【セラピストの置かれている状況整理② -歯科医師との比較・地域軸キャリア思考-】
どうも、リハコンの細川です。
前回に引き続いて、今回も現在の状況整理をしていきたいと思います。
まだ前回記事を見てない方は是非どうぞ。
◆供給が需要を上回る歯科医師を例に考えてみる
それでは、このような状況下で業界として個人としてどのようにしていくべきなのか?
前回添付した過剰供給記事の“主役”となっている「歯科医師」を例に考えてみます。
「歯科医師」もかつては安定した職業だといわれていましたが、需要に対して供給が過剰になっていると問題視されており、これまでにも厚生労働省が何度も議論を重ねてきた職種です。
2017年に実施された「第9回歯科医師の資質向上等に関する検討会の資料」では、その論点が整理されています。
ここでは、新規参入する歯科医師の数が10%削減されれば、2030年には需要と供給の均衡が保てると予想しており、2015年の段階で入学定員は9.4%減少しました。
実際の合格率や留年者の割合によっても需給は影響を受けますが、少なくとも先を見据えて定員削減などの対応を講じていることは事実です。
◆理学療法士・作業療法士も需給バランスを大切に
歯科医師のような例もあるため、理学療法士や作業療法士も「安定した職業だから」と安心することはできません。
たとえば、少子高齢化といわれる時代においては、リハビリテーションを必要とする高齢者の割合が多くなるため、それに対応してニーズも高まることは容易に予想できます。
しかし、現在の子どもたちが成長して高齢になっていく頃には、逆に高齢者の数が減少するため、将来的にリハビリテーションのニーズが少なくなる可能性もあります。
このように、歯科医師と同様に理学療法士や作業療法士も人口動態の影響を受けやすい職業といえます。
もちろん今すぐに仕事がなくなる危険性があるわけではありませんが、「いつまでも安泰」という保証はなく、長期的な目で需給バランスの状況を考えていくことは大切になるでしょう。
◆理学療法士・作業療法士の数は、地域によってもばらつきがある
実際、医師についても長年「医師不足」が叫ばれていますが、実際には「地域偏在」という側面もあります。
理学療法士・作業療法士についても、都道府県によって人口あたりの人員数には差があるといわれています。
『理学療法士・作業療法士需給分科会の資料』のなかで報告されている人口10万人あたりの就労者の割合を確認してみます。
人口10万人あたりの就労者こちらは就労者の絶対数ではなく「人口10万人あたりの療法士数」に基づいた分類であることには留意する必要がありますが、都道府県によって差があることがわかります。
人口あたりの数でいくと東京都・神奈川県・大阪府など比較的人口が多い大都市圏で就労者の割合が少なくなっていることが特徴的です。
需要と供給は単純に全体の平均で表すだけでなく、人口あたりの就労者数など、バランスを考慮して考えていくことも必要になるといえます。
つまり、“どこで働くか(地域)”の軸で考えるだけでも、まだまだ供給が足りていない可能性がある地域は多くあります。
こうしたデータやマーケットを鑑みてキャリアデザイン戦略を組み立てるのも必要な要素になります。
就職・転職を考えている人は“相対評価”を意識し、自分がどこで働けば希少性が高く、存在感がある仕事ができるのかを考えるのも一つでしょう。
参考にしてください!
では!
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