高達(こうだて)の自己紹介です
どうもこんにちは。
プロデューサー、並びにAIPE認定 シニア知的財産アナリスト(コンテンツ)の高達俊之(こうだて としゆき)です。
以前、知的財産管理技能士会の広報委員会による『技能士社長!発見』プロジェクトにおいて、インタビューを受けました。
自分のキャリアを振り返る良い機会でしたので、改めてnoteの方で自己紹介をさせて頂きます。
基本プロフィール
アニメ製作会社入社以前
昔のことを振り返ると、胃が痛くなります。何しろ、自分でも「使えない」やつだったと思うので。
学生時代に、今はなき高田馬場のレコファン(レコード店)でバイトをしておりました。お茶の時間になる前に、店で働いている人のために、コンビニでドリンクを買ってくるのが日課でした。
けれど結構な頻度で、間違ったドリンクを買ってきてしまいました。
レジ打ち含め、CDやレコードの販売などはそつなくこなしていたと思います。
けれど、あまり関心のないお茶の買い出しについては、何度気をつけても、ミスってしまうのです。
さすがに今はそんなことはないですが、あのスコーン!と能力が突如欠如してしまう感覚は、自分でも不思議でした😅
レコファンのバイトは楽しかったですが、学生時代はいつか必ず終わりが来ます。
学校卒業とともに、印刷関連の会社に就職しました。
当時は、DTP(Desktop publishing)の黎明期で、楽しかったですね。
編集ソフトもアルダスのページメーカーが、クォークのQuarkXPressよりも先行していた時代でした。今と隔世の感があります。アドビがアルダスを買収、その後InDesignを展開しQuarkXPressのシェアを奪うなんて、当時は夢にも考えなかったです。
また仕事であるオペレーターの業務を通して、フォトショやイラレの技術も憶えたのは僥倖でした。
パソコンでデザインする技術は、会社に縛られない持ち運びのできるスキルなので。
ただ、仕事に慣れると段々と飽きてくるのですよね。
平凡な日々が続くばかり……という感じでしたので、思い切って会社を辞めてしまいました。
すると、辞める同タイミングでアニメ製作会社のトムス・エンタテイメントが求人を出していました……!
アニメ製作会社入社
トムス・エンタテイメントといっても、当時はほとんど社内でその社名は言ってなかったです。
旧社名である「東京ムービー」と言っていて、会社に入ったときすごい違和感があったことを憶えています。
ちなみに東京ムービーは経営的にも色々あって、トムス・エンタテイメントとなったのです。
僕が入社したときは、ちょうど商号を変更したときだったのです。
「東京ムービー」の呼称は、セガの岡村さんがトムスの社長になるまで、ずっと使われて続けておりました。
さて、トムスに入社したときのポジションは制作部の中の「文芸」職でした。
企画書を作ったり、シナリオのディレクションを行ったりするような職種です。
ところが、僕が入社して一番最初の担当作品『真・女神転生デビチル デビルチルドレン』では、自分の本来の職務を遥かに超えた仕事を行うことになります。
「デビチル」の実制作は、後年『ガールズ&パンツァー』などで著名となったアクタスさんが担当されています。
トムスの制作側の人間は、上司であるプロデューサーと僕の2人しかいないのです。
という訳で、右も左も分からない中、いきなりアシスタントプロデューサー的なことも担いました。
ポスプロに立ち会ったり、製作委員会に出席したり、宣伝プランを考えたり……未経験の人間が入社してすぐ担当するような質・量の仕事じゃなかったと、今になっては思います。
しかし当時は未経験であるがゆえに、それが「当たり前」だと思いこんでました。
おそらくこの最初に「何でもやった」経験が、その後ずっと影響しているのでしょう。
「何でもやった」≒「何でもできる」という訳ではもちろんありません。しかしながら、自分の業務は「ここまで」とすると、特にコンテンツの世界では無責任になるケースが多々あります。営業の持ってきた企画を、制作部が「こんなの売れるわけない……」と愚痴を言いながら作る作品もあったりします。
そこに熱量はありません。熱量がない作品は必ず受け手であるファンに伝わります。
ですので、ときには組織や業務の「壁」を超えて仕事を行う必要があります。
今になって思うと、最初に「何でもやった」経験は、何物にも代えがたいものでしたね。
その後、以下作品の文芸なども担当しました。
『京極夏彦 巷説百物語』
『BUZZER BEATER』
『モンキー・パンチ漫画活動大写真』
