第3章 1.織物~経糸と緯糸がある生地
生地を製造する織機に経糸(たていと)を装着して、隣り合った経糸を互いに上下させ、緯糸を挿入していくことで、織物は作られます
基本の織組織は平織、綾織り、朱子(しゅす)織の3つ。以下概略を解説します。
平織(ひらおり)
織物の中で最も簡単な組織で、経糸と緯糸が1本ずつ交互に浮き沈しながら交わっています。ブロード、オックスフォード、ボイル、ローン、金巾、帆布、ななこ、パナマ、ホップサックなどすべて平織り。
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綾織(あやおり)
表面に斜の畝が表れて見える組織を持つ織物。身近なところでは、チノパンが綾織。この斜の畝を綾目というが、生地には右上がりの綾目のものと左上がりの綾目のものがあります。通常右上がりの綾目の生地は経糸に双糸が使用されていて、左上がりは単糸。勿論例外もあります。デニムは単糸使いですが右上がりの綾目。
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朱子織(しゅすおり)、サテン
最大の特徴は豊かな光沢。性能面ではしわになりにくい織物といえます。これらの特徴を支えるのが、経糸の浮き。平織りの経糸が交互に浮き沈みをくり返しているのに比較して、サテンは5回に1回(5枚朱子)とか7回に1回(7枚朱子)しか経糸が緯糸の下にならないのです。この構造が光沢としわになりにくさを与えていますが、反面摩擦に弱く縫い目の強度の低さの原因にもなります。下図は5枚朱子です。
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各織組織と生地の一般名称
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