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GM Guillermoに多面指ししてもらった

少し前に、Facebookグループで参加している地域のチェスクラブのページに「これからGM Guillermoが多面指ししてくれるよ、参加費5ドル」という投稿が上がったのを見て、あと15分、間に合う!と思って行ってきた。

GM Guillermo Vazquez氏はパラグアイ出身で、今はテキサスにお住まいのようだ。世界中のGMの中で一番身長が高いのだそうな。

会場につくと、10人くらいのアマチュアプレーヤーが集まっていた。大抵は私のような一人で来たプレーヤーだったけれど、お母さんに連れられた中学生くらいの少年や、チェス好きのおじいちゃんと孫、といった面々も。老若男女問わず、という印象でほんわかしていた。最高峰のプレーヤーがこんなにカジュアルにアマチュアに機会を提供してくれることにびっくりしつつ、そんな大らかなのがアメリカ文化の良いところなのだろう、とも思った。

白黒好きな方をということだったので、一番自信のある (それしか知らない) 白番でe4を指すことにした。Guillermo氏は各テーブルを回りながらパッパッと指していくのだが、こちらの持ち時間は90分に設定されていたので、ありがたく、じっくり考えながら指させてもらうことに。

写っていないところにも盤がズラっと並んでいる

Guillermo氏はCaro-Kann Defenseで対応。序盤は14手まででこの局面。ここまではマイナーピースを1つ交換し、相手の駒を封じこめつつ対角線で相手King方向にプレッシャーを集められた気がして、うまく指せていたような気がする。あとで解析してみると、このあたりまでは互角の展開だった。

次の15手目、なぜ普通にQueenでQxd4と取らなかったのか、Ng4と指した。これがBlunderで一気に劣勢に。

この後h5と指されると逃げ場がなくなってしまうのだが、実際にはGuillermo氏はBg5と指してこられた。ではその隙にとQxd4でpawnを取ったところで、Guillermo氏はRc8。それに対してc3と指したのも痛いミス。Bxg5と取っておけば等価交換で済んだのに。

次にRc4と指され、私のBishop2つにKnight1つ、と黒のBishop1つとRook1つ、を交換することとなった。下は交換後の図。

この先は、Rook2つをうまく使って何とかできないかと思ったのだが、Guillermo氏のふたつのKnightがRookの道を塞ぎながら美しく連携して攻めてきて、C-D列がダメなら右から、と駒を右に集めていたところに29手目のこれで心が折れ、32手目でResignした。

評価値の推移を見ていると、中盤から私のミスをきっかけにジリジリと差が開き、そのまま決着という感じ。きっと強い人は、特に攻めた手を指さなくても、相手のミスを待ってそれを咎めれば勝てる、という感じなのだろうと思った。

それと、手の精度の高さ。私はExcellentやGoodの手の方が多い。一方でGuillermo氏はBestの手が殆どを占めていて、それに加えてBrilliant, Greatの手がある。

もっと早くこれを考えていれば、ということは枚挙に暇がないのだけれど、十分時間がある中で指した結果なので、(当然だけど) 私の力及ばず、ということ。今の私に見えることにも限りがあるだろうから、また何度もこの棋譜には立ち返ってきてその都度新しい学びが得られたらいいな、と思う。

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