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shinsukesugie
アウトオブコントロール
恋人と会うべきか、直前まで悩んだ。今日の私は調子が良くないのは明白だった。
自分のコントロールを失う日が必ず訪れ、それは女性ならば仕方ないことのように思う。ガノンのようなものだ。
私は薬やら何やらでこれに善処したいと思いながらもなかなかこれといったものが得られるものでもない。私にマスターソードは共鳴しないらしい。もちろんトライフォースも。
自分のコントロールを失うせいで好きな人に気を揉ませることは、とても気苦しい。そんな気遣いをさせることになるのがわかっていたのなら、遭遇を避けるべきだった。明るく振る舞える自信もなかったのだから。せめて感情的にならないことを私は自分と約束して、人形のような顔を顔面に貼り付けて会うことになってしまった。
恋人は私のように不機嫌な日はない。なんで私ばかりこんなに情けないのだろう。甘えだろう。
こんな日は、いつも気にならないことが気になり、いつもはしない被害妄想に暮れる。
いつも気にならないことなのだから、気にしなければいいのだ。そう言って自分を律するが、くよくよとぼとぼしていて話はなかなか通じない。
こんな私は言葉さえ喉を詰まる。好きな人から提示される話題に思った通りに口が動かない。ようやく出てきたのが、唸り声のような相槌でしかな。その相槌は届いているのだろうか?まるで無視をしているみたいだけど、ガラス玉のように何も写さない目玉で背景を見るくらいしかできることがないらしい。
本当は欲しいがたくさんあるのだろう。〇〇がほしいとは言えない。今度の連休県外へ行く彼に寂しいと伝えてしまったことを後悔している。