RN to BSNプログラム体験談

この度、アメリカの大学を卒業してBSN(看護学士号)を取得しました。
沢山の方から質問を頂いたので体験談を忘れないうちにnoteに記録しておきます。(大学情報は一番最後にあります)

大学選び

様々な大学情報をネットで調べて気になった大学ホームページからプログラム情報をリクエスト。
すると大学カウンセラーから翌日あたりに電話かメールが届きます。
そのカウンセラーと沢山相談してわからないことはすべて質問して納得した上で大学を選びました。
値段が安めでClinical(臨床実習)のないプログラムを見つけたのでそれにしました。

どんな大学?

私が編入した大学は全オンライン制の通信大学。
その中にあるRN to BSNフレックスパスというコースを受講しました。
RN to BSNはAssociate Degree in Nursing(ADN)を保持する者がプログラムを通してBachelor of Science in Nursing(BSN)を取得できるプログラムです。
この大学にはFlexパス以外にもGuidedパスというコースもありました。
フレックスの方はセルフペースで進められるコースで、ガイデッドの方はゆっくり進む標準コースです。

入学要件は?

  1. GPA2.0以上

  2. 米国教育省認定の認定機関または国際的に認められた機関によって認定された機関で取得した看護学位または看護準学士号(ADN)

  3. Nclexに合格してRNライセンスを保持している事

今までの学歴は?

日本では高校3年間の衛生看護科で准看護師、看護専攻科2年間で正看護師、短大の保健学科1年間で保健師、アメリカでは大学で1年間の語学留学をしていました。
その中の専攻科(2年)、保健学科(1年)、語学留学(1年)の単位を移行してプログラムスタート。

単位移行について

単位移行する際は日本の単位をWESという教育審査機関に申請して大学に提出しました。
申請から単位の結果が出るまで約2ヶ月かかりました。
WESからのレポートで私の専攻科2年間での単位をADNと保証してもらえました。
WES以外にも学校側から審査期間をいくつか紹介されましたがWESが一番安く早く人気もあったので(私調べ)WESにしました。

英語力試験について

英語が母国語でない生徒は英語のテストスコアをクリアすることが入学条件にあります。
IELTSだと6.5が条件。
ですがこの大学はDuolingoスコアでもOKで、105点が合格ライン。(2023年7月時点)
DuolingoはTOEFLやIELTSと比べると簡単で自宅のPCから受けられる試験なので、試験会場までの距離が遠く、難しいトピックに弱い私には最適でした。

卒業に必要な単位数

卒業までの必要取得単位数(受講コース数)は編入時の単位数によって人それぞれです。
最大132単位移行可能で私の場合はその最大単位数を移行できたので最小の全8コースのみでした。
単位が足りない場合はプログラム開始までに大学提携のオンラインコース(ソフィア)を無料で受講してそこで単位をとってBSNプログラム(全8コース)をスタートすることになります。
プログラムがスタートしたらそのオンラインコース(ソフィア)を使用できなくなり、大学のプログラム内で単位をとっていくことになります。

課題の内容

全8コースで1コースに各4つずつ課題があり、最後のコースは5つの課題がありました。
殆どがAPA形式の論文(34個)、後はビデオプレゼンテーション(5個)とパワーポイントのプレゼンテーション(6個)等。
内容は看護倫理から始まりリサーチスキル&分析、リーダーシップ&コラボレーション、テクノロジー、ケアコーディネーション、地域保健等。
アメリカの健康保険、政策、災害復興プラン、NonProfitの組織等、今まで勉強したことのない分野まで幅広く出題されました。
一度に2コースまで受講可能。

成績方法

成績は4段階評価で最優秀、優秀、普通、失格のように評価されました。
Translated transcriptをリクエストでき、最優秀がA,優秀がB,普通がC,失格がFとなり、GPAも最大4.0で評価されます。

受講期間

1ターム12週間。
受講はオンラインベースなのでセルフペースで進めることができます。
1コース(4つの課題)を1週間で完了させるペースで進めた場合、8週間で完了する流れです。
私は専業主婦でフルタイム学生だったので1度に2コースとって進めていき半分の4週間で完了する事ができました。
フルタイムナースでも空き時間や休日を利用して12週間で完了されている方が周りに沢山いました。

勉強時間

勉強に費やした時間は1日約9時間から12時間、土日も休まず勉強しましたが、間で3日間ほど勉強できない環境にいました。
寝る直前まで文献読み漁ったり論文の構成を考えたり夢の中でも論文書いてたり食べながら考えてたり(泣)
私にはどうしても早く終わらせたい目標があったので必死でした。

