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【ココパレ代表インタビュー vol.2】意識するともっとハッピーに!すべては“自分”で選択している

個々の色を尊重しながら、パレットで色を合わせていくように、看護ケアや働き方も選択肢は十人十色。
ココパレは輝く個々の命に寄り添い、利用者さまはもちろん、共に働くスタッフにも安心できる環境をつくっていくことを大切にしています。
「好きな場所で過ごす時間を諦めない」
ココパレ代表の樋口敬子が体験してきたことや想いを、お届けしていきます。


株式会社ココパレ 代表
樋口 敬子

岐阜大学医療技術短期大学部卒業後、市民病院の呼吸器・循環器内科に勤務。その後、がんセンター血液内科、民間病院外科病棟に従事。

緩和ケアを中心とした在宅支援診療所の訪問看護を経験し、尊厳ある自宅での最期の時間に感動。症状緩和の必要も感じ、緩和ケア認定看護師の認定資格を取得。

児童養護施設看護師、小児を中心とした訪問看護通所事業の立ち上げに参画。2022年1月に株式会社ココパレを設立。同年5月に訪問看護ステーションココパレを開設する。

小児から高齢者、精神疾患、終末期まで、一人一人に寄り添い、家族まるごとケアを目指して、訪問看護を行なっている。


自分で選択していることを意識する

—忙しい日々の中で、大変だと感じることはありますか?

作業の多さで体力的に疲れることや、スケジュール管理の難しさはありますが、大変だと思うことはないです。
自分が得意ではない経理や事務作業でも、その先に自分のやりたいことがあるので、必要なことを淡々とやる……という感じでしょうか。
ココパレを頼りにしてくれる人がいること、一緒にがんばろうといってくれる仲間がいることは本当にありがたいと思っています。
それがモチベーションになっているし、責任がある。責任と覚悟のある仕事は楽しいです。

—仕事をする上で、心がけていることはありますか?

すべての行動を自分が選んでいると意識しています。
常に自分を含めて俯瞰するとか、客観的に考えるように心がけています。

現場でたくさんの方と接する中で、ナースが感情に巻き込まれて、自分に責任を感じてつらくなったり、深く傷ついてしまうことがよくあります。
怒りや悲しみに正しく対応するために、感情に乗らない訓練が大事なんです。
観察して分析する。今どういった行動すればいいか、一歩引いて考えて決めるんです。
相手の感情の原因が、自分ではないことを理解して、自分も感情で動かない。
自分の行動は全て意識的に選択している、と認識するんです。言葉にするとややこしいですね(笑)。

意識していることが重要!無意識ではなく意識的に、触れることや声をかけることも、意識することで客観的になります。
「今この人に対して、手を触れることが良いと判断したから触れている」と瞬時に意識して、“自分で選択して行動している”と認識するんです。
自分が壊れないためにも、感情を意識的にコントロールすることが大事だと思っています。

それでも時には、感情が込み上げて涙が出そうになったり、感情的になったりしてしまうこともあります。
そこでも、自分が今泣いてもいいのか、感情を表現してもいいのかを瞬時に判断するようにしています。
相手との関係性も考慮して、「今ここで泣いてもいいと自分に許可をする」というのでしょうか。
現場では、自分の感情の手綱を握っていられるかはとても重要なことです。そのスイッチをうまく切り替えながら仕事をしています。

逃げても辞めてもいい。「ねばならない」なんて何ひとつない

あともう一つ。私は、どんなことでも逃げてもいいし、やめてもいいと思っているんです。
私自身も常に、そのカードを持って行動しています。
つらい思いをして、自分を傷つけてまでやらなければならないことはない、私はそう思っています。

限りある時間の中で、自分がハッピーで楽しいと思えることに時間を使った方がいいですよね?
そのためにも、意識して選択していると認識することが大事なんですよ。どんなことでも天秤にかけて、自分で選択しているのですから。
不平不満ばかりの人は、自分が何を天秤にかけて選択して、何を基準に今の選択をしているのか、一歩引いてみると、選択している理由がわかるかもしれません。
選んだことやものの方が良いと判断したのは自分です。選んだ方に、何かしら恩恵を受けているのではないでしょうか?それならば、自分の選択したことやものに感謝が生まれるはずだと思うんです。

選んでいるのは自分です。そこにネガティブな感情を持つことは、選んだ自分を否定しているみたいで、悲しくないですか?
明らかに今の選択がつらくて幸せでないのなら、私は手放して違う選択をすると思います。
「ねばならない」なんて何ひとつない、と声を大にして言いたいです。
手放したら新しいことが待っているから、やめても大丈夫。頑張りたい、と思っているなら頑張る選択をする。
逃げられない、がんばらないといけないと思っている人が、たくさんいるような気がします。

なるべく自分の声を聞いてほしい。私はすぐ諦めるし、すぐ寝ちゃいます。そうした方が、のちのちいいと選択しているのだと思います。
引いたら後悔すると思ったら引かない。そこで万が一傷ついたとしても、「やっぱりね」「わかってたよね」「よくやったじゃない」と自分に言って、認めてあげていると思います。
つらいかもしれないけれど、こちらがいいと思って選択しているのであれば、それは自分で選択していること。
つらいことの先にある何かのための選択ならば、踏ん張るパワーは必要かもしれない。でも、覚悟をもって選択したことならば、そこから得るものは、きっと大きいはず。

自分と家族のハッピーがあってこそ

—ご家族と仕事の話をすることはあるのでしょうか?

仕事を家庭に持ち込むことはありません。個人情報保護の観点からも、利用者さんの話を家族に話すことはないですし、気持ちを切り替えています。
でも、落ち込んでいるときは夫が気づいてくれて、そういう時は少しだけ弱音を吐きます。夫が私を肯定してくれるので、すぐに元気になります。いつも支えてもらって、本当にありがたいです。

自分と家族がハッピーかは、いつも気にかけています。
何より自分がハッピーでいること、その次に家族がハッピーでなければ仕事など成り立ちません。
子どもが小さい頃から定期的に「私は楽しく仕事をしているけれど、家族みんなも賛成ですか?働き続けていいですか?」と確認しているんです。
家族の賛成があれば、全力で働けます!家族のハッピーより大事な仕事はないと、私は思っています。

—どんな時に幸せを感じますか?

休憩中に飲むコーヒーがおいしいとか、ホッとした瞬間やささいなことでしょうか。人との出会いもありがたいな、幸せだなと感じます。
自分のことは自分にしかわからないので、ハッピーも大変も物差しは人それぞれ違います。何事も人と比べない、それが幸せになれる秘訣かもしれません。

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