演歌ワンピースを買ったときの思い出
自問自答ファッションというものの存在を知らなかった頃に、演歌を歌ってワンピースを購入したことがあります 今更ながらその時の思い出を記録に残しておこうと思います
ブランドバッグは“演歌“である👜|自問自答ファッション通信|あきや あさみ (note.com)
ワンピースを買うまで
高校3年生の秋の頃 大学受験の勉強に追われていた
あんまり詳しくは思い出せないけれど、毎日朦朧とした頭で勉強をしていたと思う
平日学校に登校する際は最愛のセーラー服を着ていた
制服を着るのが3年目になっても、毎朝袖を通すたびに夏も冬も最高すぎる~!!となっていたし、今思い返しても最高な服だよな~!!と思っている
休日は塾に通っていた、授業があるときもあれば、自習に行くときもあった あの自習室の閉塞感を思い出すと未だに気分が悪くなる
そのときの服装は、主に2種類
ダークグレーのニットにデニムか、黒白ボーダーにデニムだったはず
ファッションに興味がなかったわけではないが、何を買えばいいのか分からない、おしゃれなものに身を纏うのが恥ずかしい、お金があんまりない
などの理由で地味な服を着ていた
お洒落な恰好で塾に着ている人を羨ましいなぁと思いつつ心で睨みつけていた
こんなとき、大森靖子のGIRL'SGIRLを心に飼っていた
この曲のメインテーマは整形だと思う
しかし、あまり自分の顔にも人の顔にもそこまで頓着がないような人間にも、”完成した私で〇〇したいのに”という歌詞が心に刺さった ずっと頭でループしていた
私にとって完成とはただ顔を完成させることじゃない、髪型服装メイク持ち物思考回路など私を構成する全てを完成させることだ
私を完成させて日常を送りたいだけなのに難しいね
受験の情報を目にしていると、全てを犠牲にする美徳というものがヒシヒシと感じられてしまう 辛いね、今思い返しただけで泣けてきちゃった
でも別に全てを犠牲にすることって強制されているわけではなくない??この手でその美徳を終わらせちゃおう、可愛く生きよう!!と考えた結果
可愛い茶色のワンピース買っちゃおう!!となった
ワンピースを買いに行った
基本的に授業が終わったあと、学校か塾で自習をしてから帰る
ワンピースを買うことに決めた日は、学校帰りに1万円を握りしめて近くの駅ビルへと向かった
制服のまま向かったのか私服に着替えたのかはあまり覚えていない
これまで自分で服を買うのはHoneysが主だったような気がする 店員さんが声をかけてくるタイプの服屋に入ったことがあるが、怖かったし
そのときは茶色のワンピースだけを探していたので、店員さんとの会話がちゃんと意味のある会話だった
生まれて初めて店員さんとの会話が楽しいと思えた 目的意識を持って服屋に行くと楽しいということがわかった
予算が1万円と決まっていたのも良かった 多分価格帯的に大丈夫だろと思って入った店で、値札を見ないで試着した茶色のワンピースが1万2千円くらいした
試着後に店員さんにどうされますか?みたいなことを聞かれた際に、ちょっと予算超えてて、、といったら「1万円で探してたんですね~」と言われた なんだか安心した
相応の予算を持って服屋に行くことは良いものだなぁと思った
予算1万円で買える茶色のワンピースはそう多くなく、2つだけだった
黄色系の花がちりばめられたものと、無地のもの
茶色が主体のものが欲しかったので無地のワンピースを買った
無地の茶色のワンピースを見ていたとき、
「茶色とベージュのものがあって、ベージュの方が春まで着ていただけますよ~」と言われた
???同じワンピースなのに色によって着れる季節が違うの???
まぁいいか、春には着られないと言われたとしても今日の私の目的は茶色のワンピースだ、という思いで購入した
ワンピースを買ってから
塾に着ていくのはちょっと恥ずかしいな、、と思い全然着て行ってない
受験当日も、私服で受けに行くことにしたけれどこのワンピースを着ていくのが恥ずかしかったから着ていない
しかし、しんどくなって1回学校をさぼってカフェで勉強しに行ったときはこのワンピースを着て行った 学校をさぼっているということと、お気に入りのワンピースを着ているということにワクワクした
私にとってこのワンピースは非日常着だったのだ
着なくても、クローゼットに可愛いワンピースがあるというだけで心の支えだった 眺めているだけで最高だった たまに自分の部屋でワンピースを着てくるくるしたりしていたと思う
高校を卒業した 春休みに1回だけ茶色のワンピースを着て出かけたが、店員さんの茶色は春には着れないという言葉が気になって秋まで我慢した
秋になっていっぱい着た このワンピースを日常に着ることができるような人間になったのだ、と思うと本当に嬉しかった
未だに着用していて、着るたびに高校3年生の頃に自分を抱きしめるような気持ちで着ている
多分手持ちの洋服の中で最古参かもしれないけれど、一番好きな洋服です