勉強内容

課題のインストラクションにそってAPA形式で論文を書いていきます。
学校のオンラインライブラリーを無料で使えるのでそこのSummon等で文献を探しました。
Perrla(APA書式用の有料サイト)やGrammaly(間違った文法を正しい学術用の表現に直してくれるサイト。学生は大学からプレミアム会員の権利をもらえるので無料)をフル活用して論文を作成していきます。
教授に提出前にPlagiarismでないかを検査するシステムに提出してパーセンテージを確認してから課題を最終的に提出します。
Plagiarismは盗作という意味で、他の生徒の課題をコピーしていないか、オンラインからコピーしてないか等の不正を学校側が調べるためにあります。

学費

学費は12週間で約3500ドル(2023年7月時点)。
私の時は在校生または卒業生からの紹介で約500ドル割引がありました。
1タームが12週間周期で、12週間毎に学費が加算されていくシステムでした。
セルフペースで進められるので12週間以内に終われば3500ドル、終わらなければ更に3500ドル加算される仕組みです。
大学アドバイザーから聞いた話だと大体の人が9ヶ月では完了して卒業しているようです。
RNで働きながら勉強するために作られたプログラムなので、私みたいに仕事してなくて勉強する時間がある人の場合はそれより早くに卒業している人が多いです。

プレゼンやグループワークは?

APA以外にもビデオプレゼンテーションとパワーポイントのプレゼンテーションがありました。

ビデオプレゼンテーション

一人で画面に向かってプレゼンしてその録画したファイルを教授に提出するという形。
なので他の生徒との関わりはゼロでした。

パワーポイントのプレゼンテーション

ボイスオーバーといって声をページ毎に録音して、スクリプトはスピーカーノートに記入かAPA、リファレンスはAPAで提出という形でした。

課題の量

課題の量の例としては、ビデオプレゼンテーション20分、APA5-7ページ、パワーポイント10-12スライドでしたが課題ごとに違います。

実習は?

最後のコースがキャップストーンプロジェクトといって最低9時間の実習が必須になります。
実習といっても病院等での勤務時間を使うことは禁止されているので、仕事をしていない時間を使って対象者さんと関わっていきます。
一人の患者さんまたは家族、友達を対象にしてプロジェクト全体で関わって行き、最後にその対象者さんに3時間以上の介入をし、その介入についての振り返りとプログラム全体の振り返りをビデオプレゼンテーションして締めくくりでした。
最後のプロジェクトは自分が興味のあるどんな疾患や問題でも良かったので私は家族を対象者に選びました。

これからスタートを考えている方へ

私の卒業した大学は毎月スタート日があり、いつからでもスタートできます。
ただしWESの申請には卒業証明書や単位数等を学校からWESに提出してもらうため、卒業校の協力が必要になります。かかる時間は人それぞれです。
私の場合は2023年1月から卒業校の先生と連絡をとり、2月に学校からWESに提出、3月にWESから大学にレポート提出、すぐに届いていたのに全然チェックされず結局5月に大学がレポート受理。そして7月にスタートして8月に完了しました。
なので今から準備されるのであれば早ければ3か月後に、遅くても半年後くらいにはスタートできるのではないでしょうか。
以前、卒業校にはCGFNSでお世話になっていたので英語での卒業証明書や単位証明書はすぐに作成してもらえたのでそれも大きかったのかなと思います。

MSNプログラム

この大学にはMSNプログラムやDNPプログラムもあります。
MSNプログラム情報は詳しくないですが、それも同じく1ターム12週間で授業料も同じようです。
MSNはClinical hoursが100〜200時間とあるので、Preceptorをすぐに見つけられる環境にいる人には良いプログラムだなと思います。
私もいつか挑戦してみてもいいかな〜なんて、このプログラムを終えて思いました。
つい数日前にはMSN(NP)の標準プログラムが発表されたので、今後どんなプログラムが増えるのか楽しみです。

最後に

アプリケーション料の50ドルはコード(MSFALL)を入力すると無料になるので是非お使い下さい。シーズンによってコードは変わりますが大学ウェブサイト内に提示してあります。

他にも質問のある方はツイッターで随時受け付けていますのでご連絡ください。

⚠注意
こちらのページに質問されてもたまにしかチェックしないので返事が遅れる場合がありますのでご了承ください。
この記事はあくまでも私個人の体験談です。大学情報は日々更新されていますので詳しい情報につきましては各自で学校の方に直接ご確認ください。

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