない私』
という執着を捨ててもいいかもね(笑)
なんせ今日は満月で、
半影月食とからしいやんね。
風の時代に変わるらしいしね、
軽〜くね。