透析患者のタミフル予防投与について
コロナ禍以降、感染対策向上加算などの加算も変更があって院内マニュアルを加筆修正していますと次の疑問に当たりました。透析患者のタミフル(オセルタミビル)予防投与についてです。
治療については75mg1capを単回投与とするのが意見の一致をみそうですが、予防投与はどうなのでしょう?
日本透析医学会の「透析施設における標準的な透析操作と感染予防に 関するガイドライン
(六訂版)」では予防投与を推奨しており、その用法は
となります
薬局でよく参照される日本腎機能学会の「腎機能別薬剤投与量POCKETBOOK第4版」では以下のように書かれています。
あれ、少し表現がずれています…
よくみてみると、後者の文言の前段には
となっており日本透析医学会の資料を引いていることがわかります。
これに関しては、日本透析医学会を参照していくのが良いかと思われます。
ちなみに、その他の予防投与についても引用しておきます。
タミフル(オセルタミビル):1カプセル1回服用とし、5日後、もう1回1カプセル内服
リレンザ(ザナミビル):1日1回10mg (5mg/ブリスターを2ブリスター)吸入を7~10日間行う
イナビル(ラニナミビル):40mg(2キット)の単回吸入投与、あるいは20mg(1キット)の1日1回、2日間の吸入投与を行う
(日本透析医学会 透析施設における標準的な透析操作と感染予防に 関するガイドライン
(六訂版))
予防投与は保険適応ではありませんので、実施は自己負担になります。間隔をあけて2回投与できれば投与間隔はそこまで厳密でなくて良いと思われます。また、現状ベースとしてのワクチンの接種がインフルエンザ感染予防に有効とされてます。
補足
透析におけるオセルタミビルの透析性ですが、中外製薬のサイトに詳細が載っています
血中濃度の推移から透析によって除去されていくようですが、その有効血中濃度は単回投与後5日間にわたって維持されることが確認されています。