「いいわけ」という小さなウソを終わりにしたいのなら
その昔、有名芸能人が結婚すると記者会見がテレビに流れていたりした時代があった。
そのたびに私は「◯◯さん(相手の人)のどんなところが魅力ですか?」「結婚の決め手は何ですか?」といったレポーターのお決まり質問に、芸能人の方々がそれらしい理由を語っていたのに感心していた。私だったら「うーん...なんとなく」としか答えられない。
ま、もしかしたら想定質問に準備してたのかもしれないけど(^^;)。
とっさの質問に理由がスラスラ答えられなず「なんとなく」としか答えられないことって、人生それなりにあるよね。仕事に、プライベートに。
■言葉にできないのなら、それを伝える。
「なんとなく」以外に理由がとっさにでてこない時のリアクションは、たいていこの2つ。
「理由をその場で思い出そうとする」か「だんまりになる」のどっちか。
理由が「なんとなく」のとき、本当の理由は潜在意識の深いところにある。理由が「ない」わけじゃなくて、「でてくるのに時間がかかる」だけ。
大事なので2度いうけど、理由は「深いところにある」のだ。ただ言葉として表面上で言えるのが「なんとなく」なだけ。
だから、潜在意識のなかから理由の「金魚掬い」を慌ててやるのはあきらめて、正直にその「現状」を伝えるのも1つの手かなあと思う。
「理由は今、まだうまく言葉にできていません」
とね。
理由を伝えないことが失礼にあたる場合は「ごめんなさい」と冒頭につけくわえる。
「うまく言葉にできていない」のが、ごまかしているわけではないのだったら、それも「いまのありのままの自分」として伝えよう。
「ちゃんとまとまったら、後ほどお伝えします」と付け加えれば、相手に対し誠実さも伝わる。
必要であれば「いつまでに」と刻限をきっておこう。
身近な人や信頼関係を築きたい相手であれば、なおのこと「理由を言葉にして説明できない」ことを率直に伝えるといい。
それが、あなたから、相手へのメッセージになる。
「うまく言葉にできていない」ことを率直に伝えることをオススメするのには、もちろん理由がある。
それは自分を「いいわけ」という小さなウソで縛らないようにするため。
■「いいわけ」という小さなウソが生まれるわけ
「理由はねえ...」と一生懸命に捻り出そうとしたって、潜在意識にある「理由」たちの浮上スピードが加速するというわけではない。
「理由言わなきゃ!」と多少なりともプレッシャーを感じている時はなおのこと。
プレッシャーは、心の中に「非常事態」を作り出してしまう。
頭の中に、サイレンが鳴っているようなもの。
サバイバルをかけて、とにかくその場を切り抜けることを最優先する。
このとき、心の中でその場のゴールが「理由を思い出すこと」から「非常事態から逃れること」、つまり「この場のプレッシャーから解放されること」に変わってしまう。
そうすると、プレッシャーから解放されるために全然理由じゃないことを喋って終わってしまう、ってことがおきる。焦りからの空回り ってやつですね。
全く違うことを答えちゃったり、嘘ではないけど「本当のこと」ではない上っ面のことだけを「テキトーな理由」にしちゃったり。
こういう「その場しのぎの答え」を言っちゃった後は、な〜んとなくスッキリしないことが多い。そのうち「ホントではないテキトーな理由」の上塗りになって、人間関係を続けることがしんどくなる...なんてこともあったりで。
ちなみに、もう1つのリアクション「理由が言えないまま、だんまり」はプレッシャーで動けなくなった場合です。いわゆるフリーズですね。
■相手が欲しいのは「理由」よりも「真摯」であること
実は自分が思っているほど相手はあなたから「かっこいい答え」「もっともらしい理由」そのものを求めているわけではなかったりする。
答えることに夢中になっていると、気が付かないけど(笑)。
だから、相手の投げかけに対するあなたの姿勢が真摯であれば、それでいい。あなたの責任はそれで十分果たしているから大丈夫。
相手は「答えそのもの」がなくても、その「真摯さ」をちゃんと受け取ってくれるし、「真摯さ」を示してくれたあなたを信頼してくれるだろう。
だからこそ、身近な人や信頼関係を築きたい相手に対しては
「今は、まだことばにならない」こと
「ことばにまとまったら、ちゃんと伝えるつもり」
というありのままの自分の状態と意思を率直に表現しよう。
それは、あなたへの信頼を高めることにつながるだろうし、巡り巡って、豊かな人間関係を、そしてあなた自身を豊かにしてくれる。
焦りから生まれる「ホントではない」自分の言葉に縛られるのはやめにしよう。いやいや、これ昔の自分に聞かせたい、ほんと。
【今日のひとこと】
今は、まだ言葉にまとまっていないんです。
でも、のちほど、ちゃんとお伝えします。
ー このひとことが、あなたを等身大にしてくれるよ。
今日も読んでくださってありがとうございます。
自分にやさしくお過ごしください。。