リゾート建築物語①バリのホテル、タンジュンサリを知っているだろうか
かつてバリにウィヤという人がいました。彼がつくったホテルからリゾートの伝説が始まります
1960年代、バリでは国を挙げて観光政策を推し進めていました。そんな時オランダ人の母とインドネシア人の父を持つウィヤ・ウォルントゥがバリのサヌールに土地を買い、一軒の家を建てます。
1966年、日本の戦後賠償でバリのサヌールには「バリビーチホテル」というバリ唯一の11階建の大型ホテルが建っていました。
一方で、ウィヤは自宅がある土地に友人のためのバンガローを4軒建ていました。
その土地は多くの木々とPuraTandjungSari(花の岬のお寺)という小さなお寺があり、バンガローは竹とココナッツの葉といった地元の建材と建築様式を取り入れられ、多くの花に囲まれていました。
それから、バリ初のブティックホテルとして多くの人々を招き入れます。
のどかで目立たなく、テレビもないシンプルなバリ建築は「本当のバリ」を感じられる場所として、一躍人気のホテルになります。
ゲストブックには英国貴族代15代ベッドフォード公爵夫人、デンマークのイングリッド女王、ミックジャガー、リンゴスターやオノヨーコなどの有名が名を連ねています。
ウィヤは2001年に75歳で亡くなり、現在は子供が父の残したホテル関連事業に携わっています。
ウィヤがタンジュンサリをつくってまもなく、ドナルドフレンドという人がやってきます。彼らは意気投合し、新たなリゾートの物語が生まれることになります。