イントラリポスの投与速度について
イントラリポス輸液20%の添付文書には250mLを3時間かけて投与とあります。ということは100mLバックは72分以上で投与となります。
本体にもそのような文言が書いてありますので、「1時間かけて」などの投与コメントが付いてたら疑義紹介になります。では何分が適切なんでしょう?
投与された脂肪製剤の体内での効率を考えると、脂肪として 0.1g/kg/h 以下の投与速度が静脈経腸栄養ガイドラインで推奨されています。
多くの施設で採用のイントラリポス輸液20%の場合、添付文書の速度を最大としてできるだけゆっくり投与するのが良いようです。
具体的には
くらいの速度がガイドラインに則った推奨速度となります。細菌汚染の可能性も考えると遅すぎるのも問題ですので、適切に。
基本的に添付文書に従うことが重要ではありますが、添付文書は更新に時間がかかるため最新のガイドラインとズレることが往々にしてあります。
いくつかの抗菌薬などの場合、最新のテキストに書かれた使用量は添付文書より多いです。
この場合も患者さんのことを考えて適切な投与量を決めたいところですが、添付文書を逸脱した使い方となる場合、レセプト請求や医薬品副作用被害救済制度などで不利益となることがあります。
よく検討した上でカルテにコメントがあるか、院内の倫理委員会などで適応外使用のガイドラインがあれば良いかと思います。