第2章 2-1紡績~短繊維をつむいで糸にすること2
ウール紡績
ウール紡績も綿紡績と基本は同じ。羊毛をほぐして、繊維を揃えて糸にする。違いはウールの場合は毛を洗うこと、そのあと滑りを良くし、静電気が起きないように給油することなどです。つまり、シャンプーとリンスを紡績工程に入る前に行います。このあとの工程の違いで大きく分けると以下の2つの方式があります。
1)梳毛式(wosted)
スーツなどに使用される細くしなやかな糸を紡績する方法。コットンより繊維長が長く独特のクリンプもあるのでくし梳り、繊維の平行度を高めるために、ギルという工程があります。この方式で作られた糸を梳毛糸(wosted yarn)と呼びます。リング精紡機が使用されます。
2)紡毛式(woolen)
セーターなどに使う太くて膨らみのある糸を紡毛糸(woolen yarn)とよびます。
梳毛式とは反対に太い繊維や短い繊維も同時に糸にするので、くし梳りのギルの工程はなく、ここでは説明を省きますが、ワザと繊維の方向を乱すような前工程があります。
最後の糸を紡ぐ工程では前出のリング精紡機ではなく、ミュール紡績機を使用します。撚りはあまりかからず、細い糸も作れませんが、紡毛糸には最適な機械です。実際のミュール紡績機の動画です↓
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