見出し画像

不妊治療<初級編> 検査周期って何するの?


妊活でなかなか結果が出ない日々。

いざクリニックを受診する覚悟を決めても、「どんなことをするのかな?痛いこともあるのかな?」と不安が次々と湧いてきます。

今回は、妊活で通院を始める男女がまず通る道「検査」についてご紹介します。




1. クリニック受診前に始めておこう!

■基礎体温測定

まずは、自分の体を知ることが大切。

「基礎体温」をチェックすることからスタートしましょう。
基礎体温とは、排卵前には低く、排卵後は高くなる体温変化のこと。

毎朝、ベッドから起き上がる前に舌の下で計測することで、自分の周期が確認できるほか、排卵ができているかの確認ができます。

最近ではアプリに連動する便利な体温計もあるので、続けやすい方法やアイテムを見つけてみてください。


 
2. 初診時に行う検査

医療機関によって検査のタイミングや治療の進め方は様々。

初めての妊活で通院する場合、事前に医療機関のHPで治療方針や院内の雰囲気など確認しておくと少し不安も和らぎます。
妊活セミナーを開いている医療機関もあるので是非参加してみましょう。

こちらの記事では一般的に行われる検査について紹介します。

■血液検査

大きく分けて4つの血液検査があります。
これらは月経周期に関係なくできる検査のため、初診時に行われることが多いです。

①一般血液検査
貧血や白血球数、血糖値、肝臓機能や腎臓機能の検査を行います。

最近では、ビタミンDが着床に関わるというデータもあり、ビタミンの検査を行っている医療機関も増えてきています。

②感染症検査
B型肝炎、C型肝炎、HIVや梅毒などの性感染症を調べます。
特にクラミジアが見つかった場合は不妊の原因にもなるため、男女ともに早急な治療が必要です。

③甲状腺検査
卵(卵胞)の成長に関わる甲状腺ホルモンを調べます。
甲状腺の機能が低下していると卵が成長せず無排卵になり、反対に高い場合は、排卵までの期間が短くなります。

④風疹抗体検査
検査の結果、抗体がない場合は事前に予防接種を勧められることがあります。
その場合、2ヶ月の避妊が必要になります。

妊娠中に風疹にかかると、赤ちゃんが心臓や眼などの病気になってしまう可能性があるため、男女共に早めに検査をしましょう。


3. 月経2〜5日目に行う検査

■ホルモン検査①

妊娠に至るまでには、子宮や卵巣の機能や排卵障害についてホルモンが大きな影響を与えています。

そこで低温期といわれる月経2日目~5日目に卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)、エストラジオール(E2)、プロゲステロン(P4)を調べるホルモン検査を行います。

どのホルモンに異常があるかが分かれば、治療方針を固めることもできます。
ホルモン検査は採血で行われます。


4. 月経終了から排卵日までに行う検査

■超音波検査

月経が終わると超音波検査を行い、卵巣や子宮の状態を確認します。

膣から細い超音波の機械を用いて行う検査のため、少し痛みを感じる人もいるかもしれません。
足の力を抜いてリラックスした体勢でいるのがコツ。

超音波検査は不妊治療が始まると卵胞の大きさを調べる度に行われるため、皆さん、徐々に慣れてくるようです。

■卵管造影検査

子宮と卵巣は卵管という管で繋がっています。
卵管につまりや細くなっているところがないか、まわりと癒着していることがないか、また子宮の形を確認する検査です。

子宮から細いチューブを入れて、造影剤を注入しますが、管が詰まっている場合は痛みを感じることがあります。(痛みの個人差が大きい)

医療機関によっては、卵管通水検査という生理食塩水を注入することで、卵管の通りを確認することもあります。

痛みを伴う一方で、これらの検査により卵管の通りがよくなり、一定期間妊娠しやすくなるメリットもあります。


5. 排卵日もしくはその翌日に行う検査

■フーナーテスト

性交渉を行った後、女性の体の中に精子がどの程度残っているかを確認します。
時間的な制限(性交渉後12時間以内!)があるため、医療機関の受診タイミングが大切です。

フーナーテストは子宮頸管内の粘液を採取する検査のため女性のみ行いますが、痛みはほとんどありません。


6. 排卵後5~7日目に行う検査

■ホルモン検査②

排卵後、もう一度ホルモン検査を行い、生理中に確認したホルモンとは別のホルモンを確認します。

この時期に確認するホルモンは、プロゲステロン(P4)という黄体ホルモン。黄体ホルモンは、着床がしやすい環境を作る役割があります。着床がうまくできない原因はないか、無排卵であった可能性はないかを確認します。

プロゲステロン(P4)が5〜10ng/mLの場合は黄体機能不全を疑い着床がうまくできない原因がある可能性があり、5ng/mL以下の場合は無排卵の可能性があります。


7. 男性の検査

■精液検査

精液検査は2〜7日間の禁欲が必要で、自宅もしくは医療機関で採取します。受診時間から逆算して採取のタイミングを決めましょう。
(体調などにより、2回~数回程度検査を行うこともあります。)

男性不妊専門の医療機関は非常に少ないため、精液検査以外の検査や治療が必要になる場合は、泌尿器科など別の医療機関の受診を勧められることもあるでしょう。


8. 検査費用について

不妊治療で不安な項目上位に挙がるのが「治療費・検査費」です。

2022年4月から不妊治療は保険適用となりましたが、全ての検査が保険適用になっているわけではありません。

保険適用外の検査でも、先進医療に含まれるものは自費で支払うことになりますが、保険適用の治療と組み合わせることができます(先進医療になっていない自費診療の治療は保険診療と組み合わせることはできません)。

自治体によっては検査に対し補助金が出る場合もありますし、世帯の医療費合計額によっては医療費控除が可能です。
領収書・明細書を必ず残しておきましょう。



最後に


妊活は女性が主体になりがち。

検査もやはり女性の体に負担がかかるものが多いですが、パートナーと気持ちを共有しながら二人で取り組んでいくことが大切です。

「赤ちゃんが欲しい」と願う二人の思いを叶えるために、まずは妊活のスタートとなる「検査」についてお互い理解し、最初の一歩を踏み出してみましょう。


いいなと思ったら応援しよう!