『ルパン三世 アルカトラズコネクション』
『ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト』
京極夏彦先生と井上雄彦先生、モンキー・パンチ先生の原作アニメに関わらせて頂いたのは、これまた大きな糧となりました。
皆さん大御所ではありますが、おおらかさもあり、原作者かくあるべし!だとも思いましたね。
その後、営業部に異動となりました。配属先は、ネットを使ってビジネスをする新規系の部署です。
ここでまたエラい苦労をしました。まず、周りが何を話しているのかよく分からない🤣
最先端のインターネットビジネスや、会計、知的財産などの知識を急いで習得する必要が出てきました。異動した当初は、家に帰るのがもったいなくて、会社近くのカプセルホテルに泊まったもしました。我ながらかなり根詰めてやっていた思います。
仕事としては、大なり小なり色々やってました。
・自社運営の携帯公式動画サイト「アニ見ル」
・モバゲーSNSゲーム「ルパン三世~もう一人の共犯者~」
・携帯公式サイト「ルパンTHE COMIC」
・スマートフォンアプリ「ルパンTHE COMIC」
・携帯、スマートフォンコミック『庖丁☆男子!!』(トムス原作の初オリジナル・フルカラーコミック)
・オリジナル動画プラザ「あんちょび」
・スマートフォンアプリ「声優+plus」(トムス初の声優コンテンツ)
他にもあったような気がしますが、履歴書じゃないので、まあいいでしょう😆
また、制作部と営業部の経験を経て、ようやくアニメやコンテンツのクリエイティブとビジネスの両輪ができるようになりましたが、その後また異動になります。
企画プロデュース室がメインで、会社を辞める最後の年は、ライセンス部で業務を行いました。
こういった業務も……
『エースをねらえ!』のデジタルリマスター→ブルーレイ化も貴重な経験でしたね。
庵野秀明監督からも、特別にコメントを頂きました!
そして独立へ……
トムスでの業務も、振り返るとかれこれ16年にもなります。仕事自体、さすがに新鮮味もなくなり、「以前これやったよな」というデジャヴュさえも感じるようになりました。
そこで、会社の外に出ていこうと思い立ったのです。
転職か独立かについては、このときはあまり深く考えてませんでした。
とはいえ、自分のスキル・経験が外で通用するか全く分かりません。
そこで資格を2つ取ることにしました。
コンテンツビジネスは無形資産である知的財産権を扱う仕事です。知財について箸にも棒にも掛からないようであれば、自分の実力がそこまでだったと客観的にも評価できるはずです。
結果としては、「AIPE認定 知的財産アナリスト(コンテンツ)」と「二級知的財産管理技能士(管理業務) 」の2つを無事に取得することができました。
(追記:知的財産アナリストについては、独立後、シニア知的財産アナリスト(コンテンツ)の資格も取得)
また練馬の起業塾に通ったり、中野区が主催するビジネスコンテストにエントリーしたりもしました。
ともに、プレゼンのファイナルまで進むことができましたので、自分のスキルや経験が全くダメということはなさそうです。
ただ、ビジコンについては、アニメやコンテンツ系だとどうしても賞を取りにくいのですよね。
広く顧客の「ペイン」を解消するようなビジネスではないので、どうしても一般的な説得力に欠けます。
例えば、駅前の所有者不明の放置自転車がある→放置自転車を活用したレンタルサイクルのビジネスを始める……といった感じのものであれば、評価はされやすいのですが。
しかしまあ、会社の「枠」を外れた新規ビジネスの企画は刺激的で楽しかったですね。自分の中で考えたというより、行動した結果として、転職ではなく起業の選択をしたのは必然だったのかもしれません。
人生は一度きり。
独立してから会社員に舞い戻った友人はいます。
しかし、餓死してしまった友人は誰もいません。
わりとフランクな感じで、起業の第一歩を踏み出しました。
現在の業務
2017年4月にコウダテ株式会社設立し、現在に至ります。
業務としては以下がメインです。
シナリオのオンラインサロン「シナリオランド」
作画をしないアニメスタジオ「No Pictures」
アニメビジネスのコンサルティング
あとは、コンテンツビジネスのポッドキャストなども展開したりしています。
他にも、色々業務を行っておりますが、浮かんだら消え、消えたら浮かぶような仕事もあり、毎日が刺激的です!
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