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2024年に義務化されたウェブアクセシビリティについて

2024年、ウェブアクセシビリティが義務化!

2024年から、多くの事業者にウェブアクセシビリティ対応が求められるようになりました。
公共機関だけでなく、民間事業者においても、合理的配慮の提供が義務化されたことで、ウェブサイトの設計や運営に変化が起きています。
この記事ではその重要性や対応方法についてわかりやすく解説します。

◆ウェブアクセシビリティとは

そもそも「ウェブアクセシビリティ」とは何なのでしょうか?
ウェブアクセシビリティとは、年齢や障害の有無にかかわらず、すべての人がウェブサイトを平等に利用できるようにすることを指します。
これは、物理的なバリアを取り除く「バリアフリー」の考え方をインターネットに適用したものであり、情報へのアクセスや利用の公平性を確保することが目的です。
ウェブアクセシビリティの具体例

・視覚障害への配慮
・画面リーダーで正しく読み上げられる構造設計
・色覚障害に対応したコントラストの高いデザイン
・聴覚障害への配慮
・動画や音声コンテンツに字幕やテキスト解説を提供
・操作性の向上
・キーボードや音声入力のみでも利用できるインターフェース
・モバイル端末でも操作しやすいレスポンシブデザイン
・高齢者への配慮
・読みやすいフォントサイズや行間の調整
・シンプルで分かりやすいナビゲーション設計

ウェブアクセシビリティ義務化の背景

1. 障害を理由とする差別の解消の推進|内閣府

内閣府の発表によると、「障害者差別解消法」に基づき、障害を理由とする不当な差別を解消し、
障害を持つ方が平等に情報やサービスを受けられる社会を目指すことが目的としてあります。
特に公共機関では、ウェブアクセシビリティ基準の適合が義務付けられており、
障害を持つ方が利用しやすいウェブサイト設計が求められます。

2. 民間事業者の合理的配慮が義務化|政府広報オンライン

2024年からは民間事業者も合理的配慮の提供が義務化されました。
これにより、企業のウェブサイトやサービスが、障害者や高齢者に配慮した設計であることが強く求められるようになっています。

ウェブアクセシビリティ対応の重要性

1. ユーザー層の拡大

ウェブアクセシビリティ対応の目的は、すべてのユーザーに使いやすいサイトにすること。つまり、アクセシブルなウェブサイトは、高齢者や障害者を含む幅広いユーザーに利用されやすくなるということです。

2. SEO効果の向上

アクセシビリティ基準を満たす設計は、検索エンジンにも評価され、検索順位の向上につながります。

3. 社会的信頼の向上

アクセシブルな設計は、社会的責任を果たす企業としてのイメージアップに寄与します。
低価格でウェブアクセシビリティに対応する方法
ウェブアクセシビリティへの対応にはコストがかかるイメージがありますが、高齢者や、視覚障害や聴覚障害などの障害者でも、不自由なくホームページを利用できることを目的としていると考えると、きちんとユーザーファーストでサイトを作れば問題ないことがわかります。

具体的な対応策

ウェブアクセシビリティを実現するための具体的な対応策を、分かりやすく整理しました。これらを実践することで、誰にとっても使いやすいウェブサイトを構築できます。

1. 視覚障害への対応

スクリーンリーダー対応
• HTML構造を適切に使用:見出しタグ(<h1>~<h6>)で情報の階層を明確にする。
• 画像に代替テキスト(alt属性)を設定:画像の内容を視覚以外の方法でも伝えられるようにする。
• 例:<img src="example.jpg" alt="商品Aの詳細画像">
• リンクやボタンに明確なテキストを設定:視覚的にも機能が分かるようにする。
• 例:×「こちらをクリック」 → ○「商品Aの詳細はこちら」

2. 色覚障害への対応

コントラストの確保
• 背景色と文字色のコントラスト比を4.5:1以上にする。
• 例:明るい背景には濃い文字色を使用。
• 色だけで情報を伝えないようにする。
• 例:必須項目を「赤文字」だけでなく、「*」や「必須」の表記も併記する。

3. 聴覚障害への対応

字幕や文字情報の提供
• 動画や音声コンテンツには字幕を追加し、動画内の重要な情報は視覚的にも表示する。
• 音声ボタンの代わりに明確なテキスト説明を用意する。

4. 運動機能障害への対応

キーボード操作のサポート
• すべての操作をキーボードだけで完結できるようにする。
• 例:タブキーでリンクやボタン間を移動可能にする。
• 小さなクリックエリアを避け、ボタンやリンクを十分なサイズに設定する。

5. 高齢者への対応

文字サイズと操作性
• フォントサイズを大きめ(最低16px以上推奨)に設定する。
• ズームや拡大表示を阻害しない、柔軟なレスポンシブデザインを採用する。
シンプルでわかりやすいナビゲーション
• メニューの階層を深くしすぎず、直感的に理解できる配置にする。

6. 情報のわかりやすさ

明確な表現とシンプルな構造
• 専門用語や難しい言葉を避け、平易な日本語を使う。
• 長い文章は段落を分け、見出しを付けて読みやすくする。
• 箇条書きや番号リストで、情報を整理する。

7. パフォーマンスの最適化

ページの軽量化
• 不要なコードを削除し、表示速度を向上させる。
• 画像や動画は圧縮ツールを使い最適化する。
• キャッシュの活用やCDN(コンテンツ配信ネットワーク)で負荷を分散する。
参考データ
• 表示速度が3秒以上かかると、直帰率が30%以上になると言われています。

8. 標準規格の遵守

WCAG基準に基づく設計
• WCAG(Web Content Accessibility Guidelines) のレベルAA基準を目標にする。
• アクセシビリティ診断ツール(例:WAVE、Lighthouse)を活用して改善点を確認する。

9. モバイルフレンドリー対応

• 全てのデバイスで快適に利用できるよう、レスポンシブデザインを採用する。
• タップしやすいボタンサイズと、無駄なスクロールを防ぐ構造を設計する。

10. 定期的なテストと改善

• 障害を持つユーザーや高齢者によるユーザーテストを実施する。
• アクセシビリティ診断ツールを使い、定期的に改善を行う。

2024年の義務化を機に、ウェブアクセシビリティはビジネスにおける新しい標準となります。
対応が進むことで、より多くの人に利用されるウェブサイトを作ることができ、結果的にビジネスチャンスの拡大につながります。


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興味のある方はぜひお問い合わせください。

参考情報
障害を理由とする差別の解消の推進|内閣府
民間事業者の合理的配慮が義務化|政府広報オンライン

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