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妊活における夫婦間でのコミュニケーション Part1

14人に1人は体外受精で生まれているこの時代。
こんなにも妊活をしている夫婦が多いのに、「妊活してます」と周りに公言する人はまだまだ少なく、夫婦でひっそりと頑張っているケースが大半を占めます。

最初は一緒に頑張ろう!とお互いの認識が合っているつもりでも、治療が進むにつれてギクシャクしてくる夫婦がいるのも事実。
最終的には妊活がきっかけで離婚をしてしまったという声もあります。

今回は、妊活中の「夫婦間でのコミュニケーションの取り方」を妊活経験者の体験談を踏まえながら紹介します。

100組の夫婦がいれば100組の夫婦のカタチがある。
だからこそ、自分たちなりの良い関係の築き方やお互いを理解し合うためのヒントになれば嬉しいです。




〈1〉パートナーのこんな言葉が傷ついた!事例

まずは、コミュニケーションをとる中で、どんなことを言われて傷ついた人がいるのか失敗談の紹介です。

・不妊治療が辛い、と愚痴をこぼしたら「だったらやめれば?」と言われた。
・「好きにしていいよ」と言われた。
・タイミングをとりたいのに「今日は疲れてるから無理」と言われた。
・「まだそんなに焦る必要ないんじゃない?」と言われた。

上記はほんの一例ですが、パートナーが「自分ごと」として捉えられておらず、どこか他人目線の言葉のように聞こえてしまい、
女性がショックを受けるケースです。
何か答えを出すのではなく、「聴く」に徹してもらえるだけで女性のココロが軽くなることもあります。

また、タイミングを断ったり「焦らなくてもいい」等の言葉が出てくる場合は、パートナーが勉強不足の可能性も。
単にパートナーを責めるのではなく、一緒に不妊治療について調べてみるところから始めてみてもいいかもしれません。


〈2〉パートナーのこの言葉・行動が嬉しかった!の事例

コミュニケーションがうまくいっている夫婦において、パートナーからどのような言葉がけや行動があるのでしょうか。

・「治療や検査を頑張ってくれてありがとう」とこまめに伝えてくれる。
・ 通院予定を把握してくれている。
・「自分に原因があるかもしれないから」と検査を受けてくれた。
・ 採卵・移植後は家事を積極的に行ってくれる。
・「2人でいるだけで楽しい!今でも十分幸せなんだから」と言ってくれた。

どのエピソードもほっこりと温かい気持ちになりますね。
共通していることは「相手への思いやり」が溢れていること。
一緒に取り組んでいるよという姿勢が感じられると安心します。

どうしても、女性が主体となってしまう不妊治療。
一緒に頑張ってくれているんだと感じられる言葉や行動は勇気を与えます。


〈3〉V字回復で信頼関係を取り戻した方法

最初はギクシャクしていた関係からV字回復で夫婦の関係が良くなった方もいます。

Aさん:
最初はタイミング法でも疲れていることを理由にスキップされたり、言葉や態度に温度差を感じていました。

このままパートナーの理解が不十分なまま妊活を進めてもうまくいかないのではと思い、通院日は「今日はこんな感じだったよ」と細かく情報共有。
帰宅時間が合わない日はメッセージアプリを使って伝えたり、通院頻度を知ってほしくてスケジュール共有アプリに予定を登録したりしていました。

私の負担やタイミングの重要性を改めて理解してくれたようで、予定を合わせて頑張ってくれるようになりました。

Bさん:
コミュニケーションは積極的にとっているほうでしたが、パートナーから返ってくる言葉はいつもどこか他人事でした。愚痴や弱音が多かったかもしれませんが…。

「仕事がつらいなら辞めればいい」「ステップアップも好きにしたらいい」と言われたことはショックでした。
「一緒に取り組んでいる」という姿勢を見せてほしかったです。

ただ私も、「治療後は疲れるから気を遣ってくれるはず」「もっと一緒に治療について話したい」等の気持ちを、これくらいは分かってくれるよねと思っていたのですが、ある日、実はパートナーに伝わっていなかったことが判明。
そこで、一緒に体外受精の説明会に参加し、もっとねぎらって欲しいし、
自分から積極的に治療に関わってほしい旨を伝えました。

その後「任せっきりにしていた」と反省し、謝ってくれました。
採卵の後は「頑張ってくれてありがとう、痛かったよね」とねぎらってくれ、家事を積極的にやってくれるようになりました。



お二人とも関係が良くなるきっかけは、自分の気持ちや状況をしっかりと伝えられたこと。
Bさんが経験された、「実は伝わっていなかった」事例は誰にでもよく起こりうる問題です。
そんなコミュニケーションが続いていないか、一度振り返ってみてください。




アサーティブコミュニケーションのすすめ

自分の気持ちをはっきり伝えるべきと分かっていても、「伝え方」で悩む方も多いようです。
そんな時は「アサーティブコミュニケーション」がおすすめ。

アサーティブ・コミュニケーションとは、
・誠実
・率直
・対等
・自己責任
の4つの柱を大切にしながら自身の主張と相手への尊重を両立する伝え方の手法です。
パートナーとの関係を対等と考え、相手を尊重して意見を受けとめた上で、「自分の正直な気持ち」や「必要とする助け」を伝えてみましょう。

その際に「私」を主語にした I メッセージで伝えることがポイント。
youを主語にした会話は、攻撃的に聞こえてしまうこともあります。
また、肯定的な言葉を交えながら伝えてみましょう。
夫婦の信頼関係やお互いを尊重する気持ちが深まり、きっと治療のストレスも軽減されるはず。

妊活中に築いた信頼関係は、今後の人生の支えにもなり得るのではないでしょうか。
妊活をされている多くの夫婦の会話がポジティブに変わり、より理想の夫婦関係が築けることを祈っています。



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