今日は「小説っておもしろいかも」記念日。1月4日。
妻がはじめて言った。
「小説っておもしろいかも」
なので、今日は小説っておもしろいかも記念日だ。
ちょっぴり感動的に記念的かもしれない。
ちなみに妻が今日読んでいたのは、川上弘美の短編「亀が鳴く」。
あらすじ。
部屋に明かりもつけず料理もせず仕事もせず読書もせず一日ぼうーっとしている女の話。そんな女にあきれて同棲相手の男は別れをつげ、でていく。
話のクライマックスは、でていく男に「亀は私が飼います」、としかめつらしい顔を女がする。
何がいいって。
ぼうっーとした女が最後に反抗してしかめつらしい表情をしてみせる。そこがいい。フリとオチが効いている。
妻は「しかめつらしい」顔が気に入ったみたいだ。
小説をおもしろがる、ということをあの手この手でやっていく、ということを共同作業でやる喜びを感じる。
たとえば、
小説を声にだしてみること、
小説に線を引くこと、
小説の長さを数えること、
この女はどんな女なのか?、と考えること、そして自分に重ねてみること。
自分との距離をはかること。
小説家はどこを読ませどころにしているのか?
タイトルでなにが言いたいのか?
連作短編のなかで、どういう共通点があるのか?
小説をおもしろがる方法はたくさんある。
明日もどんどん小説となかよくなって小説と遊ぼう。
おやすみなさい。
(写真は今日食べた生ハムと、オリーブのフリット。オリーブを揚げるとは!)