日光人的「上と下」「裏と表」(1)
日光には、独特の方言というか、表現があります。
そのひとつが「上」と「下」。
たとえば「このお店の場所はどこ?」と聞いた時に、「郵便局の上」とか「郵便局の下」と答えられたらどんな感じを思い浮かべますか?
これは決して、郵便局の屋上や地下を表すものではありません。日光の人には、「上」は奥日光寄り、「下」は駅寄りを意味するのです。
日光の地形は、標高530mくらいの駅周辺から、いろは坂を登った標高1,200m以上の奥日光(中禅寺湖や華厳の滝、湯元温泉など)というふうに大きな標高差があります。
なので、当たり前のように、奥日光の方向を「上」、駅方面の方向を「下」と呼ぶのです。
これは、道路や電車が、東京方面に向かうのを上り、その反対を下りというのとは、まったく逆ですね。
ま、ある意味、理にかなっている表現なのですが、観光客の方は戸惑うこともしばしば。
日光でぜひ実体験してください。
次回は、日光人的「表」と「裏」のお話です。
(つづく)