ハロウィンを全く想像できなかったあの日
ハロウィンを知ったのは、高校1年生の時。英語のリーダーの教科書にハロウィンの話が載っていた。
モノクロの教科書。
ハロウィンの由来や、どんなことをするのか数ページに渡って英語で書いてあった。
行ったことのない国の、経験したことのないイベントが、
外国語で書いてあるのだからさっぱりわからない。
写真やイラストがあればまだいいが、唯一あったイラストは、ページの片隅にあった箒に乗った魔女のシルエットだけ。
教科書を訳しながら、英語の先生が説明してくれた。
覚えているのは先生の説明のほうで、教科書の記憶は皆無(笑)。
一番覚えていたのは、ジャックオーランタンの話だ。
魔除けにかぼちゃをくり抜いた「ジャックオーランタン」という「ランタン」を作る、という。
しかしその「かぼちゃ」は日本のかぼちゃとは違うらしい。
「オレンジ色でもっと大きい。食べるようなかぼちゃじゃない。」
なんだそれは?食べれないかぼちゃだと?
私が知ってるかぼちゃは緑色で中身が黄色くて、煮ると美味しいかぼちゃだ。説明されても全くイメージがわかない。
ついでにいえば、当時はインターネットなんてものは...ない!
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それから子供が成人するくらいの長い年月が経って、ロンドンの花屋で巨大なパンプキンたちに出くわした。
✨✨これだぁあああ〜!✨✨
即買い。
買ったはいいものの、作り方などわからない。
この頃はさすがにインターネットはあったが、
「かぼちゃのくり抜き方」なんぞは、なかなか載っていないのだ。
というわけで、自力でやる。
手元にあるのは包丁、スプーン、食事用のナイフぐらい。
凝ったデザインは無理。(もともとそんな器用じゃないし)
というわけで、目と口しかない超シンプルなデザインに。
もともとのパンプキン。
とりあえずおもてに、顔を描き
頭の部分をあけて、中身のワタをスプーンで掻き出し...
顔の部分を、包丁と食事用のナイフでくりぬく。
最後に、ティーキャンドルを入れて完成。
所要時間は、たぶん30分ぐらい。
口の「歯」の部分が、ちょっと難しかったです。
かぼちゃをくり抜きながら、高校生の時の英語の授業がずっと頭の片隅に。
先生の言っていたように、日本のかぼちゃとは本当に大違い。
全体的になんとも水っぽい。
外から見た「大きさと重さ」がスイカのようだったけど
「わた」もスイカのようにシャバシャバ。
これはたしかに食べられるものではない....
(このパンプキン自体がハロウィンの観賞用なのかもしれないけど)
まったく、数十年ぶりの答え合わせ(笑)。
あの頃、自分が大人になって外国に行くなんてことも、ジャックオーランタンを作る、なんてことも全く想像してなかった。
ジャックオーランタンを作りながら、なんだかとても遠いところにきたような気がしていた。人生は、予想外のことだらけだ。
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そして、またそれから時を経て、東京でハロウィンの日を迎えている。
こんなにハロウィンが「あたりまえ」になるなんて、
やっぱり高校生の時には全く想像できなかった。
♥️ワンコ用にジャックオーランタンの柄のリボンやお洋服があるんだよ。
(見出し画像の写真見てね↑)
♥️コンビニにハロウィン仕様のスィーツがあるんだよ。
♥️渋谷で若者が馬鹿騒ぎして、ニュースになっちゃうくらいなんだよ。
ハロウィン仕様のうちのコ
そんなこと言ったら、
高校生の私は「んなわけないよ」と一笑にふすだろう。
でも私は当時の私にいいたいなあ。
自分の想像力は、限りなくちっぽけだってことは覚えておいていい。
世界は予想外に面白いところで、
あなたは予想外のことをたくさん経験するよ。
と。
本当に、私は自分自身を、世界をなんと低く見積もっていたことだろう。
損した(笑)。
ハロウィンが来るたびに、
ハロウィンを全く想像できなかったあの日、
あの魔女のイラストが脳裏をよぎる。
無機質なモノクロの外国語の文字が、日常になるまで。
なんだか、とっても長い夢を見せてもらっている気になるのだ。
---
【補足】
このパンプキン🎃に出会ったのはロンドン🇬🇧ですが、ハロウィンはアメリカ🇺🇸のお祭りです。花屋のあったエリアはアメリカ人が多くいたらしい。アメリカ仕様の花屋(笑)。
P.S. ついでにいえば「ハロウィン」の曲といえば、私にとってはこれ。
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