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橋の向こう側〜後編〜

親子は目的の赤い橋を渡りはじめた。

賑やかに話しながら歩いていたのに、中心辺りに来ると一瞬のうちに無表情になり、何も話さずそれまでつないでいた手を離したのだ。
私はその様子に驚きじっとみていると、向こう岸にわたった親子はただただ行列の一番後ろに並んで同じくモノクロになり黙ってうつむいている。

向こう岸に何があるのか気になった私は、赤い橋を目指してゆっくり歩き始めた。
その間もどんどん私を追い抜き「おーい!こっちこっち」と誰かを呼びながら橋目指して走っていく若い男性がいたりもする。

ドクン…ドクン…
赤い橋に近づくにつれ胸が高鳴る。

赤い橋に手を伸ばして触れようとしたとき
「Cocoro(名前)」そう呼ばれた気がして振り向いた・・・その瞬間ブワッとまぶしい光に飲まれて私はハッと意識を取り戻したのだった。


そこはいつも見慣れた寝室のベットの上。今のは何だったんだろう?しばらくは橋の向こうが気になって仕方なかった。
ほんとに夢なのか?どこかの世界を見たのか?何とも不思議な感覚が忘れられない。

終わり

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