八王子の織屋さんが作った新触感新素材の傑作ストール
400年余の歴史を有する八王子織物工業の高い技術力とこころばせが開発した特殊紡績の新素材ラミーコットン糸が織りなす全く新しいストールが出来上がりました。
【繊維産業協業プロジェクト】
八王子の繊維工場はすごい技術を持っています。でもシルク、コットン、ウールと代わり映えのしない素材を使っていてはそのすごい技術も光らない、お客様に届きにくいと考えました。こころばせでは従来より、繊維専門商社のネットワークも活用しながら日本全国の繊維産業の力を結集したモノつくりを志向しています。
八王子:こころばせで素材開発の発案、商品企画
新潟:ラミーコットン糸の紡績
兵庫:糸の毛羽を取る加工(ガス糸)
八王子:ストール製作を澤井織物有限会社
八王子:こころばせより出荷
上記のフローで作り上げ他のが、このラミーコットン ストールです。今回のストールの主役は八王子織物工場の雄、澤井織物さん。
【八王子 澤井織物有限会社】
澤井織物の澤井社長が織機を動かしてる動画です。
今回のラミーコットンストールはこのシャトル織機と呼ばれる旧式の機械で作られました。生地を傷めず豊かな風合いを実現してくれます。
こころばせの事務所のある八王子は古くから養蚕(シルクを吐き出す蚕を育てる)や織物が盛んでその歴史は400年余となる歴史を有しています。今は全盛期と比較すれば織機も激減していまが、この状況下でやさしい風合いで織り上がる古いシャトル織機を使いながら、最新のウェアラブルデバイスを開発するGoogleに技術提供する等、最新のイノベーションに関与し続けている澤井織物有限会社の澤井社長がこのこころばせ楊柳を作り上げてくださいました。澤井社長は繊維織物の伝統工芸士でもあり、織物のプロフェッショナルなんです。
今回のストール作成プロジェクトを八王子の澤井織物さんとスタートさせたのは約一年前。タオルで使ったラミーコットン糸でストールを作ろうと思い立ち、澤井社長に相談しました。
1)まず織ってみる
まず試作でほんの少し、糸を染めずに織ってみました。そうするとタオルでは欠点にはならなかった糸表面の毛羽が気になりました。そこで、糸表面の毛羽を焼き飛ばすことにしました。
2)ガス糸
ここは私の出番。兵庫県の糸加工場で糸表面の毛羽を焼く機械にラミーコットン糸を送りました。
3)少量糸染め、製織
作ったガス糸が20kg。ストールにすると80枚ほど。この糸を染色工場で今回の黒、赤、オレンジ、ブルーの4色に染め分けをお願いしました。そして澤井織物さんで製織。通常ここまでの小ロットを受け付けてくださるところは少ないのですが、澤井社長はこころよく引き受けてくださいました。
4)バイオ加工(コットンの減量加工)
織りあがった生地を試してみたとこと、少し芯がある感じであと一歩。そこで、植物繊維を少し柔らかくするバイオ加工を施しました。ちょっと専門的になりますが、植物繊維のコットンとラミーは共に高分子レベルでは同じセルロースでできています。そして、このセルロースを分解する酵素があり、セルラーセといいます。このセルラーセを使って少しだけラミーコットン糸を減量させることで、ラミーコットン独特の風合いを殺さず芯を解きました。
5)完成
ハリがあってナチュラルな光沢もあるラミーコットンストールが完成しました。完成まで一年余りの長い道のりでしたが、八王子織物の良さプラスアルファの天然素材100%のストールが完成しました!
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