本を買う、コーヒーを飲む、語る
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本を買ってきた。
これともう一冊、伊坂幸太郎のオーデュボンの祈りを買って、それは恋人にあげた。きっと好きになると思ったから。
八日目の蝉はなかそねさんにおすすめされたから買ってみた。映画は見たことがあるけど、読んだことがなかった。楽しみだ。
宮沢賢治は個人的に好きだから。この間恋人が私に手紙をくれたけれど、その便箋がよだかの星だったからでもある。
もう一冊は性と宗教。タイトルをして購入がはばかられたけど、読んでみたかった。
コダックは言葉を大切にする人なんだね、と言われた。
そうだね、言葉は、いちばん簡単に多く送ることができるけど難しい贈り物だと思う。
他人の家みたいな喫茶店で、親戚のおばさんみたいなお母さんがホットサンドを作ってくれた。
お昼を少し過ぎ、閉店間際に行ってしまって、今日は卵がないのよ、とお店のお母さんが申し訳なさそうにした。それを聞いて彼は「じゃあ僕が買ってきましょうか?!」と言う。そういうところが好きだ。
カフェラテを頼んだけれどブラックのコーヒーがでてきて、私が言うより先に「ミルクとお砂糖をもらえますか?」と聞いてくれる(私は自分がカフェラテを頼んだことを忘れていた)、そういう気遣いはずっと変わらない。
作ってくれたホットサンドを食べてそれを大きな口で食べた彼が「本当に美味しいです!ぜひたまご入りも食べてみたいな〜」と言う。2人で美味しいねと言いあって食べるとより美味しく感じた。
お店のお母さんが彼に「あなたは周りを幸せにする人ね」と言った。彼は気まずそうに「今まさにそれが論点なんです」と萎縮した。
周りを幸せにする人だ、と言われる彼を見て私の方が嬉しくなってしまった。
彼が私のことをまっすぐに見つめる。私が昨日送ったLINEが、嬉しくて泣いたと言われた。
もしも私の彼への気持ちが「テッテレ〜 ドッキリでした」となれば、俺は悔いなく死ねる、と言われた。私も自分の心を強く震わされる言葉を贈ってもらいたいと憧れた。
私がバカだったんだと思う。
いや、今でもバカなんだろう。
私も脇目を振らずに愛されてみたかった。これは何度諦めても諦めきれないので私の根本的な欲求らしいけれど、同時にただの憧れで、
イケメン高身長高学歴高収入かれぴっぴと付き合いたいみたいな願望だ。
感情というのはどこで生まれてどこに消えるんだろう。彼のこと好きだし、もう怒ってもいない。ただ虚無感だけは感じる。
誰かに助けてほしいと感じることはたくさんある。私のつらい気持ちの半分を持っていってほしい。もうドラッグでも利用するしかないのかもしれない。
なんで泣いてるのかわからない日は、年を追うごとに増える一方だ。