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第1章繊維原料編 4.合成繊維1

主に石油から生成されるナフサを原料に、さまざまな製法により製造されるのが合成繊維。各種合成繊維の共通の特徴として、強い、熱可塑性があり(熱でしわが伸びたり、形を変えたりする性質、比喩としてチョコレートの性質)、吸湿性が低く、静電気が起きやすいです。虫やカビの影響を受けにくく耐薬品性も高い。3大合成繊維と呼ばれるのがポリエステル、ナイロン、アクリル。その他、洗濯絵表示でよく見かけるのがストレッチ素材のポリウレタン。以上の素材について解説します。

ポリエステル 

流通量ではダントツなのがポリエステル。

世界の全繊維の流通量の50%超(2013年時点。現在はもっとシェアは大きくなっているはず)。生産量が多いことから単価も安く、糸としてのバリエーションも多い。強度が高く、一般衣料用途の合成繊維のなかで最も耐熱性が高いです。熱可塑性も高いことから、セット性の高いプリーツ加工ができます。イッセイミヤケのプリーツプリーズが代表的なプリーツ加工の製品。ウールやコットン、シルクなど天然繊維と混ぜて(混紡という)使用することで、風合いや耐久性など互いの欠点を補うことができます。難点は通常の染料では染まりにくいこと。天然繊維を染めるために使用する染料とは全く種類の違う分散染料でしか染まらない。従って、ポリエステルを染める工程と一緒に混ぜている素材を染める工程の2工程が必要になります。

ポリエステルの多彩な風合いを可能にしているのが、減量加工。水酸化ナトリウム溶液(苛性ソーダともいう)で、ポリエステルの糸を痩せさせる加工のこと。ほとんどのポリエステル素材はほぼこの減量加工が施されています。


 

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